IT経営

システムリニューアルをすることで総合的に投資を抑えることになっていますか?

システムリニューアルすることで総合的に投資削減効果がありますか?

巷には、システムリニューアルの理由がたくさんありますが、何かしらの理由付けをしているように思えます。たとえば、ECの売上向上とリニューアルは関係ありません。ECは、リニューアルをしたからといって売上が上がるわけではなく、売上施策をすることで、はじめて売上アップに繋がるからです。つまり、ECリニューアルしで売上向上になるのは、「いま以上に売上向上施策が実装される」「今後の売上向上施策が容易に出来る」ことが成り立つ場合です。単純に既存ECと同じ仕様で作り変えただけでは、売上効果は期待できないのです。
ちなみに、技術的に新しいECで実装できて、既存ECで実装できないことはありません。もし、リニューアルしないと技術的に出来ないというSIパートナーがいたら疑っても良いでしょう。

システムリニューアルのメリットは?

システムリニューアルをするということは、設計を見直すということです。つまり、これからの戦略を具現化する、コアコンピタンスの強化、市場の変化に臨機応変に対応する柔軟性、他社に負けないスピードを実践するための基盤となる重要な意味があります。この基盤に戦略を実行する機能を追加(カスタマイズ)して、自社にマッチしたシステムへと育てていくことがベストとなります。もし、深く考えずにリニューアルをしてしまったら、直ぐに新しい基盤が必要となり、リニューアルを繰り返すことになってしまいます。自社だけでは難しいようなら、IT経営に詳しい専門家をプロジェクトに参画してもらうことを検討した方が良いでしょう。

システムリニューアルを判断する2つの要因

システムリニューアルで総合的に投資を抑える判断をするポイントは2つあります。「カスタマイズの限界を感じたとき」と「パートナーを変えたいとき」です。このどちらか、(もしくは、両方)が成り立ったときは、リニューアルを検討した方が良いかもしれません。

カスタマイズの限界を感じたとき

システムを使っていれば、経営戦略の実行のため、市場の変化、法改訂等の様々な要因により、経営基盤を支えている現在のシステムに何かしらの不都合(問題)が発生します。この不都合を解消するために、カスタマイズをすることになるのですが、既存機能への影響、他システムへの影響が大きく、今後もカスタマイズを予定していることを考えると、リニューアルした方が安く済むかもしれないと思ったときです。

なぜ、リニューアルの方が安いの?

カスタマイズして実装する機能は、リニューアルに比べて規模が小さいのだから、なぜリニューアルの方が安いのかという疑問があると思います。
答えは、プログラムの作り方、システム管理が原因です。多くのSI企業は、既存システムを開発する際にヒアリングした要件を最終形として、将来のカスタマイズ性を考慮しない設計をします。また、発注する側もSI企業にカスタマイズ性を指示しなければならないのですが、ビジネス思考+IT経験がないと、適切な指示も出来ないのが実態です。更に、開発プロジェクトは難航することが多く、納期に間に合わせようとして煩雑なプログラムとなり、仕様書の管理も疎かになり、リリース後も放置される傾向にあります。このことが、既存機能への影響、他システムへの影響を大きくしてしまい、カスタマイズ費用を高めてしまうのです。
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SIパートナーを変えたいとき

SIパートナーを変えたい理由は、2つです。「既存SIパートナーに満足していないとき」と「コスト削減したいとき」です。このどちらか、もしくは、両方が要因となって、パートナーを変えることになります。

既存SIパートナーに満足していないとき

既存SIパートナーから、「経営に貢献する提案がない」「スキル不足」「自分たちの利益ばかり気にしている」等の不満があり、満足されていないのだと思います。このようなときは、残念ながら、新しいパートナーを探すしかありません。
でも、システムは自社の持ち物であり、リニューアルとは関係ないという疑問があると思います。
答えは、新しいパートナーが既存システムをカスタマイズするには、既存システムを細部まで知るプロセスが必要になり、このコストが安くないからです。新しいパートナーは、カスタマイズをして、もし他の機能に影響を与えてしまい、業務に支障をきたしてはいけないと考えるため、慎重に細部まで調査をして実施をします。この作業は、プログラムから事実をドキュメント化するので、安くはないのです。もし、既存システムのドキュメントが整備されていたとしても、ドキュメントが正しいことを誰も保証してくれないので、何かが起きたときのリスクを考えると、作業コストは減りますが、調査は必要になるのです。だったら、カスタマイズのタイミングで、新しいパートナーにリニューアルしてもらった方が、将来的にも良いとなる場合もあるのです。
また、クラウドサービス等を利用しているときは、システムは借り物ですから、新しいパートナーのクラウドサービズにシステムを乗り換える必要があります。

コスト削減したいとき

既存システムにかかっているコストを安くしたいときです。これは、カスタマイズ費用、ランニングコストなどの総額の削減です。
たとえば、本格的にECを運用するには、インフラとアプリケーションが必要になります。ざっくり、数千万は必要です。仮に8,000万とすると、減価償却5年定額で月額133万円です。これに、データセンター費用、各種保守なども加えると、月額200万以上になるかもしれません。また、初期投資のイニシャルが高くなるので、キャッシュフローの観点からも好ましくない場合もあります。
このようなときは、クラウドサービスも1つの選択肢です。初期投資は掛かるものの格段に安く、24時間365日の監視とSLAがありますから、安心して任せることができます。しかも、多機能で、カスタマイズ性があれば、将来性もあり総合的にコストを大幅に削減できるかもしれません。
さらに、自社のEC運営要員も企画・実行に専念できるメリットもあります。総合的コスト、キャッシュフローの両方の観点から、シミュレーションしてみると良いかもしれません。

まとめ

システムリニューアルは、既存システムのカスタマイズ性の限界、SIパートナーの限界を解決することが要因となります。そして、リニューアルをするなら、総合的な投資削減効果がなければなりません。このことは、リニューアルの恩恵を享受し、戦略的システム基盤となるようにすることが大切です。
システム(IT)は、経営に必要不可欠な存在であり、ITをマネジメントすることは、経営に重要な役割となっています。

ITパートナー選びの3つのポイント!

デザイニストラボ株式会社

ITパートナー選びは難しい

IT導入を検討しているが、どこに依頼すれば良いのか悩ましい。インターネットで探しても、慎重に決めなければならないので、判断するまでには至らず、更に悩ませることになる。そこで、担当者は、幾つか気になる企業に連絡をして、提案をうけることになる。これが、よくある流れかもしれない。
今度は、提案を受けたは良いが、どの企業を選べばよいのかわからない。見積りが一番安い提案を選びたいところだが、安かろう・悪かろうでは困ってしまう。既存のお付き合いのあるSIパートナーに依頼することも出来るが、コンプライアンスとしても相見積もりを取る必要があるので、幾つかは連絡を取らなければならないのである。

既存パートナーのメリットとデメリット

既に既存のパートナーがいる企業もあるかと思います。選ぶのも大変ですし、既存パートナーに依頼することもできます。既存パートナーは、お付き合いがあるので理解が高いはずというメリットもあります。しかしながら、コンプライアンスと、パートナーのスキルが限界値というデメリットもあります。
コンプライアンスは、癒着などです。でも、この記事を読みパートナー探しに悩まれている人は、コンプライアンス違反は無縁のことだと思いますので、このテーマは別の機会として、限界値についてご説明します。
限界値とは、既存パートナーが新しいパートナー候補よりも上回っているとは限らないということです。日々、技術や考え方が変化しており、どの企業も切磋琢磨しています。新しいパートナー候補となる企業からの提案を聞くことは、やりたかったことの理解を深め、視野を広げることもしてくれます。このことは、無視するわけにはいきません。
ですので、既存パートナーからも提案をうけることをお奨めします。このことで、既存パートナーのメリット度を測ることもできます。

ITパートナー選びの注意する3つのポイント!

既存パートナーからの提案も受けるが、新規パートナーからの提案は重要な意味があります。ここから、新規・既存パートナー含めた、ITパートナーを選ぶ際の3つのポイントをご説明します。「提案に納得できる妥当性があるか?」「誰が担当するのか?」「当事者意識を持って、お客さまのことを真剣に考えているか?」です。

1. 提案に納得できる妥当性があるか?

妥当性のある提案には、自分たちの課題を理解して最適なソリューションが提案されています。こんなことは、当たり前だと思うかもしれませんが、RFPを転記したような提案書も少なくないのです。また、自社の売りたいサービスを無理くりに提案する場合もあります。これが、妥当性のある提案書になっていれば、第三者の貴重な意見としての価値ある提案なのですが、根拠が曖昧で押し売りになってしまっています。
質の高い営業は、何度も足を運び、技術者も同行させてヒアリングをします。仕事を取りたいという気持ちからかもしれませんが、足を運び相手を知ることで、相手への理解が深まり、本質を理解した提案が出来るようになります。足を運んだ回数で決まるわけではありませんが、少なくとも足を運ばない営業よりは、提案の質は全然違います。でも、足を運ぶだけの営業もいますので、提案の深みとして反映されているかが重要です。

2. 誰が担当するのか?

良いパートナーと出会えたときは、残念ながら企業というより、担当した人で決まります。上場企業、名の通った企業であっても同じです。これには、IT業界構造が関係しており、大手SI企業はプロジェクトの予算管理だけで、実務は下請けに丸投げするからである。下請け企業も、いつも同じ大手SI企業の仕事をしているわけではないので、常に入れ替わる。しかも、技術も知らない、設計書も書いたこともない、テスト方法も知らない、プロジェクトマネージャーも少なくない。だから、担当した人によって決まるのである。
担当者を知るには、提案段階で、もし発注するとしたら誰がプロジェクトマネージャーを担当するのが決めていただき、提案に参加してもらうことを依頼するのも1つの方法である。そして、この提案段階でのやり取りで見極めるのである。とはいえ、直ぐに決められないこともあるので、その場合は提案に同席している人にプロジェクトへの参加要請をすることも方法である。
どのような見極めをするかといえば、要件定義でバリューチェーンを読むスキルがあるのか? テスト方針はどのように考えているのか? 自社に最適なプロジェクトマネジメントをしてもらえそうか? といったことを聞いてみる。ここで期待する回答は、頑張りますではなく、正論と経験である。
このことで、この人物なら、任せられるかどうかである。ある意味では、採用と似ているかも知れない。

3. 当事者意識を持って、お客さまのことを真剣に考えているか?

