経営戦略策定とは?
経営戦略は、現状と理想とのギャップ・お客さま分析・競合分析・自社分析、等々の工程を経て策定されます。この工程には、良い面も悪い面も見えてきます。悪い面は隠したい・認めたくないという気持ちがあるかもしれませんが、これからハッピーになるには認める勇気が大切です。悪い面を隠して経営戦略を策定しても、間違った戦略になるわけですから、結果は期待できません。いまのうちに発見できて良かったと思いましょう。
自社分析とは?
みなさんは、自社のことをどこまで知っていますでしょうか? 財務諸表はもちろんですが、ビジネスモデル、競合他社との比較、お客さまからどのように見られているか(ブランド)、等々、知っているようで、はっきりと説明できる人は少ないと思います。ビジネスは、お客さまに何かしらの価値を提供して、お客さまから対価を得て成り立っています。
では、お客様に提供している価値とは何でしょうか?
EC(電子商取引)で考えてみると、多くのECでは、NB(National Brand)と呼ばれるメーカーの商品 (例:キリン、アサヒ、サントリーの飲料)や、「カニ、イクラ・・・」等の特産品を販売しています。(それだけではありませんが)両方とも、メーカーや、卸から仕入れ販売をしています。これは、取り扱う商品に需要があることが前提にあり、商品を供給しています。つまり、顧客が求めている価値は、商品ということになります。
しかしながら、NBなら、どこで購入しても価値は同じです。何故、皆さんが経営している店舗・ECから購入しているのでしょうか?
それは、「価格(安い)」「保証が付いてくる」「商品説明が親切・詳しい」「ポイント還元(実質値引き)」「配送期間が短い」「在庫がある」・・・等々、皆さんが得意(強み)としている商品以外の価値があると受け入れられたからです。
ビジネスには、お客さまに提供する価値が必ず存在しています。この価値が、経営戦略を考える上で最も重要なことです。この自社の価値を知らずして策定した戦略では、お客様に自社の魅力を伝えることができず購入していただくことはありません。つまり、この自社の魅力となる強みが差別化要因であり、この差別化に共感していただいた人が、お客様となっていきます。
お客さま分析とは?
お客さまを知ることは大切なことです。当然と思うかもしれませんが、以外とお客さまのことを知らず、お客さま以外の要因(自社都合)で商品・サービスの開発や、マーケティングが計画・実施されています。さて、お客さまを知るため、改めてお客さまにヒアリングするのは大変ですが、営業部門や接客をしている人は、直接お客さまとお話しをしているので有益な情報をもっています。有効活用しないのは勿体ないです。おそらく、情報の受け手による誤解・都合のよい解釈があるので情報の偏りや、不足があると思いますので、お客さまに補完するヒアリングをしましょう。事実で分析することが重要ですので!
お客さま分析のポイント!
整理したい重要ポイントは、お客さまが取引(購入)する目的です。これも当然と思うかもしれませんが、自社が狙った結果とは違うかもしれません。たとえば、「鞄」を考えてみると、機能性を高め収納性抜群をテーマに開発したが、実はシャープなデザインが気になって購入しているかもしれません。実際、昔にカシオのGショックという腕時計が実際の意図とは違ったブレイクをしました。
分類別の売上を見るポイントは軸!
お客さまを分類して売上を見てみます。分類の意味は、ロイヤルクライアント層の再確認です。この分類では軸が重要になります。間違えれば、意味のない分類になってしまうからです。
一般的には、分類軸は下記になります。
- お客さまが消費者である場合、「性別」「年代」「住所」「家族構成」等々
- お客さまが企業である場合、「シェア」「規模」「地域」「従業員一人当たりの売上&利益」等々
分類して、売上が多いところが、自社の価値を必要としている(価値がマッチする)層です。この層をターゲットとして、マーケティング戦略を立てることになります。
競合分析とは?
今回は競合分析です。敵を知ることは大切なことです。相手を知らずして戦うのは無謀でしかありません。相手を知れば優位に戦えます。競合他社をするためには、まず競合他社を明確にします。超大手と比較しても途方にくれるだけです。お客さま視点で比較対象となる企業を対象とすると良いと思います。
競合分析
分析は、お客さまにとって、商品(目的を満たせるか)、価格(投資対効果)、売り手(自社)の価値について、強み・弱み(良いところ・悪いところ)を整理します。お客さまのほとんどが、選定の際に見ているポイントだからです。このようなお客さま視点での分析は、ビジネス本や、ブログなどで見たことがありません。多くは内部要因(企業事情)で記載されているのではないでしょうか。しかしながら、自社都合は、お客さまには関係がないことですから、言われてみれば当然のことです。
競合他社の戦略を想像する
競合他社分析をすることで、競合他社の経営戦略をある程度想像することができます。これにより、先手を打つ、ゲリラ作戦、等々と対策も考えられます。
競合他社の良いところを真似る
バリューチェーン(社内の動き)も比較分析しましょう。何故なら、改善のヒントが隠されているからです。他社もビジネスをしているわけですから、自社努力をしています。ただ、自社の価値も違いますし、様々なことが違いますから、まったく同じではありません。しかしながら、他社の良いと感じたことは、自社にマッチした形で真似ることで改善できます。
このようにして、競合他社を知ることで、自社を優位に戦うことができます。結構、自社都合のことばかりで、都合のよい分析をしていませんか。もしくは、まったくしていないか・・・。是非、競合他社分析をしてください。