オムニチャネル

オムニチャネル時代の機会損失と不動在庫をなくす適正在庫管理法

オムニチャネル時代の不動在庫・機会損失の少ない在庫数は?

オムニチャネルの在庫管理は在庫切れが前提?

オムニチャネルの記事を検索してみると、店舗とECの在庫連携が重要で、オムニチャネル=在庫連携と説明している内容もあった。理由は、在庫が無いのにECで販売してしまわないようにするためである。店舗では、在庫が目に見てわかるが、ECは在庫引当しなければならないからである。在庫切れの商品を販売してしまうと、お客様にご迷惑をおかけしないための対策である。
でも、この考えは「在庫数が少なく売り切りたい時には有効な手段である」。言い換えれば、限られた少ない在庫を各販売チャネルで奪い合い、売れてしまえば、在庫切れで機会損失になることを許容している。つまり、効率的に売り切ることに効果がある考え方である。
経営視点でいえば、機会損失は無い方がよい。在庫切れで、お客様にご迷惑をおかけする事なく販売する視点では、各販売チャネルで適正在庫をマネージメントして、各販売チャネルで機会損失なく販売できるようにすることが望まれている。

適性在庫はどう考えるの?

では、適正在庫はどのように考えれば良いのか? ということになる。適正在庫の定義は考え方にもよります。たとえば、常に倉庫にある在庫数という考え方もあります。在庫数は常に変動するものですから、最大数(入庫直後の状態)という考え方もできますし、最小数(仕入発注しなければならない状態)と考えても不思議ではありません。ですので、ここでは「不動在庫および機会損失のリスクを最小限にする在庫数」と定義して考えることにします。
では、不動在庫および機会損失のリスクを最小限にする在庫数は幾つかといえば、「次の入庫までに販売できる数+バッファ」となります。
たとえば、1日の販売数が10個とします。入庫リードタイムを10日間とすると、適正在庫は100個となります。
次の在庫までに売り切れる数ですから、不動在庫になるリスクは減ります。また、在庫が底を付くときには入庫されますので、機会損失のリスクがなくなります。これが基本となります。とはいえ、販売数は変動するわけですから、バッファを持っておき変動リスクをカバーします。そして、入庫数(仕入数)は、次の入庫までに販売数になります。

オムニチャネル時代の不動在庫・機会損失の少ない在庫数は?

オムニチャネル時代の不動在庫・機会損失の少ない在庫数は?


ただ、仕入販売の場合は、仕入単位(最小ロット)が決まっている場合があります。ですが、上記で説明した内容が基本となり、差分調整することが、適正在庫と考えることができます。
たとえば、最小仕入ロットを100個とした場合、1日当たりの販売数が10個とすると10日間分の在庫となります。また、仕入発注から入庫までに15日かかるとすると、100個の入荷では足りませんから、200個の仕入が必要になります。そうなると、発注タイミングは入荷から5日後にすれば、丁度在庫切れになる頃に入荷されてきます。

バッファはどのくらい必要なの?

バッファは、販売数の変動リスク対策でもあり、不良品の交換などにも必要な在庫となります。キャンペーンや、様々な要因があって変動しますので、一概にはいえませんが、数日分の在庫でよいとは思います。
ここで注意すべきは、リスクを見過ぎて多めにバッファを取ると余剰在庫になる危険があるということです。また、一度に多くの仕入れるとボリュームディスカウントがあり、1個あたりの仕入れ値が安くなりますので、仕入れたい気持ちもありますが、以下のことに注意してください。

  • キャッシュフローは大丈夫か? >> マーケティングコストや倉庫コストもかかります。販売して入金するまでにはタイムラグがあります。余裕がないのであれば、やめておきましょう。
  • 売り切れる算段があるか? >> メーカーや卸がボリュームディスカウントするのは在庫リスクを減らすためです。仕入れて販売する小売りは消費者への販売ですから、ボリュームでの販売は見込めません。1個単位で売り切ることが見えていないと在庫リスクを抱えてしまいます。

オムニチャネルではどのように適正在庫管理すればよいか?

ある会社では、店舗在庫、自社EC在庫、アマゾン用在庫、楽天用在庫、ヤフー用在庫とオムニチャネルを展開しており、販売チャネル別に在庫数を管理しています。理由は、販売チャネル毎の担当者それぞれに売上目標が設定されているためです。ですから、在庫も販売チャネル毎に管理をするようにしています。これだと、各々の販売チャネルの担当者は、機会損失とならないようにリスクを含めた在庫数を持ちたくなります。となると、販売チャネル毎にリスクを持つので、会社全体としては大きなバッファ(リスク在庫)を抱えることになります。これでは余剰在庫になることは想像がつきます。いづれは、在庫処分として投げ売りをすることになりそうです。
でも、この会社では、上記のようなリスク在庫が膨らむことを想定して、2段階の在庫管理をしています。1階層目は、販売チャネル毎の在庫管理です。2階層目は、会社としてのバッファ在庫を管理します。上記に説明した適正在庫のバッファを会社共通在庫として管理しているということです。
このことにより、店舗在庫が少なくなったら、バッファから割り当てます。もしバッファから割り当てができない場合は、他の販売チャネルで販売数が伸び悩んでいる販売チャネルから、割り当てている在庫を移動をして補充しています。
つまり、販売担当者は、在庫数を気にするものの販売することに注力できるようにしています。そして、バッファを管理する担当者が、常に在庫切れにならないように調整しています。このバッファ管理担当者は、仕入れも担当しており、販売チャネルの担当者からの依頼で補充しますが、仕入れについては、任されています。こうすれば、余剰在庫にならず、販売チャネル毎に在庫管理をすることができます。

補足

この考え方には、当然デメリットもあります。売上が成績ですから、売上至上主義になる傾向があります。つまり、仕入コスト、在庫維持コストに対する意識が低くなります。役職者が見るのは利益です。ですので、分業のメリットがあるものの、収益性に悪い影響がある可能性があることをご留意ください。

まとめ

オムニチャネルでは、在庫の取り合いになることが懸念されます。ですので、在庫管理をリアルに引き当てる発想になりがちです。しかしながら、販売数と仕入タイミングをコントロールすれば、リアルに引き当てをしなくても支障はありません。それどころか、機会損失を防ぎながらも、余剰在庫リスクも減らせることができます。
在庫数の状況に振り回されるのではなく、うまくコントロールしていくことが在庫管理のポイントだと思います。

【必読】オムニチャネルの恩恵を最高に享受するには?

オムニチャネルの誤解

オムニチャネルが小売の主流となり、店舗・ECともに厳しい状況になっていきます。大手小売は、資本力を活かした大規模なIT投資をして、更なる優位性を確立しようとしています。セブン&アイのオムニチャネルは、グループ各社を融合させようとしています。既に、セブン&アイのECサイトで購入した本をセブンイレブンのコンビニで受け取れるサービスは開始しています。これからも随時サービスを充実させていく予定で、グループ各社は、それぞれの強みで事業を展開していきながらも、グループ全体は1つの企業体のように繋がり最適化を図っていくものと考えられます。
小売業は、益々厳しい状況へとなっていきます。とはいえ、大手のオムニチャネルを黙って見ているわけにもいかず、中小企業も積極的にオムニチャネルを取り入れようとしている企業の少なくないと思います。しかし、期待した効果が得られずにいる企業も少なくありません。何故なら、オムニチャネルの理解が、店舗とECの両方を営むこと、顧客情報を統合すること、在庫管理をすることのように考えられているためです。
たとえば、オムニチャネルを店舗とECの顧客・在庫情報を連携させることと考えてみると、お客さまからすれば、店舗もECも同じ企業として見ていますので、やっと不便なことが解消されると思っています。不便なことを解消することは商機に繋がりますが、新しい価値を提供していることではないので、短期的なそれなりの成果しか期待できません。

オムニチャネルの説明の殆どはIT投資が目的

このような誤解がうまれる背景には、オムニチャネルを具現化するには、IT投資が必要不可欠であることから、SI企業・ECサービス提供企業が積極的に活動をしており、説明の殆どがIT投資を目的として書かれているからです。だから、顧客情報、ポイント情報、在庫情報の連携が必要である、プロジェクトを推進するには関係部署の協力は必要であるということを説明します。確かに、オムニチャネルをイメージするにはわかりやすく、IT投資のポイントも理解することができますので、とても有益です。
でも、オムニチャネルの本質は、仕組み作りではなく、ここからの戦略の発展です。店舗とECの融合は、オムニチャネルの必須となる施策の1つでしかないのです。言い方を変えると、オムニチャネルというよりは、オムニチャネルの要件定義なのです。
オムニチャネルという言葉からすれば、全ての販売チャネルを統合するということですが、社内都合で出来なかった事が出来るようになり、業務プロセスや、業務内容にも変化があります。ようは、オムニチャネルを導入する前と後では、KPIの見直しがあってしかるべきで、社内のバリューチェーンへの影響が大きいはずなのです。この影響を事業の成長に活かすことが、オムニチャネルの真価であると考えます。
1335

オムニチャネルの本当の真価とは?