妥当性のある提案書にも関係することではありますが、課題に対する提案の内容以外にも、投資、会社全体のシステムへの配慮、将来性含めて、今回の依頼外のことも、提案として考慮されているかです。ようは、情報システム部門としての視点も持ち合わせているかです。
たとえば、地方でサバ缶の製造を生業としている企業が、ECを検討しているとします。その場合、業務においては生産管理、物流、顧客管理も必要になります。もし、ECだけのことを提案してきたら、残念ながら受け身ですので、パートナーとしては期待できません。また、提案に物流などのキーワードは含まれているが、ざっくりしていて現実味が無い提案も、パートナーとしては厳しいです。
情報システム部門であるなら、影響するシステムとの連携方式、運用できるあるべき構成等があるはずで、このことは後で問題を引き起こすことにもなってしまう事なのです。もし問題が発生すると、殆どのSI企業は聞いていないと言って、追加予算を請求します。立場かわり、発注する側としては、最初に言ってくれ!というものでもあるのです。出来る限り、認識の齟齬を最小にする努力をすることは期待したいところである。
また、投資も基本は工数の積み上げが見積りとなるのですが、誰よりも1歩上のIT企画にする会計の書き方とは?にあるように投資するからには、儲けなければならず、投資も妥当性がなければならないのです。発注規模を規模を大きくする、風呂敷を広げた提案ではなく、リスクやロードマップも含めてベストでなければならないのです。
情報システム部門のような視点も含まれる提案であることは、当事者意識があり、相手の立場になって考えられているはずです。

(補足)事例や実績は自分を整理に役立てよう!

事例は他社において導入した企業での実績ですので、必ずしも自社に最適とは限らない。また、事例は過去のことであり、競合他社と横並びの同じことをしては模倣でしかないので、時代遅れにはなりたくはない。もし、事例が豊富にありますという営業トークを繰り返しているようであれば、量よりも質であることに注意しながら、事例から自社に活かせるものがないか、情報収集として使いたい。

まとめ

投資を検討しているということは、ある程度の予算の腹積もりがあると思います。ですので、初期投資ということでは、想定の範囲内であるかで判断することになるかと思いますが、よいパートナーは、お客さまの成長により、利益が増えた一部を次への投資として、リピート発注していただけるように考えます。(参考:キャッシュフローベースのIT投資思考とは?)このことは、本当のパートナーとなろうとしているということであり、きっと良い提案をしてくれるはずです。
是非、パートナー探しに際には、気にしておいてください。良いパートナーと出会えるはずです。
弊社も良きパートナー候補です。お問い合わせはこちら

誰よりも1歩上のIT企画にする会計の書き方とは?

IT企画書に会計が無い?

IT企画書の書き方を検索すると、アウトライン(見栄え、見やすいさ)、流れ(目次や各項目のポイント)について説明されています。しかし、予算のことになると、ざっくりしていて、ROI(投資対効果)のことは書かれていない。これで良いのでしょうか?
IT企画とするということは、最終的にはいくら利益に貢献するかである。そのためには、実現方法、予算(投資)、投資回収計画に妥当性がなければなりません。ここでは、IT企画に記載しておきたい会計について考えます。

自分なりにシミュレーションしてみる

計画書に予算や投資対効果を記載するにあたり、まずは自分なりにシミュレーションすることをお奨めする。投資(見積り)の妥当性、投資回収計画などの目安とするためです。ただ、注意すべきは、自分のシミュレーションと一致させることが目的ではなく、最終的に企画の収支に妥当性があるようにするためです。
もし、シミュレーションが出来ないようであれば、コンサルタントも考えて欲しい。シミュレーションが無いと企画倒れになる可能性もあるからです。企画は、実施することで、いくら利益に貢献するかです。目安ではあるものの、シミュレーションは重要な意味を持つのです。コンサルタントは、シミュレーション支援、見積りの妥当性、交渉含めて支援し、洗練された企画書となり、十分に価値があります。

予算(投資額)の策定

ある程度のやりたいことが決まったら、必要な予算(投資額)を検討することになります。企画だから概算で良いという意見もありますが、出来る限り明確にする必要があります。予算内で完結できるようにすることも仕事であるし、従業員全員で稼いだ大切なお金であるからです。
見積りを依頼するにはRFPが必要です。RFPは、実装する機能から工数を算出する根拠となる資料となるものですので、出来るだけ詳しく記載されていることが望まれています。しかしながら、詳細まで記載するということは、ある程度の設計をしていることに等しくなり、現実的ではありません。
ですので、提出される見積りは概算であり、概算にはリスクが上乗せされているので、想像より高い金額になっています。リスクは、何かあっても利益を確保するための保険のもので、本来なら不要な工数(金額)なのです。予算としても妥当性があるものではありません。
このような時は、自分なりにシミュレーションした数字が役立ちます。参考値ではありますが、見積りから、シミュレーションした数字の差額がリスク額に相当します。このことを理解したうえで、予算の内訳として管理すると良いと思います。
このリスクですが、見積りの詳細を読み解く力と、ベンダーと対等に話すことが出来れば、理解を深めて交渉することが出来ます。

実現方法と予算に妥当性があるか?

企画書には、どのような方法で実現し、投資額を記載します。このためには、企画者は何度も各社の提案をもとにベストはソリューションを検討しなければなりません。
たとえば、ECリニューアルをする場合、独自ECの作り込み、パッケージのカスタマイズ、クラウドサービス、楽天やアマゾンのモールを利用など、検討することになる。独自EC、パッケージは、インフラの検討も必要になる。クラウドサービス、楽天、アマゾンは、利用料を検討することになる。更に、楽天、アマゾンは、モールで良いのか検討することになる。また、独自機能を実装するためには、楽天、アマゾンは対象外となる。独自改造が可能なクラウドサービス、独自EC、パッケージとなる。そして、インフラは初期投資が高く、リリースまでの時間も要することから、独自に改修ができるクラウドサービスを選択することになる。
そして、クラウドサービスの初期費用、ランニングコストで計算し、投資対効果が十分に確保できるか再確認する。パッケージのカスタマイズ、モール等も含めて、全ての初期費用、ランニングコストも算出して比較するべきであるが、ECはコストだけでは選べるものではない。実際には、オムニチャネル、ECマーケティング、拡張性などを考慮しなければならず、これからのEC事業の戦略を満たせることが前提で、コストが低いものを選ぶべきである。

実現方法と投資回収計画に妥当性があるか?

投資をするわけですから、投資額以上のリターンがなければなりません。投資に対するリターンがどのように構成され、どのタイミングで投資額を上回るのか計算することである。

実現方法と投資回収計画に妥当性があるか?

実現方法と投資回収計画に妥当性があるか?


回収額を計算するにあたり、企画が具現化し、リリース後の影響をバリューチェーンでプラスマイナスする。たとえば、BPRの投資であればプロセスを見直すわけであるから、様々なプロセスに影響があり、その影響を金額にするのである。ECリニューアルであれば、運用コストの増減、売上の増減、業務効率の増減などを考慮して算出することになります。
もし、この投資回収計画が悪いようだと、投資をしない方がよいということになる。
経費削減を目的として1億の投資を企画したとする。経費削減効果の合計が1億円を超えるまでの期間が、5年かかるようであるなら投資する意味はない。回収計画が遅れるリスクや、企画を遂行するための予算に含まれない経費(関わる人の給与、諸経費、光熱費など)があるため、投資効果は得られないと判断する。遅くとも、2~3年以内に回収できる企画であるべきで、自社利用のソフトウェアの減価償却である5年以内に十分な恩恵をうけるようにしなければならないのである。
考え方の1つとして、もしECであるならレベニューシェアという考え方がある。売上に対する割合を払う方法である。ヤフーショッピングでは、使用料ゼロ円とすることで初期費用と固定費を最小にして、売上に比例して数%の手数料(変動費)などを徴収している。このことにより、投資回収計画に妥当性がでやすくなる。残念ながら、ヤフーショッピングでは1億未満程度の売上しか見込めないが、考え方の理解を深めるにはわかりやすい例です。

毎月、投資の効果が損益分岐点を超えているか?

