ヒアリング結果をまとめる
ヒアリング結果をもとに、全体像を描くことにした。
D社小林「まずは、S社の全体業務の流れを記載してみてください。最初は詳細は不要です。全体的な観点で大丈夫です。いきなり詳細をまとめると、嫌になってきてしまいますからね。ホワイトボードに記載してみてください。」
佐々木「わかりました。こんな感じです。」
D社小林「山田さん。ここにシステムを記載してみてください。」
山田「わかりました。受発注システム、店舗システム、EC、顧客管理システム・・・。こんな感じです。」
D社小林「ありがとうございます。このシステム構成で問題になりそうなことは、何でしょうか?」
山田「データが分散されてしまうことだと思いますが、いまは定期バッチで連携していますので、問題ではないと思っています。」
佐々木「バッチで更新されているのは知っているが、翌日にならないと集計されないので、リアルで数字を知りたい場合があるので、都度、情報システム部に連絡をして集計してもらっている。」
山田「すべてをリアルにするには結構大変です。特にシステム毎に同じマスタでも管理項目が違うので、一緒にすることができない。」
D社小林「そうですね。でも、このプロジェクトでは、既存の考えを取り払って、あるべき姿をイメージしてみましょう。でなければ、現状からの脱出はできません。」
山田「ネットワークの見直しもある前提として、こんな感じかな。」
D社小林「すばらしいですね。ここに業務を意識して機能を置いていきましょう。」
佐々木、山田「全部ではないですが、できました。」
D社小林「山田さん。想定で良いのでデータベースを配置できますか?」
山田「ざっくりですが、こんな感じです。(黒線)」
D社小林「ありがとうございます。バイヤーとのヒアリングでもありましたが、在庫問題は機会損失にもなりますし、足を運んでいただいたお客様に申し訳ない気持ちになります。ですので、在庫など出来る限りリアルで基幹システムにAPI連携しましょう。(赤線)
もう一つ、せっかくのデータが集まるのですから、システム間の連携だけではなく、ERPの要素を取り入れて、ダッシュボードを作りましょう。各工程に携わる人たちが、事実を知り改善ポイントの情報提供です。
もちろん経営陣には、いま以上に経営に活用していただきます。」
佐々木「ダッシュボードには何が表示されるのでしょうか?」
山田「分析ツールを配るのは大変です。」
D社小林「ダッシュボードでいろいろと表示させたいですよね。でも、基本は財務数字の見せ方です。利益は売上から経費を引いた数字です。売上は各店舗の売上の合計です。ようは、あれもこれも表示しても利用者は使いきれないと思います。だから、押さえるべき基本を表示すればと思います。何を表示するかはノウハウです。」
佐々木「そういえば、渡辺COOも、いつもの決まったフォーマットの経営数字だけで把握されているようですし、それだけでなく的を得た課題をぶつけてきます。いつも不思議に思っていたのです。」
D社小林「深掘りするには分析ツールは必要ですが、日々の業務については、ダッシュボードでできるようにしたいですね。」
後日
佐々木「小林さん。ダッシュボードで何を表示するか腕の見せどころとありましたが、売上は当然知りたいですが、それでは目標に対する進捗はわかりますが、遅れていたらどうすればよいかわかりません。わかるようにするということですか?」
D社小林「その通りです。店舗によって要因は違うとおと思いますが、商品別、時間別などは共通して確認すべき要因です。そういった要因を表示してはと考えています。」
佐々木「ありがとうございます。考えてみます。」