オムニチャネルは、単なるIT投資ではなく、事業に大きな影響を与えます。この影響を事業を強固にする方向性へと示すことで真価を発揮すると考えます。
たとえば、在庫管理の視点では、オムニチャネルが導入されることで在庫管理が店舗とECで一緒となり、それぞれで抱えていた余計なリスク在庫が不要となります。在庫は売れることでキャッシュとなるもので、売れ残った在庫は資産から、処分すべき資産価値ゼロに変身するものですので、最低限にしなければなりません。在庫管理以外にも、様々なデータが統合されることにより、いままで見えなかった事が分析からわかるようになります。これにより、精度の高いパーソナライズ化が実現できるようになります。
このような戦略的思考により、収益性を高め、得られた利益を次の投資へと繋げていくことで、強固な企業へとなっていきます。

まとめ

オムニチャネルの導入を機に、事業を発展させる戦略の策定が重要です。IT投資だけでも、それなりの成果は得られるかもしれませんが、それだけで留めてしまっては、勿体無い事です。オムニチャネルを最大限に活かすための、オムニチャネル戦略としてのグランドデザインを策定して実行していくことが、オムニチャネルの真価を発揮し、恩恵を最大に受けることができるでしょう。

オムニチャネル時代のバックオフィス

デザイニストラボ株式会社

オムニチャネルのバックオフィス

オムニチャネルの導入において、EC、店舗、倉庫等のシステム同士が連携することは必要不可欠です。
注文したら在庫切れでお断りすることや、納期が遅れることは、サービス低下につながるからです。しかも、非効率で煩雑な業務となるため、ミスや経費アップにもつながってしまいます。小規模なうちは、こなせるかもしれませんが、いつまでも非効率のままで良いわけではありませんし、売上アップに比例して重大な経営課題へと発展してしきます。

オムニチャネルのバックオフィスの検討

では、どのように検討していけばよいのでしょか?
ネットで検索しても具体的な話はなく、個別ソリューションとなっています。また、シームレスな連携とあるが、技術的・構成としてどうなっているのかが不明である。もしかしたら、膨大な投資になるかもしれないし、入れ替えた方がよいと提案をうけてしまうかもしれない。ソリューションを提供する側としては、企業個々にバックオフィスの仕組みは違うために、このような表現しか出来ないのかもしれません。
しかし、悩んでいても解決はしないので、既存パートナーに相談することからはじめます。EC、店舗、倉庫のそれぞれを担当したSIパートナーです。もし、特定パートナーだけにすると偏りのあるソリューションになってしまうため、個々の良いところを活かしつつも全体最適化を図ることが重要だからです。
バックオフィスのパートナーから、ECパートナーへ、仕様を提示したとしても、APIを使えば安く・早く出来ます。また、仕様をあわせるにはDB構造にも影響して膨大な改修が発生するかもしれません。更に、拡張性が奪われECマーケティング施策に支障をきたすかもしれません。ですので、関係パートナーが集まり、お客さまのベストな解となる具現化する方法を検討して、実行すべきなのです。
(補足)既存パートナーに不安を感じる。全体としてプロジェクト化することは理解できるが、自社にはリーダーシップを取って推進することが難しいと思われるようでしたら、スポットでコンサルティング会社に委託することも選択肢です。コンサルタントの知恵と経験から最適な方法へと導いてくれます。プロジェクトが難航して中途半端になってしまうようであれば、効果があり総合コストも下げることができるかもしれません。

オムニチャネルのバックオフィスへの影響

セブン&アイでは、ECで購入した商品をコンビニで受け取れます。このサービスを実現するためには、物流の仕組みを改修しているはずです。別々に対応していたら、物流コストが膨らんでしまいますので、商品と同時に商品も配送できるように、ピッキングリスト、配送リスクなども修正されているはずです。それ以外にも、オムニチャネルの目指すところは販売数を増やすことにあるので、機会損失を減らすために生産計画(もしくは仕入計画)にも影響があります。販売量が増えれば、出荷処理にも影響しますし、カード決済、振り込み決済の量も増えるので、財務量も増える。また、問い合わせも増えるので、コールセンターも大変になる。つまり、事業が拡大することによる、いままで問題ではなかったことも良い意味での経営課題へと発展しています。

オムニチャネルを躊躇させる壁

オムニチャネルを構築する際に想定される課題です。やらなければならないことは理解しているが、影響が大きく躊躇する要因にもなっていると思います。でも、この壁を越えなければ永久にかわることはできません。

インフラの課題

ECと商品在庫を管理するシステムが物理的に違う場所にある場合、在庫情報などのデータをどのようにして「リアルタイム」に連携すればよいのか? という問題が発生する。物理的に同じであれば、データベースへの接続ができるため、アプリケーションを開発すれば良い。しかしながら、物理的に別にある場合は、お互いをAPI接続するか、VPN接続する必要がある。つまり、インフラへの投資、設計変更が必要になってくる。

バラバラに構築されたデータベースの課題

オムニチャネルに限ったことではないが、同じようなデータが複数存在している。もし、2重入力しているようであれば、少なからず同じデータが複数存在している証拠である。オムニチャネルのようにデータを一元化しようとする動きにおきて、複数存在していることはデータの整合性が取れない可能性がある。これを機会に整理することをお奨めする。
簡単に整理する方法は「正」を決めることである。たとえば、倉庫にある商品管理システムにある在庫数が会社の正しい在庫数であると決めにするということです。あとは、各システムは、このルールに従って処理をすればよい。

オムニチャネル業務の課題

オムニチャネルを導入すると、各業務に影響する。店舗では、リアルで在庫確認が可能となり、店舗に在庫がなければ他店舗、ECでの販売を紹介し、機会損失を防ぐことができる。また、物流も効率化するために、店舗への配送時にECによる店舗受け取りサービスの商品も同時に運べるようにする。つまり、ピッキングリストの改修が必要になるわけですが、このことを物流担当者に伝え業務に加えてもらう必要があります。つまり、リアルな業務に対する影響を全社に連絡し、定着させなければならないということです。

オムニチャネルのバックオフィスを成功させる3つのポイント!

オムニチャネルによるバックオフィスへの影響は大きい。でも、最初から完璧にする必要はない。オムニチャネル戦略を取ったからと言って、翌日から売上が何倍にもなるわけではない。どうしても時間がかかるものである。ですので、この時間を無駄にせず、計画的に優先順位を決めながら整備していくことが大切なのである。

サービスを設計する

利益を追求するオムニチャネルのバックオフィスは、冒頭にもあるようにサービスを提供する仕組みです。いまの業務の整合性を合わせるのではなく、このタイミングでサービス向上のための施策も盛り込むべきである。
たとえば、出荷までの期間を2日から翌日配送にする等である。もちろん、商品在庫との兼ね合いもありますが、小売業の基本戦略はオムニチャネルとなっていくので、一元化から1つ上のサービスを展開していかなければならない。せっかく、投資をするのですから、戦略的に攻めたサービスも具現化できるようにしていきます。このことにより、差別化していき、先行メリットを受け、その利益を更なる高みへの源泉とするのです。

業務の流れを再整理する

BPRとも近しいですがが、主目的は無駄を取るというよりは整合性を取るということです。何かしらの業務が変更されてば、少なくとも前後の工程にも影響があるはずです。もし、ここに新たな問題が発生しないように確認しておくことです。
BPRも含めたくなるのですが、あれもこれもとすると、リリースが遅くなってしまいますので、検討は良いですが、実装のタイミングには注意が必要です。

計画とITアーキテクチャーをマネジメントする

注意すべきは、検討していると欲がでるものです。機能を盛り込む過ぎて、リリースが遅れるということは、サービスは顧客に提供することが遅くなるということです。少しでもサービスは早期にリリースすべきで、早ければ早いほど恩恵をうけれるのです。一気にやるのではなく、1つ1つ計画的に実施していくことも選択肢です。小規模なリリースを短期間に繰り返すのです。そのためには、計画とアーキテクチャーの整合性が取られていなければなりません。でなければ、計画通りに進めることが出来なくなるだけではなく、投資額も膨らんでしまいます。

管理会計を見直すことを忘れずに!