上記は、投資回収計画ですが、その基礎となる毎月の収支を固定費と変動費をわけてシミュレーションをする必要があります。ざっくり、幾ら利益が増える、コストが減るということではなく、ITが稼働した際のコストを使って計算することが必要です。当然と思うかもしれませんが、残念ながら出来ていないのが実態なのです。
このシミュレーションで、毎月の投資に対する収支が損益分岐点を超えていなければリスクが高い計画といえます。毎月の投資に対する回収(収支)がプラスでないということは、結果的に投資対効果を得られない事になってしまうかもしれないということです。
もし、余裕で超えることが出来ていないようであれば、実現方法に問題があるか、投資額に問題があります。このことにより、計画の見直しをしなければなりません。
しかしながら、戦略的投資は毎月の収支が計算できないと思われるかもしれません。たとえば、顧客の利便性のあるサービスのための投資があるとします。これでけでは、直接的に利益をうむわけではないので、計算が出来ないと考えるかもしれません。
でも、なぜ利益に直結しない投資をするかといえば、新規顧客の開拓、リピーターを増やしたいからです。ですので、この増加に対する貢献利益を数値化します。顧客が増えれば、売上が伸びますので、利益も増えるはずです。
つまり、どのような投資であれ、目的があり、この目的の先には貢献利益があるはずです。このことを数値化します。

資産と経費

ここから先のことは説明している人はいないのですが、みなさんは資産と経費を意識していますでしょうか。誰も話をしないので、意識していないと思います。また、大企業であれば財務インパクトは軽微ですので、意識しないでしょう。しかし、中小企業は必須なことです。
資産と経費でわけて計算するということは、簡単にいえば、会社損益に影響し、税金にも関係します。また、キャッシュフローにも関係してきます。更にいえば、会計監査のヒアリング事項でもあります。
出来るだけ経費としたいといったこともアカウンティング計画ではあります。会計基準があるので、勝手に資産や経費にすることは出来ないのですが、自社でECを持つことは資産となり、クラウドサービス等は経費となるので、実現方法の選択に考慮することが出来るのです。

まとめ

会計(数字)は、企画を精査・判断する基準です。企画には、定性的な内容と、定量的な損益の両方に妥当性があって承認されます。決裁をする経営陣も、最終的に儲かるのか? 企画内容に妥当性があるのか? が、判断基準なのです。企画の説明ロジックも素晴らしく、伝わる企画であっても、儲からないのであれば企画が承認されることはないのです。
会計の視点を持ち企画をするということは、財務インパクトへの影響を理解するということであり、重要な意味を持ちます。IT企画をされる際には、会計の視点を持った企画であることを推奨します。
財務インパクトも含めた、会計を考慮した企画を申請すれば必ずや承認されることでしょう!
会計を考慮した企画に興味がございましたら、是非弊社まで問い合わせください。貴社に最適なIT企画をご提供・ご支援いたします。

ECインフラ設計の落とし穴

デザイニストラボ株式会社

ECインフラリスク

ECを運営する上でインフラを考えることは重要なことです。ECの継続的な安定運用を目的にインフラ設計するわけですが、投資をすればするほどリスクは減ります。しかし、幾ら投資をしてもリスクがゼロになるわけではありません。正直いえば、どのレベルで割り切るかです。
では、どのようなリスクがあるのか、またどのような回避方法を取るのかを理解し、割り切り=ポリシーを考えます。

インフラ構造

ECインフラは「止まらない」「性能」の視点で考えます。
1.「止まらない」は、冗長化(複数)構成で、1台が故障しても、他のマシンが稼働しているのでサービスは停止させない構成にすることです。
データベースサーバを設計する際に、ORACLEであれば、Oracle RAC ( Oracle Real Application Clusters ) の製品があります。Oracle のデータベースサーバが故障をしても、もう1台が稼働しているので、運用が止まりません。
WEBサーバは、ロードバランサー(負荷分散)を介した先のWEBサーバを複数存在させることで、対処します。複数台のどれかが故障しても、残りのWEBサーバが稼働しているので、運用は止まらないということです。ロードバランサーが故障したWEBサーバに対して信号を送らなくすることで、成り立っています。
それ以外にも、ロードバランサー、スイッチ、ネットワーク回線なども含めて、基本的には全ての機器、回線を冗長化することになります。
2.「性能」は、レスポンスです。動いてはいるが、遅くて使えないということもあります。止まってはいませんが、現実的には使えないという状態です。
このことを考慮して、ハードウェアでは、メモリサイズ、CPU、ハードディスクの回転数などを検討します。ここで悩ましいことは、どのサイズのメモリ、CPUを選べば性能に問題がないのか、わからないことです。理由は、どれくらいの同時アクセス数、トランザクション等が発生するのか、過去の数字からシミュレーションするしかないからです。実際には、万が一のことを考えてシミュレーション結果よりも、丸めて大きいサイズの機器を購入することが多いのではないでしょうか。

落とし穴

上記のことは、ECインフラを設計する際に、よく話されることだと思います。ハードウェアメーカーなどは、機器を販売、設置することが仕事ですから、お客さまの状況を聞き、最適な機器構成を提案します。このことは、ハードウェアメーカーの範囲ですので、理解できます。
また、ECはハードウェアだけでは成り立たず、ソフトウェアが必要です。ECを開発するSI企業は、ECに必要な機能をヒアリングして開発をします。SI企業は、要望される機能を実装することが仕事ですので、正しく動くことをゴールとしています。
実は、このことが落とし穴を発生させると考えています。運用には、動くというレベルと運用できているレベルがありますが、大きな違いです。SI企業は動くことを基本としているので、運用レベルはハードウェアに依存すると考えていることがあるためです。もし、性能が悪い場合は、サーバスペックを上げてくださいと要望するのである。でも、開発が終わるときには、実機テストもあるので、ハードウェアの購入も済み、設置が完了しています(もしくは、既存のハードウェアで稼働させたいということもあると思います)。この状況で、サーバスペックを上げるということは、追加投資が発生し、リリースを遅らせることになってしまいます。
何故、このような問題が発生するのかといえば、ハードウェアメーカー、SI企業ともに、専門分野には強いが、EC(システム)全体を見ることができる人財がいないためです。ECは、インフラとソフトウェアで構成されることは知っていても、お互いに自分たちの範囲外のことは、弱いので提案することもできず、相手に聞いてくださいという回答になってしまっているのです。

落とし穴を解決するボトルネック設計

ハードウェアは、故障した場合の対処ですので、0か1です。それに対して、ソフトウェア(ミドルウェア含む)は、0.7といったことがある。ようは、レスポンスが悪い状態です。
ECインフラを設計する際には、ボトルネック視点が大切です。ようは、アクセス数が増えれば、当然ながら性能は悪くなる。その際に、どのように対処するかの設計です。
事業が成功すれば嬉しいことではありますが、どこかでボトルネックが発生することは避けられません。
儲かっているのだから、投資をすれば良いという考えもありますが、利益は社員の給与や賞与の原資となるものですし、経営陣としては更なる成長のための投資として使いたいはずです。ですので、ボトルネックをマネジメントして、適切な投資だけにして、継続した運用ができるようにすることが必要になるのです。
では、どうすれば良いかといえば、アプリケーション設計で出来るだけWEBサーバに負荷を吸収させる設計とすることです。データベースがボトルネックになると、とても厄介だからである。データベースは、データの整合性を取るために集中管理されます。だから、ここがボトルネックになってしまうと、対処に困ってしまうのです。
チューニングという手もありますが、それは最初からやっておくべきことなので解決にはならないはずです。対処しようとすると、データベースサーバの置き換え、アプリケーション設計の見直しとなり、大掛かりになる。
また、データベースがボトルネックになり、アプリケーション設計の見直しコンセプトは、データベースへの負荷軽減であり、軽減される負荷はどこにいくかといえば、結局はWEBサーバなのである。
だから、最初からWEBサーバが頑張る設計は、とても重要なことなのである。もし、WEBサーバがボトルネックになったら、WEBサーバを追加すればよい。これは、データベースがボトルネックになった場合に比べて、とても安価で短期間で解決できるのである。
言われてみれば当然のことかと思われるかもしれませんが、実際にプロジェクトに活かされている例は少なく、このことを指示できるプロジェクトマネージャーも少ない。このことは、現実問題として、発注するお客さまから指示をしなければならないことになってしまっているのです。そして、その設計に妥当性があるのか、確認しなければならないのです。

まとめ

ボトルネックとなる箇所は様々で、上記以外にも存在しています。回線の太さもその1つです。
本来ならSI企業やハードウェアベンダーが担ってほしいところですが、期待できない企業が多いのも事実です。大手SI企業だからといっても出来ない企業は多数あります。また、大手企業の情報システム部門であれば、人財も豊富で経験者が指示することはできるでしょうが、中小企業や、オムニチャネルの時代において、これからECを本格化させたい企業にとっては、そのような人財はいませんから、悩ましい問題です。
会社規模により投資できる範囲もあるでしょうし、上記のようなことを理解している情報システム部の設置にも時間とコストがかかります。正直いえば、なかなか上記のことを経験している人は少ないと思います。ですので、自社で抱えるのではなく、クラウドサービスや、コンサルタントに依頼することも1つの選択肢かもしれません。クラウドサービス運営会社は、ノウハウがありSLAで保証しています。また、24時間365日の運用監視をしていますので、自社で運用をECインフラを運用する人財を確保する必要もなくなります。このことは、開発コストや運用コストの経費削減にもつながります。
また、SI企業にコンサルタントを含めるよう要望することや、コンサルタントに相談してみることで、リスク軽減と将来の無駄な投資を抑制することができると思います。

補足

ハードウェアは、どのように構成すれば良いのかという疑問が残る人もいると思いますので、ある企業での考え方をご紹介します。
まず、実際問題として、機器の故障率は製造ロットによっても違います。同じ型番であっても、故障しやすい機器、故障しにくい機器とあるのです。納得できないかもしれませんが、このようなことは、家電などの電子機器でも起きていることだと思います。ようは、想像していないことでもリスクが潜んでおり、リスクがゼロになることは、非現実的であるということを理解しなければなりません。
さて、どのように考えたのか?
・ 複数のハードウェアが同時に発生する確率は低い。
・ 故障時の保守を手厚くする。(24時間対応、数時間で部品交換)
・ 監視基準/体制を整えた。
全ての2重化をしたうえで、数時間のうちに全ての機器が全滅する確率はゼロに近いとしました。WEBサーバが複数台あるので、どれかが故障しても残りで十分に運用できる性能を持たせました。また、監視はデータセンターによる24時間365日の監視を依頼し、問題が発生する予兆、障害アラートがなれば、保守にある対応を実施する体制を整えました。この構成で、運用停止に追い込まれた話は聞いていません。障害は、数年でハードディスク交換が1回でした。このときも、保守手順に従い運用を停止せずに交換が完了しています。実際に、ネットビジネスのインフラをたくさん見てきましたが、技術の進歩もあって、運用停止に追い込まれ話は聞きません。

キャッシュフローベースのIT投資思考とは?

