IT企画が発想のコモディティ化をしていませんか?

IT経営

ITで出来ることとは?

ITを正しく理解し付き合うことが経営に重要な意味を持ちますが、どうもITを正しく理解されていない事が多いようです。
ある経営者のお話しですが、IT部門に「こんなことは出来ないか?」と聞いたところ「出来ません」と言われたそうです。出来ない理由を聞いても、専門用語で話をされるので理解が出来ずに終わってしまいました。
このような話は、皆さんも経験があるのではないでしょうか? 他社は似たことをしているのに何故弊社は出来ないのだろうか? と思われるかもしれません。自社のIT部門からの回答ですので、きっと出来ないのだろうと思ってしまうかもしれません。
このような話の殆どは、「技術的に出来ないのではなく、リソース不足・機器不足・他人は出来るかもしれないが自分は出来ない等々の何かしらの理由で出来ない」と言っています。
ITで出来ることはたくさんあります。インターネットの世界では、デジタル化出来るものは何でも一瞬にして世界に複数の人に同時に届けることが出来ます。
本当ならIT部門は、実現する方法論を示し、実現するための現状とのギャップを説明しなければなりません。
ギャップは設備投資かもしれないし、人財不足かもしれません。問題は様々あると思いますが、最終判断は経営者にしていただくこととして、IT部門の担当者からの回答が経営に大きな影響を与えているということを認識しなければなりません。
最も危険なのは、このような事が繰り返され、企画がコモディティ化してしまうことです。当たり前ですが、経営戦略は具現化して実行しなければ成果はありません。今では、ITなくして具現化することは難しい時代です。このITが出来ることのレベルが低ければ、経営戦略そのものに影響を与えかねません。

企画がコモディティ化する

ITは限られたことしか出来ないとの誤解から、企画の発想レベルも低くなります。新しいことを生み出す発想がなくなり、先行している他社の模倣しか出来なくなります。これでは、後手でしななく競合他社と戦えません。
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ITで出来ることは、極論グーグルが出来るなら方法論はあるということです。でも、グーグルではないので、IT部門・パートナーSI企業の知識と経験は当然ながら、コンサルタントや新しいパートナーを加えることも含み、出来る限りの最高の回答にすることが望まれています。他社と差別化するためには、人だけでなくITを駆使して構築していく時代です。そのためには、想のコモディティ化から脱却し、ITをマネジメントして常に高みを目指さなければいけません。
グーグルでは20%(1日/週)を自ら取り組むプロジェクトに時間を使えます。これにより、技術の研究、新しいサービス、改善などに貢献していることは有名な話です。人間の発想力・想像力は偉大です。この、人が持っている財産を経営に活かさない手はありません。
また、オムニチャネルもネットとリアルの融合という言葉では終わりません。
たとえば、ECは豊富品揃えが可能です。リアル店舗は、限られたスペースの中での最適化をしながら商品の品揃えとしますが、お客さまと直接接することが出来ます。お互いの強みを活かし、弱みを補完しながら、オムニチャネル戦略を組み立てて融合させていきます。その中には、発想がコモディティ化していては、システム統合でしかなりません。オムニチャネル戦略の目指すゴールは違うはずです。ITを駆使して収益を上げたいのであれば、発想を無限に広げ、技術もマネジメントしなければなりません。

まとめ

ITは何が出来るのか? ではなく、ITで何をするのか? 戦略にどうやって融合させるのか? ITをどう使って差別化するのか? 等々を考えることです。
部下に細かく指示をしていると指示待ちの社員と育っていくように、発想の壁をつくることが企業の成長を止めることになります。ITに関していえば、発想のコモディティ化は良いことではありません。日々、技術は発展しています。技術だけではありませんが、ITを戦略に正しく取り組むことができれば、事業を支える重要な役割となります。