管理会計まで考えられる人は少ないのが残念だが、管理会計への影響がある。たとえば、物流の効率化をするということは、活動基準原価計算の取得方法に影響がある。更にいえば、指標とすべき数字が変わってくるので、見直しも必要になる。つまり、オムニチャネルにより影響する業務に対する管理会計も見直しをしなければならないということである。

まとめ

事業内容や自社の強みによって差別化要因は違いますが、顧客視点で顧客の困っていることを助けるサービスを構築することが大切なのです。どうしても、IT無くして実現はできないので、SI企業などがIT基準でオムニチャネルを自社サービスに照らし合わせて、あるべき論を語りますが、それだけでは弱いのです。もちろん、大切なことですが、プラスとしてオムニチャネル戦略をどのようにすべきかというから入るべきなのです。そのためには、ビジネスとITの両方の視点で物事を考えることが必要不可欠なのです。

成功するEC導入・運営メゾット

EC市場と現状

EC市場は成長の一途を辿っています。オムニチャネルが主流となり、更なる利便性の向上・利用者の抵抗感が無くなったことから、企業規模に関係なく家族経営・個人事業もホームページ同様にECを立ち上げる時代になっています。
さて、このECですが導入・運営を間違えると収益が期待できなくなってしまいます。ECはインターネット上のお店ですので、リアル店舗ではマーケティングをするように、インターネット上でもECに対するマーケティングを実行する必要があります。つまり、ECは単なるインターネット上の売場ではありません。商品説明・決済・FAQなどは、営業やカスタマーサポートと相当するページがあって、購入へとつながります。また、購入後の商品配送・アフターフォローといった業務も必要です。ECを事業として捉えなければ、ECを立ち上げても売上が目標を下回り、EC運営に掛かるコストが負担となってしまいます。
では、どのようにしてEC導入・運営をすればよいのでしょうか?
これからご説明するEC導入・運営メゾットは、新規EC導入・運営・既存EC運営の改善に必要な考え方です。

なぜ、ECの売上が上がらないのか?

EC導入をしたが失敗している事例は多数あります。よく聞く話しとしては「楽天・アマゾンに出店しているが、出店料(手数料)と収益があわない」「独自のECサイトを構築したが、売上が上がらない」「店舗業務とEC業務が煩雑になってしまい手間暇(コスト)がかかる」などです。
また、既にEC事業をされている企業では「リスティング広告費用を追加したが、CPA(お客さま一人を獲得する費用)が高くなる」といった話しも聞きます。確かに広告費を上げれば数字は取れますが、継続して出来るものではありませんし、意図した施策ではないはずです。
何故、このようなことになってしまうのでしょうか?
原因は、EC運営が場当たり的になってしまっていると考えられます。営業部門が予定を下回っていた場合、営業会議で指示を仰ぎながら対策を打つなど、学習と対策をしています。ECも一緒で、収益改善のため、学習(分析)と対策をまわしながら、時代の変化や、お客さまの趣味嗜好にあわせることをしなければなりません。
また、EC運営にはECマーケティング・業務設計も重要であるにも関わらず、ECマーケティング・業務設計がされていないことがあります。リアル店舗では、立地・家賃・営業方法・アルバイト等々と考えたように、ECもインターネット上の店舗として考えなければなりません。
しかも、現実的にECの売上が上がらない要因は、1つではなく複数要因が混じり合っているため、原因特定を難しく改善を難航させています。
では、成功するEC導入・運営メゾットをご説明します。

成功するEC導入・運営メゾット

成功するEC導入メゾット

成功するEC導入メゾット


1. ECマーケティングを策定する
ECマーケティングは、商品のターゲットに対してストーリー立ててマーケティングを仕掛けていきます。
ターゲットとは、商品を必要としているお客さまの層です。たとえば、ロボット掃除機は、日常忙しい30代の主婦です。ECマーケティングでは、ターゲットのお客さまの詳細(年齢・性別・年数・家族構成など)を明確にしたペルソナを作成します。(参考:ペルソナ戦略でお客さまに最適な価値を提案する方法
ペルソナを作成したら、次はカスタマージャーニーマップを用いて、ECマーケティングを策定します。ECには、様々な経路を経由してアクセスされます。
Googleからの検索、リスティング広告、ECショッピングモール内検索、ソーシャルメディア、ホームページ、みんはぴ(クチコミサイト)からのリンクがあります。また、インターネット以外でも、CMで検索キーワードを伝えてインターネットへ誘導するパターン、雑誌・広告媒体からの誘導もあります。
カスタマージャーニーマップは、様々なお客さまとの接点において、ペルソナだったら、どのような思考・行動を取るのか考え、現状の施策とのGAPを検討、マーケティング施策をマップ化することです。
ECマーケティングは、カスタマージャーニーマップで作成された施策をもとにして実行していき、確実にECに辿りつけるようにします。(参考:カスタマージャーニーマップは思考の整理と共有に便利なツール
2. EC相関図
ECは、商品説明・ショッピングカート・決済といった売場だけではありません。お客さまに商品価値・利用シーンを詳細にイメージできるようにし、購買につなげることです。
お客さまは問題懸念があると購入を躊躇することがありますので、たとえばカバンの購入を考えると、使い勝手・色・サイズ・重さ・容量・デザイン・メンテナンス等々と、お客さまが気になることを解決してあげる必要があります。そして、お客さまが鞄を欲しいという欲求を叶えます。
商品説明以外にも、広告やクチコミでは足りない情報を補完するように販売する側の立場での有益な情報発信(参考:お客さまが欲しい情報は、プロの専門的な記事です!)、リコメンド、決済方法の充実、ポイント制度、マイページ、ダイレクトメール、配送記録、アフターフォロー、統計分析等々の機能が、ECの成長と共に必要になることは想像できます。EC相関図は、このようなことを整理し適切な導線をつくり、図式化したものです。
このEC相関図をもとに、適切なECへの投資をして、業績に貢献するECへと育てていきます。(参考:CIOが語る!ITは優秀な社員です。道具と考えると失敗します。
3. 業務設計
ECはインターネット上の店舗ですので、購買と同時に商品をお渡しすることができません。当然ながら、適切に商品を届けしなければなりません。そのためには、在庫管理・ピッキング・梱包・配送(宅急便への渡し)・集金(銀行振り込み・カード会社)といった業務が必要です。
あるEC事業者の倉庫では、毎日数百というピッキングと配送をしており、効率的に作業をしなければ、お客さまに納品するまでに時間を要してしまいますし、無駄なコストも発生してしまいます。また、このEC事業者は遅くとも翌日配送(基本は当日)を実現しており、お客さまへのサービス向上にもなっています。
この業務設計は商品をお届けする以外にも、「機会損失」「余剰在庫」の削減に貢献する重要な役割があります。いつも在庫切れであると、お客さまは自分に都合の良い解釈をしてECから離れていきます。そして他社で購入します。逆に、機会損失とならないように在庫数を増やしても、全てが売れるとは限らず、余剰在庫となり評価損を計上することになるかもしれません。日々、データ分析をし、商品ライフサイクルを見極めながら、適正価格と在庫調整が必要です。
業務設計は、インターネット上の売場ということだけではなく、お客さまに最高のサービスを提供し、企業の収益となる大切なことです。
4. KPIを設定して運用する
KPIとは、各業務における評価です。ECマーケティング(CPA、新規顧客数、販売数、アクセス数など)、EC相関図(ページ別の離脱率、購買単価、購買率、商品別販売実績など)、業務設計(受注から配送までの時間、配送ミス件数など)それぞれ事業特性にあわせた設定をして、問題点の発見と早期改善を図ります。(参考:中小企業のための管理会計

まとめ

EC導入・運営のお勧めは、最初から全ての機能を搭載することは時間とコストを要するため、EC相関図をもとに育てることです。ECに限ったことではありませんが、まずは最低限の機能でスタートをさせて、短期間でのPDCAを繰り返しながら機能追加をしていくことがベストです。ECマーケティング・お客さまの嗜好性・商品説明の充実性など、様々な要因がありますが、少しEC運営をして経験して得た事項をもとに、重要性と優先順位をつけてPDCAを繰り返すことが、最も効果的であるからです。言い方を変えると、ECの評価はお客さまが決めることですので、お客さまの思考・行動を把握しながら改善することが良いのです。よって、ECのプラットフォームには、拡張性・カスタマイズ性に優れていることがベストです。
コンサルティングでは、仮説を立て検証をします。この仮説・既存データ分析・検討結果をまとめたのがEC導入・運営メゾットです。PDCAは、EC導入・運営メゾットの検証をしながら、効果的な収益をすることです。
これにより、儲かるECとなり、儲けたキャッシュを更なる投資へ繋げ、もっと収益性の高い好循環モデルへとなっていくことができます。
私たちは、実際にEC事業を運営してきた経験から、実践+理論による成功するEC導入・運営メゾットを考えました。ECを本格的に導入したい企業様・EC事業を改善したい企業様に成功するEC導入・運営メゾットをご提供します。また、EC運営のための人財確保・初期投資を抑えることができるEC運営のアウトソースにつきましても、是非ご相談ください。御社に最適なEC運営ソリューションをご提供します。
みなさまのEC事業のお役に立つことができましたら幸いです。

オムニチャネル時代の販売戦略

小売業にECは必要不可欠

オムニチャネル時代が本格化しています。しかし、店舗で成功している企業はECに弱いという見方もできます。理由は、ECに売上を奪われ店舗の売上に影響すると考えるためです。さらにフランチャイズ展開している場合には、オーナーへの配慮もしなければならず、EC導入を躊躇します。戦略のジレンマです。とはいえ、小売業にとってECはホームページのように必要最低限持っていなければならない時代です。では、本当にお客さまを奪い合い業績に悪影響を与えるのでしょうか?