キャッシュフローベースのIT投資思考とは?

キャッシュフローベースのIT投資とは、IT投資で得られた利益を次のIT投資の原資に役立てる思考です。経営は、資本を基にビジネスをして儲けを次の投資へ活用して、成長していきます。IT投資も一緒で、経営に必要不可欠な存在になっている現代では、IT投資の良し悪しが経営へ影響を与えていることは明らかな事実ですので、IT投資で儲けた利益を次のIT投資に活用することが大切です。
中小企業では大企業のように豊富なIT投資予算があるわけではないので、IT投資に慎重です。だからこそ、IT投資リスクを減らしつつ、限られた予算内のベストを繰り返すIT投資思考が重要となってきます。キャッシュフローベースのIT投資は、この問題を解決するIT投資思考です。

キャッシュフローベースのIT投資思考とは?

キャッシュフローベースのIT投資思考とは?

IT投資の見積り構造

IT投資の見積り構造を理解します。IT投資は高額であるというイメージがありますが、理由はIT投資の見積り構造にあります。
IT構築の見積りは、構築に必要と考える工数にリスクを付加した工数を上乗せします。リスクとは、お客さまの要望の変化、何かしら見えない機能が隠れているだろうという工数です。残念ながら、リスク工数は表面化しません。なぜなら、根拠ある数字ではないからです。ようは、発注者には説明がつかない工数です。しかも、リスクが発生しなければ、利益となります。
発注する側からすれば、無駄な工数です。このことは、情報システム部門の役割(第二回)にもありますが、専門的な知見がなければSI企業と交渉することは難しいと思われます。ですので、弊社のような発注者側の立場で投資を考えられる専門家が参謀として必要になっているのです。
もう1つは、1人当たりの単価です。ITは開発する労働時間の積み上げ算です。必要工数+リスク工数から、1人当たりの単価を掛け算します。もし、必要工数+リスク工数が100人月であれば、単価100万円を掛けて、100,000万円となります。企業によっては、これに利益を上乗せします。もしくは、単価調整をする場合もあります。これは、企業によって違っています。
1人月の単価は、人件費+事業費(間接部門の経費、社会保険料など)+利益で構成されています。つまり、IT企業の利益は1人当たりの工数の積み重ねです。もし、単価100万円として、給与50万(年収600万)+事業費(25万)と仮定すると、利益は25万円です。100人月の見積りであるとすれば、最低で25万×100人月=2500万円の利益見込みとなります。利益率は25%です。(あくまでも、構造を理解するための仮の数字です。)また、単価は担当する作業、企業によって違います。プロジェクトマネージャー、上流工程を担当するエンジニアは単価が高く、テストを担当するエンジニアは単価が低くなっています。通常、一律料金ということはありません。また、大企業の単価は高くなります。間接費が高い理由もありますが、企業ブランド価格もあり、大企業は信頼できる安心できるという価格です。しかしながら、IT業界は下請け構造ですから、実際に担当するのは、下請け企業です。実は、技術力があるのは下請け企業だったりするのです。ただし、高い技術力で言われたことは出来ますが、プロジェクトマネジメント、上流工程に弱いです。
このことから、中小企業の場合は、有識者となる参謀を発注者側に付けて、大企業のプロジェクトマネジメント・上流工程を補完させ、単価の安い下請け企業との契約をすることが、投資を抑えつつもプロジェクトを成功させることが出来ます。
では、何故このような構造になっているかIT業界目線で考えると、残業代(生産性)+見積りミス等により、利益を食い潰すためです。
IT業界もビジネスですから利益を追求することは必要です。ですので、この利益を食い潰す原因である、プロジェクトマネジメントが重要となり、素晴らしいプロジェクトマネージャーは利益を最大化する能力を持っています。IT業界には、価値ある人財です。

投資対効果の考え方

発注する側としては、投資対効果から投資額の妥当性を判断します。もし、100,000万円の投資とした場合、最低でも100,000万円以上の期待効果がなければなりません。また、構築して直ぐに投資対効果が得られるわけではなく、IT完成後の利用に応じて徐々に加算されていくものです。これが、何か月後に100,000万円を超えることが出来るかが、投資に対する損益分岐点です。
たとえば、毎月の効果が100万円とすれば、100,000万円÷100万円=100ヶ月(8.3年)となります。8年以上も掛かるのであれば、投資すべきではありません。ITにも時代や経営状況に応じて、ライフサイクルがあるからです。アドバイスするとすれば、最大でも3年(36ヶ月)以内に投資対効果がプラスにならなければ、別の方法を選択した方がよいでしょう。3年の根拠は、原価償却の5年から考えています。5年なら、3年後の2年分がプラスの効果となるからです。少なくとも2年間ぐらいの期間を確保する理由は、毎月100万円の効果に対するリスクと、出来れば確保したい効果量だからです。このプラスの期間が長ければ長いほど効果が得られますので、出来る限りプラスの投資対効果を得られる企画を考えることが大切です。
また、投資対効果はシンプルに考えます。経費削減なら、どれだけ削減効果が見込めるかです。単純に考えれば、毎月500時間の時間削減が見込めるなら、500時間÷160時間(1人当たりの1ヶ月の労働時間)=3.125となり、3人分の人件費が削減できます。
投資対効果は、この数字を軸に考えるべきですが、実はビジネス思考による付加効果があります。それは、3人分の人件費は削減するのではなく、他の生産性に利用するのです。
IT投資により効率性は上がり、ビジネスを成長に向かわせます。そうすれば、他の部署で人財不足に陥ります。こういった部署で活躍してもらうのです。スキルが違うと言われるかもしれませんが、実は会社の内情を知っているので、コミュニケーションがすぐに取れる。派遣などを雇うより安い、社員を採用するにもコストと時間がかかる。といった意識されないコストも削減できます。
事業の宝は人財です。そして、事業をするのは人です。優秀な人財であっても、企業に馴染めなければ力を発揮できません。業務にもよるとは思いますが、古くからいる馴染んだ人財を活用することは重要な戦略でもあるのです。
このような効果をビジネス思考の効果とすることも出来ます。

限られた予算で投資する思考

限られた予算で投資する思考とは、リスクを減らし、時間軸も考慮したベストな分割投資をする思考です。
IT投資の見積り構造にあるように、必要な工数に対する工数は積み上げ算ですから、初期投資が大きくなります。この投資額を工面することや、高額だからこその不安もありIT投資を躊躇することになり、IT投資が進まない理由になっている企業もあると思います。
これは、どうしてもIT業界視点の市場で契約が発生するからです。しかしながら、視点を発注側の都合にしながらも、投資対効果を期待する思考が、限られた予算で投資する思考です。
投資対効果は投資額と相関関係にありますので、100,000万円の投資対効果と、1,000万円の投資対効果では得られる量が違うことは仕方がありません。しかしながら、投資対効果で得られる量は10分の1ではなく、ビジネス思考によって高めることができます。しかも、経営には時間軸も重要なファクターであり、市場の変化に柔軟に対応していかなければなりません。つまり、最初から必要な機能を用意する大規模投資をするのではなく、最低限の機能をベースにして育てていく思考とすれば、優先度の高い機能から早期に利用でき、早期に効果を得られるメリットがあります。
デメリットは、最終的に同じ機能を構築するのであれば、コストは割高となり、最終形になるまでの時間も要します。ただし、全機能が想像通りに使われることが前提です。実は、最初から全機能が想像通りに使われることは現実的ではありません。構築に1年かけていたら、1年の間の変化が反映されていないからです。仕様を確定した時の状況のままだからです。
但し、全体のコーディネートとアーキテクチャーに注意しなければなりません。コーディネートを間違えると、維持コストなどに影響します。わかりやすい例でいえば、パソコンは就業時間内に活躍しますが、帰宅中は利用しません。では、24時間営業のコンビニで使わるパソコンは24時間利用されます。つまり、同じパソコンでも利用時間によって活躍量は違います。ITも、出来る限り利用に応じたコストであって欲しいと考えます。
また、利用し始めたが市場の変化により、直ぐに改修しなければならないことも想像されます。このようなときに、改修に構築と同じ時間と投資をするのではなく、少しでも減らす工夫を仕掛けておくのが、アーキテクチャーです。将来の柔軟性に対応できるようにしておくことです。これは、経営とITの両方を理解できる人財でなければ、実現することは難しいでしょう。

キャッシュベースのIT投資思考

キャッシュベースのIT投資思考とは、限られた予算で投資で得られたプラス効果の一部を次回の投資の源泉とする思考です。
PPM(プロダクトポートフォリオ)という考え方があります。簡単にいえば、金のなる木と呼ばれる収益性の高いサービス・商品で得られた利益を、次の金のなる木になるサービス・商品に投資をすることです。
キャッシュベースのIT投資思考は、このPPMの思考と似ています。たとえば、毎月の投資予算を500万円とした場合、この500万円に以前に投資をして得られたプラスの内、いくらかを上乗せします。投資対効果で得られた利益からの捻出です。
中小企業では、キャッシュフローベースの経営は重要です。よって、経営に必要不可欠なIT投資もキャッシュフローベースで考える必要があります。大企業もキャッシュフローベースで経営をしていますが、規模が大きいため大規模プロジェクトを幾つも実施させることができます。ようは、企業規模に応じたIT投資となります。
では、中小企業は大企業に負け続けるのはといえば違います。ランチャスター戦略を基本として、企業規模を拡大し、更なる成長路線を取ることで、大企業となることが出来ます。楽天を見ればわかると思います。

