物流業務の効率化は業務効率・スピード・正確性で考える
物流業務の効率化について議論することにした。
物流業務といっても、商品を保管・発送するだけではない。ECが発展している現代において、物流業務は戦略的サービスの1つとなっている。S社でも、EC事業を強化しており、物流部門は単なる間接部門ではなく重要な意味を持つようになってきている。
商品発送には、まずピッキングが必要になるが、受注単位に商品を集めてくる必要がある。しかも、データには無い、保存状態や汚れもチェックしなければならない。更に、お客様の要望(ラッピング)にも応えなければならない。それだけでなく、チラシを入れなければならない。これを受注の数だけ、何度も繰り返すことになる。また、繁忙期になると、人手の確保も重要な意味を持つ。お客様は、配送会社のサービスが良くなっていることもあり、(遅くとも)翌日には届くと思っている。1週間もお待たせすることは、クレームにもなり、他社で購入することも検討されてしまう。
実際に体験するとわかるが、楽な仕事ではない。物流業務は、緻密な計画と実行が求められるのである。とても、大変な業務である。
ピッキングは商品を集めるだけではない
ピッキングは、受注単位に商品を集めてこなければならないが、ポイントは歩く距離を最短にし、何人も同時に動くことを想定しなければならないことである。
同時に何人もピッキングするということは、ピッキングカートの衝突事故をおこさないように倉庫内の交通ルールを考えなければならない。
また、歩数を減らすには、入庫(出庫)の場所も考えなければならない。入庫の効率化はピッキングの効率化にも直結しているので、入庫だけの視点で考えると総合的に失敗する。たとえば、売れ筋商品は近くに置き、売れない商品は遠くに置く必要がある。
ピッキングの際に商品の傷・汚れも確認してもらうことを考えた。が、パートやアルバイトに教育をして、品質を確認してもらうことは、人によって判断が違ってくるので、品質にばらつきが出る。どうせ、梱包の際にホコリを取ることをするので、この時に傷・汚れのチェックをすることにした。
配送センター業務の最適化
注文情報をもとにピッキング(出荷指示)がやってくる。複数の派遣・アルバイトにも協力していただき、複数人で対応している。ピッキングされた商品は梱包担当へ渡され、商品に傷が無いか確認をして、きれに拭き掃除をして梱包している。しかし、注文によってはピッキングに時間がかかり、梱包担当が待ちになることがあった。多少のことだったので、いままでは無視をしてきたが、このタイミングで効率化を進めて、人件費、および、経費削減をすることにした。検討では、どのようにしたら流れがスムーズで、作業待ちを発生させないかということで考えた。
結論としては、カンバン方式の考え方を基盤とし、生産性改善には制約理論を採用して、独自のハイブリッド理論を考えることにした。具体的には、バッファを作ることで作業待ちを無くすことにした。ベテランには、バッファ量に応じて都度前後業務に移動してもらった。これにより、平準化を図ることができる。これを、ボトルネックとなる箇所をPDCAしながら、出荷指示から配送業者に渡すまでのサイクルタイムを短縮していくこととした。