ECと店舗は本当に売上を奪い合うのか?

オムニチャネルが、売上を奪い合い業績に悪い影響を与えるということを論理的に考えると「パイが限られている」「ショールーミングで店舗売上が減る」「店舗スタッフのインセンティブ」「フランチャイズ・セレクトショップへの配慮」という課題が業績に影響すると思われているからです。では、この課題が本当に成り立つのか考察してみます。
1. パイが限られている?
奪い合うということは限られたパイの中でのことです。そもそも限られたパイの中でビジネスをすることは考えていないはずです。もし、限られたパイの中でビジネスをするということは、レッドオーシャンの中に飛び込むようなものです。
パイは限られているのではなくパイは広げていくもので、コモディティ商品であったとしても商品寿命に応じた買い替え需要があります。つまり、購買は常に繰り返されているのです。衣類を考えるとわかりやすいと思います。子供から大人への成長、季節に応じた服装、場所に応じた服装、流行と購買シーンはたくさんあります。
つまり、オムニチャネルによりECのメリットを活かしてパイを拡大する、買い替え需要を自社に取り込み社内ではなく競合他社から売上を奪います。このようなことが経営判断になるはずです。
2. ショールーミングで店舗売上が減る?
ショールーミングは、同じ商品を安く買う消費者視点の合理的な購買方法です。ネットにはヤマダ電機が苦戦を強いられた記事もみられ、ショールーミングは販売店にとって悪と思われています。他方で、セブンイレブンや資生堂などは、積極的にオムニチャネルを進めています。扱う商品にもよりますが、ショールーミングは悪ではなく正しく付き合うことが求められています。
プライベートブランドであるならば、どこで店舗でもECでも購入されることには変わりがありません。つまり、店舗・ECどちらで売上があってもよいのです。むしろ、ECの方が店舗よりも維持コストは安いですから、収益向上にもなります。
ナショナルブランドは、店舗メリットを最大限に活かした施策となります。店舗メリットとは、店舗スタッフ・実物を見れる・その場で持ち帰れる・バイヤー(商品)です。店舗スタッフは誰にも負けない営業です。購買者に提案し、ご満足していただき購入するテクニックを持っています。これは、残念ながらECでは出来ないことです。また、バイヤーのセンスも大切で、どこにでもある汎用品ではなく、購買者に興味を持っていただける、世の中にあるすばらしい商品を発掘し提供しています。このことにより、ナショナルブランドでありながらも、プライベートブランドのように扱うことができます。これは時間軸も考慮すべき戦略ですが、少なくとも先行メリットの恩恵はうけることができるはずです。
ちなみにヤマダ電機が苦戦した原因を分析すると、家電はどこで購入しても一緒で即時必要な商品でもありませんので安い方に流れます。ヤマダ電機も店舗での安売りを武器にして成長してきました。しかし、他社に取られるということは最安値ではないということになり、いままでの戦略と矛盾が生じてしまっています。では、ヤマダ電機は値段が高いのかといえば安いです。ただ、ヤマダ電機はポイント割引で最安値となるよう調整していますので、表現が難しいことや、ヤマダ電機で常に購入しない購入者にとっては魅力を感じられないために苦戦していると考えます。(ちなみに、ケーズデンキはポイント制度を廃止して、その分最初から値引きする戦略をとっています。)
少し脱線しますが、ヤマダ電機のポイント戦略は、囲い込みとキャッシュフローにメリットがあります。囲い込みはポイントを使おう・勿体無いという心理から次もヤマダ電機で購入することを促します。キャッシュフローは、値引きをポイントとしているため、キャッシュとして入ります。ポイントは引き当てとしますので、全額キャッシュを維持する必要はなく投資にまわすことができます。(ただし法務局への保証金の供託義務があります。)さらに、ポイントは失効すると実質的に値引きしていないことになり収益を助けます。とても理にかなった戦略ですが、オムニチャネルの時代になり、ポイント戦略の見直し時期になっているのかもしれません。
3. 店舗スタッフのインセンティブ?
厳しい見方をすれば、社内制度の問題であり、お客さまには関係ありません。しかし、インセンティブで売上を伸ばしてきた成功事例・成功体験から変化することは難しいことです。
しかし、金銭的インセンティブは一時的な効果でしかないことは、様々なメディアでも取り上げられています。また、金銭的インセンティブ以外に、他店に負けたくないといった気持ちがあります。つまり、納得感のある制度の上で店舗スタッフを評価をすることです。
たとえば、売上目標に対する実績が評価となりインセンティブとなることが多いですが、売上は人口密度・キャンペーン・店舗場所にも影響します。都心のショッピングモールで立地も良い店舗と、地方の駅ビルの店舗とは違うのは当然です。しかも、シッピングモール独自のセールを開催すれば、店舗の施策に関係なく来店が増えます。店舗によって条件が違ってきますので収益で評価が好ましいはずです。都心は売上も多いが、人件費・家賃も高いです。地方は、売上は低い分、人手も少人数で済みますので人件費・家賃も安いです。
それ以外にも、店舗からECへの誘導も販売実績として評価するなどの要因を考慮し、オムニチャネルにあった制度改正をすることで解決できるのではないでしょうか。
4. フランチャイズ・セレクトショップへの配慮?
とても悩ましいと思います。特定のフランチャイズ・セレクトショップを優遇するわけにもいかず、しかも、商品を供給する側としてECによる直販をすることはフランチャイズ・セレクトショップの売上を奪うことにもなり兼ねません。
このような状況で商品を供給する側として考えるべきことは、在庫調整とマーケティングとしてのECがあります。在庫調整は不動在庫の販売です。フランチャイズ・セレクトショップは限られたスペース内で、売れ筋を並べることで坪単価当たりの売上を最大にしようとしています。見方を変えれば、フランチャイズ・セレクトショップで売れ筋ではない商品は在庫となってしまいますので、直販で損失を防ぎます。実は、それ以上に効果的なのがマーケティングとしてのECです。ECは電子カタログの役割も持ち、購買意欲を高めることができます。ECで購入する場合もありますが、購買者心理によりフランチャイズ・セレクトショップへのO2O(Online to Offline)となります。このことにより、好循環が築けます。
ある古物を扱う企業では本部が積極的にECで販売と仕入をしています。理由は、古物においては中古品を仕入れるのが最も重要な施策なのですが、本部で仕入れた売れ筋商品をフランチャイズに流すためです。フランチャイズは仕入れの苦労を緩和できますし、良い商品が流れてきますので店舗の売上に貢献します。つまり、本部のECがフランチャイズを支援しているのです。フランチャイズとしても、自分たちの収益を支援している本部ECを非難することできません。本部の薄利とはいえ、フランチャイズへの販売収益もありますし、フランチャイズが希望しない商品は本部ECで販売し収益としています。

オムニチャネル時代の販売戦略とは?

ここまで読んでいただいたことで、オムニチャネルは、自社の状況・物事を整理して正しく付き合う方法を考えれば売上に貢献することがわかったと思います。もしオムニチャネルに悩まれているようであれば、不確実性が不安となって踏み切ることが出来ていないだけなのです。また、ECはインターネット上で販売するだけではなく貢献の仕方はアイデア次第で広がります。(参考:IT企画が発想のコモディティ化をしていませんか?、 CIOが語る!ITは優秀な社員です。道具と考えると失敗します。
では、オムニチャネル時代の販売戦略を考えます。商品・事業戦略によって違いはありますが、下記のような視点とアイデアによりオムニチャネルの導入効果は高まります。

オムニチャネル時代の販売戦略 ~ECと店舗の親和性は高く、アイデア次第で売上は伸びる~

オムニチャネル時代の販売戦略
~ECと店舗の親和性は高く、アイデア次第で売上は伸びる~


お客さまを共有し、創造する
店舗もECも購買者には変わりません。顧客管理も別々にするのではなく共通化することで、サービスを向上させることができます。

  • 店舗とECで同じサービス・特典を提供する
  • 購買履歴や店舗での購入・各種情報もECと一緒に扱うことで、One to Oneマーケティングに役立つ

店舗とECをつなぐ
オムニチャネルは、ECで販売するだけでなく時には店舗を支援する立場となり機会損失を抑制します。

  • 店舗でカタログを見ながら接客、そのままEC販売もできる
  • リアルタイムに倉庫・他店舗の在庫状況確認し商品を確保できる。後から連絡することなく、その場で商品を確保することは購買者への安心となり、心変わりによるキャンセルをなくせます。
  • 店舗に在庫がなければ、接客しながら自社のECでの販売ができるだけでなく、購買者による競合他社への移動を防止します。
  • EC販売を店舗で受け取る(セブン&アイホールディングスが進めている施策です。利便性だけでなく店舗に寄った際に他の商品の購入機会を増やすことが期待できます。参考:セブン&アイのオムニチャネルを分析する!