キャッシュベースのIT投資思考のメリット

キャッシュベースのIT投資思考のメリットは幾つかありますが「限られた予算で投資する思考でのメリット」「成長スピードを加速させる」が重要です。
キャッシュフローベースのIT投資思考は、限られた予算で投資する思考が前提となっています。このため、限られた予算で投資する思考で得られるメリットは、そのまま得られます。
そして、限られた予算ながらもPDCAとして繰り返し投資をすることが大切です。この方が、最初から大規模投資をするより、期待効果を高めることが出来ます。そして、それを支えているのが、全体のコーディネートとアーキテクチャーです。
成長スピードを加速させるメリットは、IT投資予算を戦略的に活用することです。そもそも、経営とは資金を元手にビジネスをして増やしていくことです。これにより、経済をまわし従業員とその家族を含めて物心両面の幸せになることです。そのためには、キャッシュを経営に使っていく必要があります。余剰金として貯めておくこともできます。しかしながら、貯めるだけでは成長できません。市場競争は厳しく、競合他社にお客さまを奪われて経営危機に陥りる危険もあります。
たとえば、小売り業界ではオムニチャネルが主流です。オムニチャネルへの投資の遅れは、売上低迷に直結し経営に致命的となり兼ねません。IT投資は、市場の変化に対応するだけではなく儲けた資金を戦略的に投資をすることは経営に重要な意味を持ちます。つまり、戦略的な投資が重要な意味を持ち、効果を得るには時間軸も重要なファクターとなるのです。競合他社が、次の戦略的投資をしているときに、時代遅れの投資は効果が薄れてしまうからです。

まとめ

弊社が選ばれる理由である、ビジネス思考とキャッシュフローベースのIT投資思考は、中小企業のIT投資に役立ちます。
少ない投資であってもビジネス思考で、常にベストな最大の効果を考え・実行します。そして、その効果から得た利益を基にキャッシュフローベースのIT投資思考で、加速させていきます。これこそが、発注者側視点のIT投資の本質ではないでしょうか。
IT業界もビジネスなら、発注者側もビジネスです。投資を抑えつつも最大の利益を求めるということは必然です。だからこそ、ビジネス思考で両方の立場を熟知した弊社が選ばれる理由となるのです。
限られた予算で何ができるのか? これからどのように投資をした方が良いのか? 遠慮なくご相談ください。お問い合わせはこちら

情報システム部門の役割(第二回)

デザイニストラボ株式会社

情報システム部の役割を深堀する

「これからの情報システム部門の役割」のアクセス数が多くあったことから、第二回目です。
前回、CIOが考える!これからの情報システム部門の役割で、情報システム部門は、プロフィットセンターとしてIT企画に強みを持つべきと説明しました。今回は、さらに深堀りします。

情報システム部の役割の変化

情報化社会となり、ITは経営に必要不可欠な存在となりました。また、パソコンは家庭にも普及しインターネットによって世界中とつながりました。しかし、突然うまれたわけではなく、現代のようになるまでには、様々な技術の進歩による過程がありました。それに合わせて、企業ではITを活用した経営を試行錯誤しながらも発展させてきました。その中心となっていたのが、情報システム部門です。時代の流れに応じて期待される、情報システム部門の業務の変化を把握し、情報システム部門の役割の理解を深めます。
Ⅰ.エンジニアが不足し活躍していた時代(汎用機 ~ WAN/LAN)
大企業は、ホストコンピューターと言われる大型汎用機で全国の拠点を結び、情報の一元化、業務効率、経費削減をキーワードに投資をしてきました。中小企業では、オフコンと呼ばれる中型のマシンを導入していました。SI企業は、IBM、日立、NEC等といった大手が汎用機の導入とエンジニアによるシステム開発を担当していました。
また、経営に必要なITを開発するエンジニアをSI企業へ発注するよりも、社員の方が安く、しかも社内事情による調整がしやすいメリットがあるため、情報システム部門にエンジニアを採用し、SI企業と同様の役割が期待されていました。そして、開発には多くの時間が必要となるため、開発が主な業務となっていました。背景には、ITで出来ることも(いまに比べたら)少なく、企画も戦略的というよりは業務効率でした。つまり、企画よりはソフトウェアを開発することが暗黙的に期待されてきました。
Ⅱ.クラウドサービスの時代(インターネット)
しかし、インターネットにより自社でシステムを持たなくてもシステムを利用できるようになりました。クラウドサービスは、利用者全員と同じ機能であれば、自社で開発するよりも安価で早期に導入することができるため普及してきました。
財務的にも固定資産ではなく経費処理できます。しかも、企業からすれば、スイッチングコストが低くなっていますので、より良いサービスに乗り換えることも安易にできるようになりました。
つまり、IT(システム)は自社で持たなければならないという発想から、システムを利用するという発想に変化しています。このことが、情報システム部門のエンジニアとしての役割が終焉を迎え、システムを利用する企画へとシフトさせることになりました。

情報システム部門の役割を業務視点から理解する

情報システム部門の業務には、「開発(ベンダーコンロトール含む)」「メンテナンス(改善)」「保守」「企画」の4つの業務があります。この4つの業務を現在のIT事情に当てはめて理解を深めます。
Ⅰ.開発
開発は、SI企業に委託して開発することが主です。企業によっては社内でエンジニアを抱える場合もあります。SI企業の強みは、プロジェクトマネジメントとエンジニアです。残念ながら、コンサルティングは期待できません。
さて、この開発ですが、いまではクラウドサービスへと移行しており、自社専用のソフトウェアを開発するのではなくクラウドサービスに置き換わっています。クラウドサービスは汎用的ではあるものの、安価で早期に立ち上げられるメリットがあります。基本機能をクラウドサービスで満たしながらも、様々なオプションを使って独自性をだすことが求められています。(事業に貢献するITソリューションの選び方)。
まだ、全業務をクラウドサービスに置き換えることは超えるべきハードルがあることは事実ですが、徐々にクラウドサービスの比率が高まることは容易に想像ができます。
このことから、情報システム部門において、開発という業務(および、SI企業コントロール)はクラウドサービスへと移行されることになっていきます。
Ⅱ.メンテナンス
メンテナンスは、開発の延長ではあるものの、業務改善や新規開発後の修正業務となります。これも、開発という部分においてはクラウドサービスが担いますので、情報システム部門としては要件をまとめ伝えることが役割となります。しかしながら、企業規模にもよりますが、常に大規模なメンテナンスがあるわけではなく、小規模であったり・それなりの規模は年に数回であると思われます。つまり、常に情報システム部門が必要というわけではないということになります。
Ⅲ.保守
保守は、システム稼働という点ではクラウドサービスが責任を持ちます。SLAと呼ばれる品質保証がありますので、それに準じます。ですので、情報システム部門としては特に業務はなくなります。万が一のときに、リーダーシップを発揮し、復旧までの間の業務が遂行できるように支援する事ぐらいです。ただ、基本的にはゼロです。もしあったとしても数年に1回有るか無いかの出来事ですので、不要と思っても良いと思います。
もう1つ、ヘルプデスクがあります。パソコンが壊れた・アプリケーションが動かなくなった等です。これは派遣で補うことが多いです。
よって、保守としての情報システム部門の役割としては、必要なくなってきています。
Ⅳ.企画
最後に企画ですが、これが前回もご説明したように期待される役割です。本質的には、経営・業務・技術の視点から企画することが求められるのですが、上記のことから唯一残っているのが企画でもあるのです。
企画は、課題解決のためにIT投資を考えるわけですが、中小企業ではパソコンに詳しい社員が兼務で担当したり、SI企業に相談することが多いと思います。実はここに落とし穴があります。パソコンに詳しい社員は優秀でありながらも、失礼ながら専門的に長年業務としてやってきた情報システム部門には劣ってしまいます。ですので、正しいIT投資の判断ができません。どうしても、最終的には発注先のSI企業の言いなりになってしまう傾向があります。
では、SI企業はいうと、どうしても自社が売り出し中のソリューションを提案をします。しかも、ITの見積りは自由ですので、相手がITを知らないと思えば、高い単価や理由付けをして工数を膨らませた見積りをすることができます。でも、残念ながら見抜くことは専門家でなければ困難です。IT業界にいたとしてもエンジニア経験だけでは厳しく、情報システム部門の予算を管理する役職経験と豊富なプロジェクトマネージャーの経験がなければ、SI企業と対等に話をすることができないでしょう。SI企業はIT用語を並べてきますから、IT用語を理解しつつも自社に最適な提案と価格に修正させなければならないからです。ここまでしなければ、必要の無い時間とコストを費やしてしまうことになるのです。
また、企画はビジネス思考と技術の両面が必要です。技術はアーキテクチャーです。アーキテクチャーを間違えると、余計な時間をコストを要するだけでなく、メンテナンスの時間とコストにも影響します。ちょっとした改修でも「こんなに投資が必要なのか!」と思ったことがあると思いますが、この理由がアーキテクチャーの問題なのです。
家を建てると想像してみてください。ドアや窓の位置、大きさ、階段の位置等々と細部まで考えて設計します。その後、お子さんが産まれ子供部屋の設置、老後のバリアフリー等を後から改築しようとしたとき、玄関のサイズが小さい、柱が邪魔といった問題が発生し、ドアの取り換えに伴う壁の影響、柱の移設・補強といったコストが発生します。もし、アーキテクチャーを管理していれば、予めドアを変えても壁への影響を最小限にし、部屋の間仕切りを移動式にしておく等ができます。つまり、要件を満たしながらも、これからの変化に臨機応変に対応できる設計です。ITも一緒で、経営も同じことをしているわけではなく、その時々の戦略・戦術があって経営をしています。これにITも対応していかなければならないのです。
ビジネス思考は、たとえばオムニチャネルを考えた時、顧客への体験価値を最大にするための要件を考えた場合、在庫不足による機会損失は想像ができても、余剰在庫のことまで考えて在庫調整の仕組みを考えることです。更に、余剰在庫が発生しそうな場合には、在庫処分キャンペーンなども検討しなければならないかもしれません。でも、最初から在庫処分が前提としていたわけではないはずですし、発生したとしても単発です。このようなときのために最初からキャンペーン機能として用意するのは無駄で、必要なときに必要な経費だけで対処できるようにする仕組みを考えるべきです。ようは、ITの機能を決める際には、ビジネス視点で機能・範囲・関連する影響を考えたうえで決定することです。残念ながら、ほとんどの人は企画のテーマの範囲で業務を電子化する発想です。これでは、投資対効果は限定的です。
これは、ビジネス思考による影響と変化を把握することと、技術によるアーキテクチャーを設計する両面の知識と経験がなければ、実現できないことです。

