CIOが語る!IT経営で会社は差別化出来る

経営課題

IT経営とは、ITを駆使して全ての業務を「お客さまへの価値提供」「商品・サービスの価値向上」「社内業務の合理化」を図ることです。1つのIT(システム)を導入してもIT経営とは言えません。でも、最初から総合的なITを導入する必要もありません。1つ1つ、投資すべき経営課題に対して導入・PDCAをすることが本当のIT経営です。また、IT投資に対する資金については、IT投資をするということは「売上向上・経費削減効果を得る」ということですから、IT投資によって得られた利益を新たな投資へまわす、好循環モデルにすることを考えます。IT経営とは、ITによる単なる収益性向上ではなく、業務プロセスの見直し(社内業務の合理化)も含みますから、筋肉質な会社になるということでもあります。

IT経営が成功・普及しない理由

IT経営が成功・普及しない理由は、IT経営の定義・世の中のコンサルタント等々が、本質を勘違いしているからです。
●世の中で言われているIT経営は?
結局のところSI企業(システム提供会社)と同じです。ようは、経営課題に対する個別対策をするということです。IT経営というよりはIT導入を目的としています。
IT経営とはITと経営を融合させることです。経済産業省によれば「IT投資本来の効果を享受するためには、目的なく、単に現業をIT化するだけでは、不十分であり、自社のビジネスモデルを再確認したうえで、経営の視点を得ながら、業務とITとの橋渡しを行っていくことが重要です。このような、経営・業務・ITの融合による企業価値の最大化を目指すことを「IT経営」と定義します。」とあります。わたしたちは、この考え方に似ています。ITは経営に役立たなければなりません。業務の個別最適化ではありません。IT経営は、全体最適化をしなければ、どこかにしわ寄せがきます。
●情報システム部門とSI企業の違い
情報システム部門とSI企業が同じと考えられていますが違います。情報システム部門の役割としてシステム構築は業務の1つではありますが、本来の役割は、投資対効果・IT経営の企画・実行部門です。ようは、投資対効果に責任がある部門です。

IT経営を成功させるポイント

IT経営のポイントは、大きく2つあります。「ITをマネジメント」することと「CIO(最高情報責任者)の存在」です。
ITをマネジメントするとは、ビジネスモデルとITとのリンク・会社全体のITの総合関係を管理することです。たとえば、営業支援→受注予測→生産管理→サプライチェーン→納期(案内)の一連のことが一瞬で出来るようにすることです。このことにより、バリューチェーンがITにより連携が強めることになります。販売会社であれば、お客さまに価値を提供するベストなソリューションを提案することができるようになります。これは、安易に出来るものではなく、競合他社は真似の出来ない差別化要因となります。そのためには、ITは導入して使うだけではなく、しっかりとマネジメントをしなければならないものであることが重要です。

CIOの存在

IT経営を成功させるには、経営陣の理解と協力は必須です。また、経営陣の中に優秀なCIOがいなければなりません。CTO(最高技術責任者)とは違います。CTOは技術経営で活躍するポジションです。CIOは、ITだけではなく経営に関する知識・経験もなければなりません。正直いえば、IT有識者はエンジニア気質で職人が多いです。つまり、経営よりもITへのこだわりです。この考え方はマネジメントに大切ではありますが、間違うと自己満足になり懸念があります。CIOは、経営に精通して融合を示していかなければなりません。このような人財は世の中には希少です。採用をしようとしても見つかりませんし、見つかっても給与は高めです。社内に適任者がいない場合は、コンサルタントも1つの選択肢です。ただし、誰でも良いというわけではありません。IT投資の方法を見直したいの記事にある「解決方法」のような、自社のことのように親身になって考えてることができるコンサルタントを探す必要があります。