店舗のデメリットをECで補う
店舗は限られたスペースであるため、定番商品・売れ筋を中心に品揃えをします。しかし、購買者の嗜好が多様化し品揃えも重要な戦略となっています。その品揃えを補うのがECです。

  • 店舗にはない商品も提案・販売ができる
  • ECには全商品を登録する(店舗への影響を配慮しECへの商品を限定しているところもありますが、ECはインターネット上の旗艦店として捉え全商品を掲載が好ましいと考えます。ビジネスの相手は社内ではなく購買者だからです。)

ECのデメリットを店舗で補う
いまではスカイプなどを利用して補完している企業もありますが、ECの弱いところはリアルな接客です。購買者は納得して購入したいという気持ちもあり、店員スタッフから情報を得る・提案をうけることで納得して購入することもあります。インターネット上のクチコミ・商品説明だけでは足りないことを店舗で補完します。なによりも、人ならではの接客ができます。
資生堂のワタシプラスでは、優秀なビューティーコンサルタントを紹介することで来店を促し新規顧客開拓をしています。新規顧客の開拓ができれば、リピート購入は店舗でもECでも可能となりオムニチャネルが活かされます。(参考:資生堂ワタシプラスにみるO2O戦略の3つのポイント!

ECのコスト

ここで、気になるのがECのコストです。たとえば、R社のECポータル費用は、月額50,000円+売上の2~4%です。たとえば、売上1,000,000円とした場合、売上の3%としても50,000+(1,000,000×3%)= 80,000円です。売上に対する8%です。
商品の利益率にもよりますが、損益分岐点は高くはないと思います。仕入値、販売管理費、人件費などを考慮しても十分に採算は取れます。
もし規模がそれなりにあるのであれば、自社でECを持つ場合もあります。ただし、インフラだけでもデータセンター、回線費用、監視、保守、運用などがあり最低でも月額数百万は必要で決して安くはありません。新規でハードウェアを揃えるなら、さらに初期費用に数千万は必要です。また、実際にEC事業をしていた経験から、深夜・休日問わずの障害対応、キャンペーンなどの一時的な徹夜での監視対応など、ECを維持するための体制も大変な仕事です。
いまでは、ECのクラウドサービスの方がコストが安く、自社からクラウドへシフトすることもコスト削減・安定稼働・社内体制の健全性という観点からも選択肢となっています。

まとめ

オムニチャネルは、(なりふりかまわず)販売することです。ECは、物理的(全国・全世界)・時間的(24時間365日)な商圏を広げ、機会損失を最小化します。オムニチャネルは、業績に良いことはあっても悪いことはないのです。ECは、インターネット上に無限に広くお客さまが瞬時に自由に行き来きできる旗艦店です。ECに取り組まないことは機会損失となり、本来の収益を捨てていることになります。
もし、ECを未導入であるならば、早々に取り組むべきです。また、既にECを導入しているが、売上に貢献していないようであれば、これを機にオムニチャネル・ECを見直すことをおすすめします。時代の流れは速く時間軸も戦略に重要な意味を持つからです。
オムニチャネル・ECにご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。(お問合せはこちら

店舗におけるWEBマーケティング

店舗におけるWEBマーケティングの現状

店舗のWEBにおけるマーケティングは、ほとんどが有料のコンテンツに掲載をしています。基本料金は安い(無料もある)が、オプションをつけなければ効果は期待できず、高価なオプションを支払っているのが実態です。また、競合店舗も同じように掲載していますから、オプション料金を高くして宣伝しようと思うのは当然のことです。
ただし、オプションを支払うことで露出が高くなるため、お客さまが増えたようには感じるとは思いますが、実際の効果測定も難しく支払に見合った収益があったのかわからないのも事実です。また、見方を変えると有料コンテンツにアクセスする限られたユーザーの範囲内において、オプションを支払って、お客さまを奪い合っているとも言えます。
本来のWEBマーケティングのポテンシャルは大きく、インターネットを通じて広くお客さまとコミュニケーション・接することで、もっともっとお客さまを増やすことができます。しかも、非常に安価にです。
いまでも広告もインターネット市場は成長をし続けています。背景には、TVを見ながら・通勤・通学・いつでもどこでもインターネットに繋がっているからです。
よって、みなさんの店舗経営にWEBマーケティングを活用することは必然的であり、取り組まないことは競合店舗にお客さまを奪われるだけです。
では、店舗におけるWEBマーケティングについて、ご説明します。

店舗におけるWEBマーケティング

店舗におけるWEBマーケティング

店舗におけるWEBマーケティングの問題点

有料コンテンツは、必要かといえば必要です。何故なら、コンテンツへのアクセス者は何かしらの店舗を探しているからです。つまり、見込み客ですので、たとえ売上にならなくても記憶の片隅にでも店舗名が入ることは有益だからです。
しかし、オプションで儲けるのがコンテンツ運営会社のビジネスモデルですので、収益に見合った販促費となっているか見直す必要があります。
また、お客さまは求めるものと予算を比較して、自分にマッチしつつも最大の価値が得られると思う店舗を選びます。つまり、自分の店舗の価値を伝えなければならないが、限られたスペースと文字数だけでは限界があり、結果的に競合店舗と似た内容になってしまいます。
また、ホームページで掲載している内容は、きれいな画像を使って店舗名・所在地・商品です。つまり、本質サービスを伝えています。
本質サービスとは、たとえば、銀行は預けたお金を守る「安全性」、計算ミスなく引き出しができる「確実性」、顧客を差別しない「公平性」があります。これらは、どの銀行でも提供する本質的なサービスです。この本質サービスに対して、表層サービスがあります。表層サービスとは、銀行のロビーの「雰囲気」が良い、行員が「親切」などです。特に無くても銀行な成り立ちますが、良ければ顧客の満足は高まるサービスです。
ホームページの問題は、この表層サービスが足りていません。よって、これも結果的に競合店舗と似たものになってしまっています。

これからの店舗におけるWEBマーケティング

お客さまが行きたいと思う情報、競合店舗と違う(差別化)点、表層サービス、商品を伝えるには、自分たちが自ら発信していき、いままでのWEBマーケティングを補完することをします。
具体的には、コンテンツを増やして多チャネル化し、自らブログを書き、インバウンドマーケティングをします。また、広告は有料ですが、無料コンテンツを使えば自らの活動費用だけですので、店舗経営で成功したいと思う気持ちがあるならば、取り組まない手はありません。
有料の広告や、コンテンツを利用する、ホームページのSEO対策だけがWEBマーケティングだけではありません。

まとめ(宣伝)

宣伝となりますが、みんはぴという地方創生・店舗経営をサポートするコンテンツをオープンしました。スポットと呼ばれる店舗を登録してレビューと写真を投稿するコンテンツです。実際のお客さまの声は、これから利用するお客さまにとって大変有益な情報ですし、店舗を経営にも役立ちます。また、アカウントとスポットをリンクさせることで、スポットに対するブログ・HPへのリンク・利用者の統計情報といった機能が使えるようになります。これからも、店舗の経営の発展と利用するお客さまの価値創造のため、機能を充実させていく予定です。是非、ご活用ください。基本的に無料です。

オムニチャネルの本質はお客さまへの価値提案

オムニチャネルの本質はお客さまへの価値提案

オムニチャネルの本質はやっぱりお客さま視点

オムニチャネルは、あらゆる販売チャネルを使い、お客さまとの(購買)接点を持ちます。(参考:オムニチャネル)このことは、オムニチャネルの考え方が主流になってきた時代において、小売業界はリアル・ネットの両方で、今以上に激化することになります。特にナショナルブランドの場合は、消費者にとってはどこで購入しても同じ品質ですので、価格と納期(物流)が比較ポイントになってきます。小売からすれば、物流にもコストが掛かりますので、大規模な流通網がある大手が効率化や納期短縮も可能となり有利となってきます。この物流においては、セブン&アイのオムニチャネル戦略の重要な要素の1つとなっています。他方で、自社でしか扱っていないプライベートブランドや、独占販売の形態であれば激戦は緩和されることもあるかもしれませんが、代替品の脅威もあることから安心は出来ません。
では、オムニチャネルの本質は何かと言えば、昔から言われているお客さま視点で考え、お客さま満足を追求することです。オムニチャネル戦略として在庫管理やビーコンなどもありますが、これはお客さまに購買していただくための有効な手段の1つです。ITの発展で新しい戦術はうまれますが、根本的な考え方となる「お客さま視点」で考えることが変わるわけではありません。
オムニチャネルではリアルとECでお客さまに満足していただくことの戦略として、価格勝負も戦略の1つですが、残念ながら大手には敵いません。また、価格だけのお客さまは、リピーターになる確率は低くく、他社に浮気されることは容易に想像が出来ます。ですので、お客さまが理解できる差別化する強みを持って、事業をすることがこれからの小売事業に求められた戦略となります。
2203
お客さまからすれば、多くのショップがあるが、どれも王道の同じような陳列・案内をして、他の店舗と何が違うのか?、自分にとって最適な店舗はどこなのか?、選ぶことに疲れてしまいます。お客さまは、このような状況なのです。だからこそ、たとえば、アフターフォローを大切にしているお客さまをセグメントとした、アフターフォローを強みにした小売とする等々と考えることが出来ます。このことにより、価格だけではない心理的な価値が加算されて、購買に至ります。
オムニチャネルの普及は、お客さまの購買する接点が増えて利便性が上がることになりますが、どこで買えば良いのか悩ませることにもなります。だからこそ、選んでもらえるように差別化する必要があるのです。