まとめ

以前、知人がIT投資で苦労していると相談してきました。話を聞くと半額でも良いのではと思われる投資を時間とコストをかけていました。最初に相談していれば、SI企業との交渉・妥当性を示すことが出来るだけでなく、コンサルを依頼していればSI企業のコントロールも全て任せられるので、様々なことに時間を取られることなく、しかも、コンサルティング費用を払っても、余りあるSI企業への時間とコストを抑えることが出来たと後悔していました。
このことは、知識・経験のある情報システム部門が居れば、防ぐことができたかもしれませんが、会社規模から社員を抱えることは難しく、しかも、企画・SI企業と対等に話ができる、経験・知識のある人財は募集しても来てくれないのが実態です。どうしても、経験・知識のある人財は、大手企業へ就職してしまいます。しかも、情報システム部門の役割は、縮小化傾向にあるため、そもそも社員として採用する必要性も検討しなければなりません。
これからは、情報システム部門を固定費とするのではなく、経費(変動費)としてコンサルタントをうまく使うことの方が、トータル的にコストを抑え、しかも有識者に依頼できるというメリットがあるため普及すると思われます。本質的には情報システム部門は必要ですが、企業規模、事業特性から、戦略的に弊社のような企業と顧問契約をして、良い意味でのコンサルタントを利用することが好ましい時代へとなっていきます。
宣伝のようになっていますが、これが現実でもあるのです。税理士の先生は、税に詳しく専門的にアドバイスをしていただけます。しかし、社員として抱えるのではなく、必要なときに必要なアドバイスをいただくことを期待しています。情報システム部門も同様に、必要なときに必要なコンサルティングをして欲しいという時代になっていきます。
(お問合せはこちら

事業に貢献するITソリューションの選び方

デザイニストラボ株式会社

ITソリューションを考えるきっかけと原因

ITソリューションとは、一言でいえば課題をITで解決することですが、事業に貢献するITソリューションをどのように選んでいますでしょうか?
ITソリューションを考えるきっかけは、経営課題の認識からはじまります。したがって、ITソリューションは課題の根本原因に対して適応することを考えなければなりません。
では、経営課題が認識されるときはどのような時かといえば、小さな問題が積み重なり量的に無視できなくなってしまった状態になってしまった場合が多いと思います。
たとえば、EC事業で配送ミスをお客さまから指摘され、配送ミス防止のためダブルチェックを再発防止として取り組みます。次は、リアル店舗とのキャンペーンを実施していたが特別ポイント付与が抜けてしまったお客さまから指摘をうけ、キャンペーンの際にはチェックシートを使い再発防止に取り組みます。お客さまにご迷惑をおかけしないためにと思い、このような再発防止を繰り返していった結果、出荷までの時間を要してしまいサービスの低下、コストが増加するといった問題を引き起こします。
最初は業務ミスを防止するための再発防止としての取り組みをしているため問題意識は無かったが、再発防止が増えてくると、再発防止が足かせとなり業務効率を悪化させてしまうことになり、様々な問題を引き起こすことになります。業務ミス防止と思っていた改善が、違う問題を招いてしまったわけです。
また、ECの売上が上がらないといった課題には、プロモーション・製品・価格・サービス(お届けまでも時間・リアル店舗とのポイント統合など)などの複数の要因が重なり合っています。お客さまは自分の置かれている状況・嗜好性で、対価が最大となるパターンを選ぶ傾向にあるのですが、値下げキャンペーンを実施していたが、キャンペーン時期しか売れずにECの収益性を悪化させることになってしまった。ということもあります。
課題を解決し、事業に貢献するITソリューションはどのように選べばよいのでしょうか?

市場にあるITソリューションは?

課題を認識してITソリューションを考えることになりますが、原因が曖昧のまま、気になるキーワードをもとに調査をはじめることが多いのではないでしょうか。
そして、キーワードに引っかかったサイトを見ると、いかにも課題解決しそうなことが記載されていますので、提案をうけ導入することを検討します。(全てではありませんが)世の中のソリューションは自社のサービスを売ることが目的ですから、課題解決になると記載されているのは当然のことです。
しかしながら、これだ!と思えるソリューションに出会うことは少なく、しかも、どれも似ているため、どれを選択すれば良いかわからないのも事実です。
ソリューションを提供する側もビジネスですから、市場規模があるサービスへの参入が増え、ソリューションも成功事例をもとに考える傾向があるため似てくるのも当然です。
とはいえ、ソリューションの提案をうけ導入する側としては、まったく同じ事業体制・運営をしている企業はありませんし、ソリューションを提供する側のサイトも、広く受け入れてもらえるように広く漠然とした記載をしますので、目についたソリューションの中からこれが一番近いと思われるソリューションを選んでいるのが実態だと考えられます。
ただ、課題解決に一番近いソリューションを探す際に注意すべきことがあります。それは、検索上位の1社で選ばないことです。なぜなら、これからのソリューションは、個々の分野で最適なソリューションを組み合わせて、ベストソリューションを構築する時代だからです。

ベストソリューションは個々の組み合わせ

ITソリューションはオープンな時代です。競合でありながらも時には協業となる各社のソリューションがシームレスにデータ連携できる仕組みが公開されています。
この仕組みを利用して、各社の良いところだけを組み合わせたベストソリューションをつくることができる時代となりました。身近な例でいえば、ECにおける決済会社との連携です。利用者は意識しませんが、カード決済時にカードの有効性や限度額を超えていないかチェックをしています。
この考えは、インターネットとエンジニアの努力によって飛躍的にソリューションの質と量を高めた結果です。この恩恵をうけ、ベストソリューションを考えることが、これから重要になる時代です。

ベストソリューションはロングテールに隠れている

ITソリューションは、世の中には多く存在しており、アイデアと技術があればパソコン1台で事業が開始できます。中には零細企業ながらも、大企業に負けないソリューションを持っている企業もあります。しかしながら、大企業のマーケティング力に隠れてしまい、お客さまに知ることもなく提供できていません。これは、お客さまにとってソリューション機会を損失していることになります。
皆さんの会社のシステムは、SalesforceがCRM、SAPがERPといった具合に複数社が存在しているはずです。これと同じように、ある部分においては大手ではなく零細ながらもベストなソリューションを提供する企業を選択することです。
つまり、ベストソリューションを考えるうえでソリューションと出会えないことは残念でしかありません。実はロングテールな企業ほど、機動力があり良いソリューションがあります。企業規模が小さいからという考えがあるなら、捨てて貪欲に相談してみることをご検討ください。もし相談しても適さないとなれば、ビジネスですから別を当たればよいだけです。ただ、適さないと思い込んだソリューションで競合他社が採用して成功した姿を見るのは嫌なものです。

ベストソリューションは誰が考える?

ITソリューションは社内の情報システム部門に相談するケースが多いと思います。しかしながら、情報システム部門も業績アップ、コスト削減といった良いことだけを並べたソリューション企業の情報だけを見ても判断できないのが現実です。また、ソリューション提供企業に相談しようとしても、営業からのしつこい連絡と面倒なお断り対応を懸念して躊躇してしまいます。出来ることならば、ITと経営の有識者である相談相手を経由するとベストです。これには、第三者意見を取り入れたベストソリューションを選定する支援者としての役割も持ちます。ようは、弊社のようなコンサルティング・情報システム部門の支援の存在が、ITと経営の視点から、ベストソリューションの組み合わせを提案する役割を担ってくれます。
他方で、現実的に多い事例としてはシステム開発会社への相談です。システム開発会社は、豊富な事例を売りにしているため、ベストなソリューションを提案してくれると思っているからです。
確かに実績は他社事例であり説得力があります。反面、事例の域を超える可能性は低いかもしれません。
なぜなら、プロジェクト(ソリューション)の失敗例を調査すると、発注側のスキル不足であるという記事が横行しているからです。「やりたいことを整理してからシステム会社に発注する」「お客さまの要望を出来ないことは出来ないと言うことで成功に導く」という記事(インタビュー)です。品質を確保できずに迷惑をかけるという視点からは理解しますが、これでは自己都合の言われ仕事の言い訳に聞こてしまいます。言い換えれば、お客さまにとって本当のソリューションであるかは関係ないということです。これでは、いくら豊富な事例があるシステム開発会社に相談してもソリューションは期待することはできないとなってしまいます。
本来は、お客さまが曖昧な部分も含め、ベストなソリューションを明確化することも仕事です。
建築でいえば、建築士がヒアリングをしながら、建築士の立場として法律、耐震性、日射、換気等々を考慮して設計図をおこし建築します。システム開発会社の場合は、この建築士の役割をお客さまであると勘違いしているようです。(全ての企業というわけではありません!)