差別化をアピールする提案型小売

競争が激化してきているなかで、勝ち続ける(これから勝つ)ためには、お客さまにわかりやすい強みとなる差別化要因をアピールしながら、提案型の小売になることです。提案型とは、おしつけではなく、商品・サービスの価値を提案することで、お客さまの価値を高めることです。いままでのような、商品・サービスの案内ではなく、使い方の提案であり、お客さまに使っていただくことで、どれだけの価値(メリット)があるのか伝えることです。時には専門的な視点での提案もあるでしょうし、消費者目線での提案もあるかもしれません。
先日、トレッキングシューズを購入しようと幾つかの店舗に行きました。あるスポーツ専門店では、サイズを図り・お店のおすすめ商品を提案してきました。あるメーカー直営店では、このようなトレッキング場所を想定していると話をすると、大丈夫です。と回答がありました。じゃあ、このような場所は?と聞くと、大丈夫です。との回答した。最後に、別のメーカー直営店に行きました。ここでは、サイズを図り・トレッキング場所をヒアリングしてきました。お客さまが求めているトレッキングに最適なシューズを提案するためのヒアリングです。実は、他のお店では提案型ではなく、お客さまからの質問に答えることだけで、提案しても的外れでした。
結果は、想像通りで最後のメーカー直営店で購入しました。価格は、一番安かったスポーツ専門店よりも約1.5倍の値段です。もしろん、トレッキングシューズというカテゴリは一緒ですが商品は違いますから一概には言えませんが、価格以上の安心とベストな買い物が出来たという価値が付加されました。(余談ですが、親切・丁寧に歩き方や靴紐の結び方まで説明してくれました。)
これからの小売は、お客さまにわかりやすい(伝わる)差別化する価値をアピールし、提案型小売になることが求められていると思います。また、店舗以外のインターネット上での提案型小売をすることは、現在において必要不可欠です。
eマーケティング(デザイニストラボでは、インターネット上のマーケティング全般をeマーケティングと呼んでいます)戦略が、ますまず求められており、オムニチャネルを導入したは良いが成果が期待以下であれば、お客さま視点が弱いのかもしれません。このお客さま視点をコンセプトとして、ITという優秀な社員の活用が成功に導きます。(参考:CIOが語る!ITは優秀な社員です。道具と考えると失敗します。
オムニチャネルの本質とは、お客さまの価値を提案することがオムニチャネル戦略の根底にあり、ITを駆使して実現することです。

オムニチャネル時代のEC企業の逆襲

オムニチャネル時代のEC企業の逆襲

オムニチャネルがネット企業とリアル企業の戦いを激化させる!

流通業界は、これからオムニチャネル戦略が主流になっていきます。セブン&アイ、資生堂をはじめ、多くの企業がオムニチャネル戦略に投資をしていることから明らかです。具体的には、リアル店舗だけでなく、EC事業を本格化してリアルとネットを融合させた総合的なサービスを提供することになります。
他方で、アマゾンなどのリアル店舗を持たないEC企業にとっては、大手リアル企業が資金を投入してEC市場へ本格参入することは競合他社が増えることになり、放置するわけにはいかなくなってきます。ここで、EC企業の逆襲と題して、EC企業の戦略を考えてみます。

EC企業の逆襲

EC企業も大手流通企業の参入をただ黙ってみているわけにはいきません。何もしなければ、お客さまを奪われて悪循環に陥るだけです。
このような状況における経営戦略を考えると、2つの戦略が考えられます。1つは「同質化」です。これは新規参入者の強みを真似て強みと感じさせなくする方法です。もう1つは「更なる差別化」です。これは新規参入者がきても経験と知識で追随できないように、常に1歩先をいく戦略です。
この考えは、ランチャスター戦略の強者の戦略が基本です。しかしながら、相手はニッチでNo1になった企業ではなく、大手リアル企業の強者で資金力もあります。ですので、ランチャスター戦略をそのまま使うことはできません。自社の強みと融合させたアレンジが必要です。

EC企業が扱えない商品は無くなった

1479アマゾンは、アマゾンフレッシュというサービスを始めている。米国本社のあるシアトル他一部地域ではあるが生鮮食料品を扱うサービスである。アマゾンフレッシュの詳細は割愛するが、日本市場では、生鮮食料品は、ネットスーパーの「セブン&アイ」や、有機・低農薬野菜、無添加食品を宅配する「らでぃっしゅぼーや」などがある。この領域に、アマゾンも参入してきたということになる。いままで、生鮮食料品は賞味期限があり扱うにはノウハウや保管する投資も必要となることから、参入を敬遠してきた。リアル企業からすれば、リアル店舗が保管場所を兼ねることが出来ることから、実現しているサービスと考えられてきた。しかしながら、まだ限定的であるとはいえアマゾンも勝算があると判断して参入してきた。これで、リアルとネットで扱い商品の差は無くなったと言えるのではないでしょうか。
いままで、リアル店舗があるからこそ出来たサービスが強みでは無くなってくるということである。これは、EC企業がリアルの同質化を狙った戦略である。
とはいえ、生鮮食料品を扱うにはハードルは高いはずです。十年近い前ですが、お弁当食材の発注システムに携わったことがあります。まだ、賞味期限の短い生鮮食料品の受注予測は巧みな経験と受注予測システムの精度が低く調整に難航していました。気温が寒ければ温かい食品が好まれるが、温かいとあっさり系の食品が好まれる。それを天気予報など不確実な情報をもとに未来を予測しなければならないので簡単にはいきません。たしかレタスの賞味期限は収穫から1週間で、加工工場に運ばれるまでに3~4日経過(海外から輸入)し、残り3日で消費されなければなりませんでした。また、レタスなどは在庫管理が難しい食材です。幾つかは商品としてはお届けできない品質になってしまうレタスもあるかもしれません。ですので、受注予測とリスクをみて仕入なければなりません。これは、誰もが簡単に出来るものではありません。想像するにアマゾンでは、得意のビックデータを使い受注予測をしていると思われます。季節変動もありますから常に変数の調整ではあります。
この取扱い商品同質化戦略ですが、誰でも出来るわけではありません。強固な物流システムが確立されていなければ実現することはできません。現時点において、アマゾンも一部地域でノウハウをためているところだと思いますので、全国展開して成功できるEC企業は存在しないのかもしれません。

ITを駆使した差別化の強化

ITを駆使して、お客さまの利便性を高めて差別化を図る戦略です。ゾゾタウンは「WAER」というスマホアプリで、バーコードスキャンが可能でショールーミングできる機能を提供しました。ゾゾタウンは安く商品を提供することを強みとしていますので、お客さまからすれば、ゾゾダウンでの購入へ流れていきます。EC企業からすれば合理的な発想ですが、店舗からすれば接客してもバーコードスキャンされて実際にはゾゾタウンで購入されますので、嬉しくありません。このことから、写真撮影禁止としている店舗も出てきました。最終的には、ショールーミングを嫌ったアパレル業界からの圧力がかかったのか、この機能は2014年4月30日をもって終了しました。技術を駆使した発想ではありましたが、少し利他の心から外れてしまったのかもしれません。一時的には儲かると思いますが、業界全体が好循環でなければ成長し続けることはできません。お客さまを含めた皆が幸せになる戦略でなければなりません。ただ、ITを駆使する戦略は間違ってはいないと思います。EC企業の強みは、24時間365日、かつ、商圏の制約をうけないメリットがあります。このECならではの強みを活かせる、ITを駆使したサービスを提供するアイデアが差別化につながります。
他方でITは道具なので差別化することはできないと言われるかもしれません。しかし、道具と考えて発想のコモディティ化がおきてしまうようであれば、ITの潜在能力を活かせていません。グーグル、ヤフーは、知っての通りIT企業です。ITは道具ではなく、社員と同様であるという発想により、ITが成功に貢献するのです。(参考:CIOが語る!ITは優秀な社員です。道具と考えると失敗します。