まとめ

ベストなITソリューションを選ぶには、下記5点に注意が必要です。
● ロングテールにも優れたソリューションはたくさん存在している。ロングテール含めたソリューションを検討する
● トータルソリューションではなく、個々の優れたソリューションを組み合わせる
● ソリューションは課題解決だけでなく、将来性を考慮したなIT全体のマネジメントも検討する
● 事例は大変有益ではあるものの量より質を求める
● ソリューションは社内組織だけでは難しい。第三者の有識者に参画してもらうことを検討する
これにより、結果が期待できるソリューションを選ぶことができる時代へとなっていると思います。
そして、一番重要なのは、ソリューションを事業に結び付けて業績をあげるべくアイデアと工夫をすることです。同じソリューションでもビジネス発想をすることで、収益を何倍にもあげることができます。
たとえば、ECもネット上の販売の仕組みとして導入するか、ネット上の旗艦店として導入するかで、効果・施策・将来性が違ってくることは当然で、ビジネス発想がソリューションの効果を高めます。

営業の武器になるCRMとは?

CRMの実態

経営には売上は最重要といっても過言ではありません。なぜなら、売上が利益の源泉となるからです。そして、この売上を第一線で活躍しているのが営業であり、この営業を支えているのがCRMです。
昔からCRMの導入は進んでいましたが「営業活動を管理できるようになったが売上に結びつかない」といった悩みがある企業は多数あります。
営業は外出先や深夜になっても営業日報を登録しています。マネージャーも個々の動きを把握することができ、適切な指示をしています。しかしながら、売上が期待値を上回っていないのではない実態があります。
これには理由があります。
CRMはクラウドサービスとして提供している企業が多数存在しています。クラウドサービスは比較的安価で短期導入が可能というメリットがあります。反面、汎用的というデメリットがあります。この汎用的が「営業スタイルと合わない」「営業情報の活用されていない」といったことに繋がっています。では、クラウドサービスが悪いのかといえば、成功事例があるようにクラウドサービスが悪いわけではありません。
原因は、自社に適したCRMの導入がされていないことです。少しの不適合を許容することで、暗黙的に期待効果を落としてしまっているのです。
世の中にある多数のCRMは、営業に関する情報を管理することが目的となっており、まだCRMの恩恵を半分しか得られていません。営業情報は営業に限らず製造部門にも必要不可欠な情報で、営業活動は製販一体となることで更なる効率を高めることができます。
では、効果を最大限にするCRMについて考えます。
※補足としてCRMの定義は広義です。また、SFAとの違いについて明確性を求めている人も見受けられます。しかし、現実はCRMもSFAも見方を変えればCRMにもSFAにもなります。よって、ここではCRMと呼ぶこととします。

CRMの効果

営業の武器になるCRMとは? ~現状の営業スタイルから進化した営業スタイルへ~

営業の武器になるCRMとは?
~現状の営業スタイルから進化した営業スタイルへ~

製販一体となった情報の流れ

営業情報は、製造部門にとっては生産計画、仕入計画にも影響します。生産性は生産量を平準化させることが効率が良いとされています。つまり、原材料在庫、製品在庫を無くし、かつ、機会損失とならないように生産するためには、営業からの受注予測をもとに生産計画を日々調整することが求められます。
また、製品情報、在庫情報などは、顧客とのコミュニケーションに重要であり、営業活動を助けます。顧客は自社のことは何でも知っていると思い込んでいます。営業だからと言って、毎回製造部門に確認しますでは、顧客の信用は落ちてしまいます。全てを答えることは難しいとしても、その場で調べる・製造に連携をして短時間で回答するということは、顧客の信用度を上げることになります。
つまり、製販の情報がバリューチェーンに流れることが大切で、営業が情報武装することで営業活動を支援するのです。

営業活動情報には鮮度がある

クレームや、顧客要望を週次で報告・対応していては遅いです。出来る限りリアルタイムに行動することが求められます。知っての通り、顧客は自分の立場で考えます。だからといって、営業活動を自分の立場で行動していては価値を提供することは出来ません。また、一人で解決できるものではなく、会社の仲間と協力し合って対処することも必要です。
顧客は自分のために動いていることが見えると誠意がある営業と感じることがあります。見積り依頼をしても即日と数日後では受け取る側の印象は違ってきます。つまり、営業活動には時間軸も重要な要素であるということです。この時間軸を満たすために。リアル性のある情報と全社で顧客をサポートする体制が必要となります。CRMは、この仕組みを提供しなければなりません。
また、他社製品情報、顧客情報などは、他社よりも先手を打つためには必要不可欠です。先手のメリットとして、付加価値に高利益を付与できます。もし後手になってしまったら、価格や機能面で劣るわけにはいかず苦戦を強いられます。また、PLCにも影響しますので、製品の生涯収益にも関係してきます。このように、営業活動情報の鮮度も重要な視点となるのです。

CRMは分析することで効果を上げられる

営業活動では、引き合い・受注・失注などのステータス管理がされます。もちろん重要ではありますが、顧客別・製品別を軸にして分析することで営業効率を高めることが出来ます。
利益率の高い製品を販売できているか?、利益率も低く売上の少ない製品に時間をかけていないか?、などの分析をすることで効率よく動くことができます。残念ながら、1日に活動できる時間は限られています。ですので、一人ひとりが効率的に営業活動をすることが求められています。CRMは、情報を連携するだけではなく、市場の事実を知るデータとなります。もしかしたら、営業活動時間は長いが、売上が伴わない、営業利益が伴わない理由に非効率性があるかもしれません。
予実とナレッジも同様です。予算を下回っていることには原因があります。実は見込みが薄い顧客に時間を費やしてしまっているかもしれませんし、そもそも引き合いが少ないのかもしれません。ナレッジは成功事例として教育としても役立ち全体の底上げに有効です。しかしながら、ナレッジだけで予実を下回っている営業の問題が解決されるわけではありません。状況に応じた適切なナレッジが解決のヒントとなってくれますし、分析にもとづいたマネージャーからの指示が解決へと導いてくれるのです。
また、分析は売上に限らず経費からも有益な情報を得ることができます。たとえば、出張が多く、旅費交通費・移動時間が多い場合、もしかしたら小さな規模でもよいので営業拠点を置いた方が経費も削減でき、顧客の近くにいることで積極的な営業活動ができるメリットを得られるかもしれません。よくトヨタとの取引のため名古屋に拠点を置く話を聞きます。これも、トヨタが魅力であり拠点を構えて積極的に営業するためです。このことは、トヨタに限らず当て当てはまります。

CRMを構築する注意点

では、実際にCRMを構築するに当たり注意するべき点です。
● 良いことも、悪いことも含めて、一旦業務を整理する。
現状の営業活動を電子化することが目的ではありません。BRPを意識して営業活動を見直す必要があります。習慣的に慣れてしまっているので問題発見が大変かもしれませんが、コンサルタントと一緒に進化した営業活動の構築を目指します。
● 市場や業務の変化に対応していけるよう、柔軟性を持たせながら自社に最適となるよう育てる。(営業最適化)
最初から完璧なCRMは存在しません。CRMに限らず、要件定義をしていると気になることを全て盛り込もうとすることがあります。しかし、1年に一回の面倒な作業ではあるものの投資をするレベルではない場合もあります。また、自分にとっては必要だが組織としては不必要なものもあります。しっかりと、BRPした営業活動に合わせた要件をシンプルにすることから始めます。このことはCRM構築時間を短縮させ効果を早めることができます。また市場の変化や製品の変化により、営業活動は徐々に変化していきます。それに応じてCRMも変化できるように柔軟性を持ち、常に最適化できるように育てていくことが大切です。
● CRMは、SCMや、他部門にも影響するため、他部門の参画と意見を考慮する体制を取る。(全体最適化)
営業情報は製造部門にも、コールセンターにも有益です。ですので、営業部門だけの視点で構築するのではなく他部門への情報の流れも考慮して構築する必要があります。また、カスタマイズが多い製品では製造部門との連携は重要となり、製造部門への理解も必要です。このためにも、プロジェクトには他部門にも参画していただき、全体最適化の検討を盛り込むことが重要です。
● 皆が使うので、シンプルにしつつ、かつ、教育含めて、定着化を図る。
属人的な機能では誰も利用してくれません。営業全員が使いますので、シンプルで使いやすいことが必要です。また、教育に時間をかけなくても直感的にわかるものがベストです。これにより、定着化を図り効果を期待します。いくら素晴らしいCRMがあっても使われなければ効果はでません。即戦力となるCRMとなることが必要です。

自社コンテンツとの連携も忘れずに

インターネット上での営業も必要となります。デジタルの世界ではITが営業活動を担いますが、ITもCRM対象外とはなりません。インターネットからの営業活動情報も同様に重要です。また、インターネット上のITによる営業活動もCRMの分析にもとづき活動できるように運用する必要があります。ですので、自社コンテンツもCRMとの連携は必要不可欠です。
補足しますが、CRM(IT)は道具と言われますが、道具といっても最適な道具でなければなりません。また、匠であるほど専用の道具を持っています。たとえば、木を削るといっても鉋には何十種類もあり、しかも削る深さによって刃の微調整をします。また、職人一人ひとりの手にあった鉋とするには様々なカスタマイズが必要です。職人にとって鉋は道具ではあるものの、鉋の良し悪しで製品の出来が違ってきます。だから、常に最高の製品を提供できるよう、道具にこだわりを持ち、道具を手入れするのです。
CRMも一緒で、常に企業に最適であり、効果を最大限にすることをしなければなりません。もし、市販の道具であればテクニックを磨くことで効果は高められますが、限界があります。
営業を強化し、攻めの営業を目指すのであれば、最適なCRMは必要不可欠です。

まとめ

営業は売上に責任を持つ重要な部門です。企業にとって無くてはならない存在です。また、昔ながらの足で稼ぐ営業スタイルは現代においても有効です。
CRMは、この足の向く先を効果的に売上・利益を上げることを支援します。以前は、営業活動がブラックボックスとなり営業活動を管理することで効果を得ることができました。しかし、今度は営業活動を管理することは当たり前となり、次の一手となるCRMとしなければ競合他社と差別することはできません。つまり、営業の武器となるCRMとならなければならないのです。
最後に、最適なCRMは市販(パッケージ)のカスタマイズや、既存のCRMを改造することで、比較的投資を抑えて構築することが出来ます。私たちは、多くの業種・業態のCRM構築のお手伝いをさせていただきました。この知識と経験をお役に立てることが出来れば幸いです。
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ITで競争優位性を確立する

競争優位性がある企業はITも強い

競争優位性がある企業には、素晴らしいITが存在しています。
たとえば、グーグルには検索エンジンがあります。ヤフーもGoogleの検索エンジンを利用しています。また、MapReduceという大規模で高速処理ができる技術を持っています。このような優位性があって、いまのグーグルがあります。このことは、ネット企業に限ったことではなく、ITを優位性にするのは製造業や小売り等の様々な業種業態にも当てはまります。ITなくして経営が成り立たない時代において、成功している製造業があるということは、優れたITが存在しているということになります。小売ではオムニチャネルへの投資が積極的であることからもわかると思います。
では、ITを強みとするためには、どうしたらよいのでしょうか?
椅子の製造販売をするメーカー企業をテーマとして考えてみます。椅子を自社の事業に置き換えてみてください。

競争優位性をITで具現化してオリジナリティを打ち出す

競争優位性は他社と同じことをしては成り立ちません。もし発想がコモディティ化したものであるならば、ITで優位性を確立することはできません。(参考:IT企画が発想のコモディティ化をしていませんか?)オリジナリティのあるITとは、多機能・コスト削減といったことではなく、他社に負けない価値をお客さまに提供することです。
では、テーマとした椅子のビジネスですが、椅子といっても幅広いので欧州にあるファッションというよりは、おしゃれではあるがオフィス、カフェなどで使われるような椅子とします。
下記は、椅子の市場の状況仮説です。
●オフィスの椅子は、長時間座っていても疲れない人間工学性が求められている。
●販売は1点単位だが、オフィス単位、店舗単位となるため数十、数百の単位で売れる。
●カフェなどでは、ファッション性も求められる。
●競合は多く、製品数は無数にあるため差別化が難しい。
●販売先はオフィス内装業者、店舗内装業者などによる代理店販売が主。
●デザインが決まってから正式発注となるため、在庫引き当てに苦労している。
●カフェなどでは色・デザイン要望もあるためカスタマイズ品も請け負っている。
このことから、椅子メーカーの課題は「正式受注から納期までの期間が短く、かつ在庫切れによる機会損失を防ぎつつも、余剰在庫を持たないようにする」と考えることができます。つまり、この課題を解決することができれば、融通の利く椅子メーカーとして優位に立つことが出来ます。この課題を実現するためのITを構築することが優位性を確立する投資となるのです。
このケースでは安易に方向性を示していますが、実際には事業特性、データ分析をして仮説検証をします。特に事業特性は椅子といっても、どこにでもあるパイプ椅子もあれば、地方テーマパークなどにあるプラスチックの椅子もあります。安価な椅子以外にも、高級ホテルにある椅子は特注もあります。それぞれ、原材料も違いますし、生産工程も違います。更にいえば、販売方法も違ってきます。扱う椅子の市場でのポジショニング、外部要因、内部要因も考慮して最適解を見つける必要があります。

ITで競争優位性を確立する

ITで競争優位性を確立する

RFPを作成する?

RFPとは、SI企業に開発を依頼する提案要求書です。ITコーディネータ協会にもサンプルがあります。しかし、実経験者からいえば理想と現実は違います。どうしてもSI企業のリスク軽減のための内容であり、発注する事業者に負担となっているのも事実です。
現実的なこととして、RFPには機能概要を記載しますが機能概要はこれから優位性を確立するための重要な内容です。しかも、これから設計するのですから細部まで伝えることは出来ません。更に、人・金・物・情報の流れが円滑に流れるか確認する必要もあります。もし無視すると歪が非効率となってしまうからです。つまり、SI企業に正しく伝えるためには、優位性を理解し、かつ、ITイメージを持ち合わせなければならないのです。両方の知識と経験がなければ、とても困難な仕事です。
補足をすると、全てのITにオリジナリティが必要ということではありません。ビジネスモデル・戦略に直接的に関係のある領域に対しては必須であって、会計、人事給与などは法律で決められたものですので該当しません。つまり、どの企業でも共通して扱う業務に対してはクラウドサービスなどの低価格なサービスを利用することになります。

注意点

ITで優位性を確立するということは、仕様はとても重要です。SI企業に正しく構築してもらうには、優位性を理解する経営視点、技術的なIT視点の両方を持ち合わせなければならないのです。基本的にSI企業は構築することが仕事です。ですので、出来る限り経営とITの両方を知っているコンサルタントを自社の一員としてIT構築に参画してもらうことがベストです。コンサルタントは高いというイメージがあるかもしれませんが、コンサルタントはそれ以上の無駄な時間と投資(コスト)を削減し効果をだします。また、自社だけでは難しい、SI企業との交渉・管理含めてコンサルタントに依頼するのも可能です。是非、ご検討ください。(デザイニストラボへのお問合せはこちら)
また、実現するためには「1から基幹システムリニューアルをする方法」。その中にはERPをカスタマイズすることも入ります。もう1つは、「既存システムの改修と統廃合」です。実は、どちらがIT投資が少ないかは調査が必要です。たとえば、既に複数のITが存在しており、統合するためのカスタマイズ量が膨大になると1から導入した方が安く済む場合もあります。安易にSI企業の話で決めるのではなく調査をしてから決定した方が良いでしょう。

最後に

「IT投資で伸びる会社、沈む会社」(著者:平野雅章 教授)という本があります。「IT投資の効果を最大限に得るには組織の能力を高めることである。」と言っています。2007年の本ですが、いまでも当てはまります。IT構築をしたが、このITを使いこなさなければ効果は期待できないということです。同じITを導入しているにも関わらず、成功している企業、失敗している企業があるのは、どれだけITを使いこなしているかの差です。IT構築後は、定着という工程を忘れずに実施することが大切です。

ものづくりの地方創生におけるIT戦略

ものづくりの好循環モデルを創造する

地域の組合は、大手企業と戦うため・お客さまへの価値を高めるため・継続した事業のため、同じ志を持った仲間たちの集まりです。皆さんの努力は、オリジナルブランドとしての提供もありますし、製造力をブランド化し大手企業との取引もあります。これにより、ものづくり力を強みとした事業の拡大が見込めるようになります。そして事業が順調にまわり好循環となっていきます。
この好循環モデルを確立させるためには、日々の努力も当然ながら、ITを活用した戦略の具現化が助けてくれます。

ものづくりの地方創生におけるITの役割は?

ものづくりは、職人の匠なものづくりが差別化となる価値ですから、ITはそれらを支援する立場となります。領域としては、マーケティング・生産管理・サプライチェーン・取引先管理・コミュニケーションで、優秀な社員のような活躍を期待されています。
では、ものづくりのITの活用法を見てきたいと思います。

マーケティングとしての役割

ものづくりのマーケティングは、製造品の価値を消費者に伝えることです。ターゲットとしている消費者に地域の取り組みを理解していただかなければなりません。しかも、それが差別化できなければなりません。たとえば、豊岡市の鞄であれば、鞄の絶対的な品質を伝えます。つまり、地域のブランド化です。何故、豊岡市の鞄が良いのか? ということです。
もう1つ重要なマーケティングとして、実際の消費者の体験した声です。企業が一方的に良いをアピールしてもブランド化にはなりません。ブランドは消費者が評価して決まるからです。ですので、実際に商品を手にして体験した声をマーケティングとして取り込むことで、ブランディングを手助けします。

工程管理・生産管理

ものづくりには、原材料の仕入れが必要です。また、幾つかの工程を経て商品となります。地域や商品によっては、各企業が工程を受け持っていることもあり、地域を1つの工場と見立てて生産管理をする必要もあります。生産性はボトルネックで決まりますから、地域全体の生産から適正な生産をマネジメントすることが出来ます。
「職人による匠なものづくり」は、絶対的な品質が価値ですから生産量の調整が必要です。生産を多くすれば儲かると思うかもしれませんが、生産量を増やしブランド価値や、品質を落としてしまうと匠ではなくなります。先日、某TVを見ていたら、海外からの需要が増えてきたので、生産量を今の2倍にするため工場を立てているとの社長コメントがありました。量産することで儲けは増えますが、なぜ海外からの需要が増えたのか? なぜ母国の同様な商品を買わないのか? 問い詰めていくと、日本の品質が高いことにあります。そこに価値を感じて、わざわざ日本で購入するのです。これが、海外にある商品と同レベルになってしまったら、日本で購入する意味がなくなるのです。
よって、品質を維持することを前提とした生産量の調整が必要となり、卸先となる取引先と調整することが好ましいと考えます。

販社とのコミュニケーション

市場における鞄のニーズを知る必要があります。インターネットで流行を知ることはできますが、広告の意図が媒介される場合があることや、個人的趣味、膨大な情報から正しいと思える情報の取捨選択と大変です。ですので、販社が実際に聞いている消費者の生の声をフィードバックしてもらい、鞄の開発に活かします。
販社にとっても売れる鞄を販売したいはずですので、お互いにメリットがある事になります。

まとめ

ものづくりは地域を1つの企業として見立てた事業となります。そのためには、ITと正しく付き合い効果的に好循環なビジネスをすることが求められます。
ITは難しいと思うかもしれませんが、工夫することで扱いやすくすることができます。また地元のため、仲間のためにも努力をすることは必要です。