オムニチャネルもECも共通課題は物流

オムニチャネルを展開するリアル企業もEC企業も共通する課題は物流です。デジタル化できない商品はどうしても物理的に物を運ぶという工程が必須になります。この物流コストは馬鹿にならず、どれだけサービスを高めながら物流コストを抑えるかがポイントになります。たとえば、ヤフーはアスクルの物流網を使うため提携しました。アマゾンも物流は得意としています。セブン&アイもスーパーやセブンイレブンへの定期ルート便があり、既に物流網が構築されています。構築されているとはいえ、終わったわけではなく、ラストワンマイルのための物流戦略は避けては通れない重要課題です。
では、中小企業はどうすれば良いかといえば、出来るだけ安く配送してもらえる物流会社を使うことです。量によりますが、法人契約により特別価格で配送していただけます。以前、EC企業に在籍していたときは、ヤマト運輸が法人間で取り決めた単価で配送していただいていました。また、最近ではエコ配という宅配会社が安く配送しています。エコ配の役員とお話しすることがあったのですが、首都圏に特化することでコスト削減が可能になり、安価で配送することが出来るようになったとのことでした。このエコ配ですが、アマゾンも利用している配送業者です。このように、交渉次第で配送コスト削減することは出来ます。是非、交渉してみてください。

まとめ

デザイニストラボがEC企業であるなら、地域リアル店舗との提携も面白いと考えます。EC企業の強みはインターネットにおけるマーケティング力です。いまや、マーケティングの主流はインターネットに移行しつつある中で優位性があるはずです。このマーケティング力で、傘下の商品も扱い、受注した商品を傘下のリアル店舗に流すという戦略です。ようは、EC企業の弱みをリアルを持ち同質化するということです。リアル店舗には、物流拠点 兼 倉庫 兼 店舗としての役割を担っていただきます。
先ほどのレタスですが、リスクとなる在庫はリアル店舗と共有在庫とすることでリスク削減できますし、最終的にはレタスを廃棄するのではなくタイムセールなどで売りさばくことができます。つまり、生鮮食料品の在庫リスクをリアル店舗が吸収してくれるのです。他方で、ECには商圏の制約がありませんから、リアル店舗にとっては新たなお客さま開拓にもつながります。つまり、ネットとリアルでお互いを補完する関係です。
リアルとネットの融合という意味では同じですが、リアル企業がリアル店舗の優位性を持ちEC市場へ本格参入したことに対し、EC企業はEC市場の優位性からリアル店舗への参入をすることでベースとなる優位性が違います。つまり、とるべき戦略が違います。この違いを知り、どのようにオムニチャネルを形成するかの戦略が重要になってきます。
このEC企業のリアル店舗への参入ですが、他方でアマゾンがリアルへの参入することは、戦略的にしない可能性が高いと考えます。何故なら、アマゾンにはマーケティングプレイスのサービスがあります。当然ながら、傘下となるリアル店舗に対して特定の便宜を図ることになりますから、この分野におけるマーケティングプレイスの収益が減益となります。これは、アマゾンは成長し続けていて、企業が追いつめられているわけではありませんから、リアルへの参入は得策ではありません。よって、リアル店舗への参入は、次の機会となると考えます。
アマゾンが参入しない理由は理解できたかと思いますが、EC市場がリアル店舗に参入しないことはリアル企業に有利に働きます。オムニチャネルは、ECを含めた総合力が真髄です。リアル企業におけるECへの参入ハードルは低いので、ECだけより総合力のあるオムニチャネルの方が戦略的優位になることは誰もが想像できることです。実は、このことは競争戦略のうえで、とても重要なことです。相手が取りづらい方向に流通市場がなっていくようにすることで、リアル企業は有利に戦えるということです。

EC企業の強みでもあるITが弱みになるリスク

ECはインターネット上でおこなうビジネスで、ITによって実現されています。つまり、リアル企業の店舗と同じ位置づけです。リアル企業の店舗は、作り方・商品の配置・POP等々と、様々なテクニックを使って魅力ある店舗開発をします。つまり、店舗の独自性をだして、ブランディングをしているのです。
ECも同じで、他社と同じように事業をしては成果は限定的です。ECも店舗同様にECでブランディングをすることが求められます。それが、模倣困難性が高くあればあるほど、長期的な成長を後押ししてくれます。

資生堂のオムニチャネルの設計を解析する!

資生堂のオムニチャネルの設計を解析する

資生堂のオムニチャネルの設計を解析します。
理解を深めるため、是非「資生堂のオムニチャネルを分析する!」を事前に読んでいただきたいと思います。
資生堂のオムニチャネルは、セブン&アイのオムニチャネルとは全く違います。セブン&アイのホールディングスでの文字通りのいつでもどこでも購入・配達ができるオムニチャネルに対して、資生堂は、お客さまとのコミュニケーションを介して販売する戦略です。「Beauty & Co.」は、美と健康を追求するサイト、「watashi+」は、お客さまとの One to One に発展させていくことが、資生堂のオムニチャネルが実現のポイントと考えられます。この資生堂の2つのサイトのポイントについて説明していきます。
最初に記載しておきますが、ネットビジネスのサイト構築をした人は想像がつくと思いますが、開発規模はあるが求められる技術要素は高くありません。有るとしたらデザイン性が重要であることから、画像やJqueryを多用すると考えます。このことから、パケットが増え利用者が重いと感じないような工夫が必要です。また、ウェブマーケティングの要素もありますが、これは当然のことであることから割愛させていただきます。

美と健康を追求する「Beauty & Co.」

「Beauty & Co.」に訪問したことがあるでしょうか?(Beauty & Co.
美と健康のコラボレーションサイトで会員制です。コラボレーション企業には、資生堂はもちろんのこと、資生堂系列のアユーラ、同じく資生堂系列のエテュセ、同じく資生堂系列のジーエーが参画しています。ようは、化粧品は資生堂グループで固めています。美容家電では、Panasonic Beauty が参画しています。プロポーションの美と健康になるフィットネスクラブとして、ティップネスが参画しています。美しく着飾るアパレルは、TSIホールディングが参画しています。
しかしながら、中川政七商店の富士山せんべいもあります。またJTBも参画しています。広義に解釈したとしても、いくら老舗の名店であったとしても美と健康のイメージとはかけ離れています。旅行で自分磨きといえば聞こえはよいですが、JTBのブランドイメージは美ではありません。もし「Beauty & Co.」を賑わそうと思って参画を求めたのであったのなら、本末転倒です。お客さまが「Beauty & Co.」に期待しているサイトでなくなってしまいます。
デザイニストラボは、当初「Beauty & Co.」に期待していたと思われるコンセプトを再確認して欲しいと考える。もしコンセプト通りであったのなら、コンセプトを見直すべきです。化粧品はブランド戦略が重要です。何でも屋のECであるならアマゾンで十分です。何のために「Beauty & Co.」を構築したのか、利用していただくお客さまは誰なのか?、どのような価値を提供したいのか?、コンセプトがぶれているように思えます。サイトもブランドを支える1つです。ブランドは品質保証が根底にあります。これは、サイトも一緒でサイトの品質もブランドに影響を与えます。このことから、「Beauty & Co.」も資生堂ブランドを担っているわけですから、ブランドに影響を与えないようにしなければなりません。
「Co.」とは、仲間たちという意味です。コラボレーションにはついては素敵な発想であると思っています。ただ、コラボレーション企業を美容アドバイザー等々「美」に特化したサイトブランディングをすべきです。焦っていたのであれば、大丈夫です。資生堂なら直ぐになんとかなります。
もう1つ大きな構築の重要がポイントがあります。「Beauty & Co.」は、美の市場を広げる役割があるはずです。しかしながら、会員制のサイトで情報を得ようとすると直ぐにログインを求められます。「Beauty & Co.」はコラボレーションサイトですから資生堂を全面にだすことは好まれません。このことは、アクセスしたお客さまが直ぐに会員登録するのではなく、慎重になることが想像つきます。何も考えずに会員登録するのは、資生堂のファンです。これでは、資生堂のファンが利用することを目的としたサイトになってしまっています。この役割は、「watashi+」です。
もっとオープン性をだした方がよいと考えます。お客さま情報を得ようとしているのであれば、間違っています。しつこく、DMを送られることを嫌い会員登録を避けます。お客さまが必要と判断すれば、会員登録していただけますので、待って良いと思います。
このことから、「Beauty & Co.」は本来の役割から「watashi+」の役割も期待されてしまっているように思われます。これでは、せっかくの「Beauty & Co.」の効果は薄れてしまいます。もっと資生堂色をなくし、独立性のある「美」を貪欲に追求するサイトであるべきだと思います。少しコンテンツの充実方法を改善すれば、いま以上に成功するはずです。

「watashi+」

「watashi+」を販売員と考えるコンセプトであると成功すると思います。これはデザイニストラボが考える「CIOが語る!ITは優秀な社員です。道具と考えると失敗します。」の考え方です。しっかりとお客さまに価値ある情報を提供し、興味を持っていただけるようにします。そして、店舗への誘導を促します。ただ、店舗へ来店したくないお客さまもいらっしゃいますので、機会損失とならないよう店舗へ誘導できなかったとしてもECで購入していただけるようにします。ようは、多様なお客さまの都合にあわせつつも、購買につなげるオムニチャネル戦略となります。セブン&アイのオムニチャネルとは大きく違います。
化粧品は、常に新作を提案し続けるビジネスモデルです。ですので、資生堂の情報価値提供を専門とする従業員の役割が大きく求められます。既に力を入れているとは思いますが、ここはアウトソースしてはならない領域です。従業員が「watashi+」を通じて価値を提供する重要な戦略を担う場所ですので、他社に任せるわけにはいきません。全社をあげて、サイト担当者を支援する必要があります。

実現に向けてのハードル

資生堂のオムニチャネルは、「Beauty & Co.」で「美」をキーワードにお客さまを集め、「watashi+」で店舗やECで購買に結び付ける戦略です。それぞれに役割があり、この役割を最大限に成果をだせるように運用することが重要です。この結果、全体最適化が成り立ち、資生堂というブランドをサイトを含めて提供していくことができれば、素晴らしい成果を得ることができると考えます。

セブン&アイのオムニチャネルの設計を解析する!

セブン&アイのオムニチャネルの設計を解析

セブン&アイのオムニチャネルの設計を解析します。
理解を深めるため、是非「セブン&アイのオムニチャネルを分析する!」を事前に読んでいただきたいと思います。
セブン&アイのオムニチャネル戦略は、ネットとリアルの融合の定義を商品・お金・情報がシームレスに繋げると位置づけています。このオムニチャネルを実現するためには「オムニチャネルとしてのEC」「注文から商品お渡しまでの時間」「商品の受け渡しサービスとしての物流」がポイントになります。この3つのポイントについて説明していきます。
補足になりますが、当然ながら膨大な購買トランザクションをデータマイニングすることで、趣味嗜好を理解する等々のポイントはあります。いわゆるビックデータです。ただ、セブン&アイのお客さまは、特定のセグメントというよりは、マスに近いです。つまり、購買傾向は取れるが、老若男女の全てに対応するということは特徴がないことになってしまうことや、既知の情報から精緻にはなるものの大きくかけ離れた結果にはならないと想定されることから、ポイントからは外しました。

オムニチャネルとしてのEC

セブン&アイホールディングスのECサイトに訪問したことがあるでしょうか?(セブンネットショッピング
セブン&アイホールディングスとしてのタブ、西武としてのタブ、赤ちゃん本舗のタブ、それ以外にも複数のタブが存在しています。また、URLを見るとサブドメインやフォルダで別れていて、統一感がありません。これは、事業の拡大に伴う、拡張や暫定的な統廃合を図った結果であると思われます。また、よく商品を見てみると、セブン&アイと西武で同じ商品を販売していることがわかります。ホールディング傘下の会社同士でカニバリゼーションをおこしていることです。これでは、お客さまは混乱してしまいます。
それ以外にもホールディング傘下には、タワーレコードやロフト等々もあり、ホールディングとしてのオムニチャネルを実現するには、ITの仕組み以前に傘下企業の役割を整理する必要があります。利用するお客さまが混乱もなく、楽しいお買い物ができる場の提供です。
デザイニストラボでは、セブン&アイホールディングのECは、傘下企業の専門性を強みとした役割としてモール型が適していると考えます。ホールディングとしての全体最適化と傘下企業としての個別最適化の融合です。そしてセブン銀行とnanacoポイントを使えるようにして、セブン&アイホールディングで完結できるようにすることである。楽天が楽天経済圏を創造したように、セブン&アイもより経済圏の発展にオムニチャネルは貢献する良いきっかけになると考えます。

注文から商品お渡しまでの時間

ホールディングスで購買機会を最大に活かすことであることから考えると、ホールディングス全ての莫大な購買トランザクションが発生します。
店舗で購入して持ち帰るスーパーのような形式であれば現状のままでも問題ありませんが、セブンイレブンで荷物を受け取れるとなると、ECに限らず店舗等々の全ての購買を処理しなければなりません。しかも、翌日配送では遅く、午前の注文には夕方の会社からの帰宅時には最寄りのセブンイレブンで受け取れるようにしなければなりません。そして、夕食のお弁当も一緒に購入してもらうのです。完全なリアル処理ではないにせよ、それなりの間隔でトランザクション処理をして、物流に情報を流さなければ後続処理を進めることが出来ません。言うのは簡単ですが、IT経験者であれば、実現が容易ではないことは想像がつくことと思います。
後続の物流はコストが発生することから、どれだけ効率化することが出来るかが勝負です。おそらく、セブンイレブンへの定期トラックに商品も一緒に運ぶことを考えていると思います。とすれば、定期トラックの時間にあわせて商品の準備をしなければならず、時間との勝負になります。これは、WEBサイトのようなトランザクション処理を要しながらも、リレーション処理を求めていることから、通常のシステム設計では性能がでないため、試行錯誤しながらもハイレベルの技術力が要求されます。

商品の受け渡しサービスとしての物流

まず、商品特性によって違いがあるが、たとえば生鮮食料品を会社からセブン&アイのネットスーパーで購入し、会社帰りに自宅近くのセブンイレブンでの受け取りを考えてみる。
データの処理は大きく下記となります。

  1. ネットスーパーの注文データ
  2. 受け取るセブンイレブンに一番近いセブン&アイのスーパーに注文データを伝える
  3. 注文データをもとに商品をピッキングし梱包する
  4. 定期便のトラックに乗せる
  5. 商品をセブンイレブンに届ける

この際、在庫管理はしない。レタスは箱単位では管理するかもしれないが、商品として出せないレタスも存在することから個数まで管理することは非現実的です。よって、在庫はあるものが前提として在庫引き上げてをせずに処理をすることになります。また、生鮮食料品を扱うのであれば、セブンイレブンに生鮮食料品を保存しておく設備投資・取りに来なかったときの扱い等々の課題が残ります。
余談になるが、オムニチャネルに在庫管理が重要であると多くの記載があるが、商品によっては在庫は有るものと前提にならざるを得ない場合があることがわかります。
次に書籍などの賞味期限を気にしなくても良い書品を考えてみる。書籍は最寄りのセブン&アイにあるとは限りません。特にビジネス本はオフィス街や大型書店にいかなければ、限られた新書しか期待はできません。経営の勉強をしたことがある人であれば理解できると思いますが、実際に手に取り確認して購入するためには大型書店にいかなければなりません。つまり、書籍の在庫は限られた倉庫にあり、ここから配送されることになります。この場合、当然ながら在庫引き当ては必要になってきます。
ただし、書籍の仕組みを考えるとアマゾンと一緒である。アマゾンは既にローソンやファミリーマートで受け取ることが出来ます。またアマゾンは巨大なアメリカを制しており、物流ノウハウは十分にありますので、取扱い商品によってはアマゾンとの真っ向勝負になります。勝負をするなら、物流コストをホールディングスとして効率化し、お客さまに還元することができればと思ったのですが、これまたアマゾンも物流には力を入れていますので、消耗戦になるかもしれません。
このことを考えると、通常の発想でのシステム化ではアマゾンとの消耗戦です。在庫確認が必要な商品については、タワーレコードを含めてホールディングス傘下企業全てで在庫管理をして、最適な物流ロジックを作り出さなければなりません。ジュンク堂は、倉庫→大型店舗→出版社→全国の店舗という順番で在庫確認をします。セブン&アイも同様に在庫を物流の視点から探し当てるロジックが重要になってくると考えられます。

実現に向けてのハードル

セブン&アイホールディングのオムニチャネルの仕組みは、現状の拡張では制約条件となる実現は非現実的と考えられます。スクラップ&ビルドとなると、今度は膨大な時間と投資が必要になることから、非常に厳しいプロジェクトになることは必至です。
また、徐々に実験的に展開していくとのことですが、上記のような処理は基盤となるアーキテクチャ思想が重要になってくる。つまり、いままでの大規模システムの感覚で構築し、実験的に拡張をしていく方式では、いづれ限界に達してゼロからの再構築が発生する危険がある。まずは、しっかりした技術検証も含めてアーキテクチャを設計することが、壮大なオムニチャネル戦略を成功させる鍵になると考えます。
ビジネスには時間軸も必要なことから、少しも無駄も許容しつつ構築することもかんがえなければならないかもしれません。そうなると、もかしたら1000億円とも言われる投資もシステム以外も含める足りなくなる可能性もあるかもしれません。