投資対効果は売上向上と経費削減で考える
プロジェクト企画署に記載する投資対効果について検討することにした。
投資対効果のシミュレーションをするにあたり、現状の業務から新業務へ移行することで、業務効率があがるポイントを整理した。
業務効率が上がることで、人的稼働時間が削減されることから、削減時間に平均人件単価を掛け算をすることで、削減効果を数値化した。
売上向上は、IT投資により新サービスを実現可能とし、売上向上・マーケティング施策による売上向上を数値化した。しかし、マーケティング施策は、お客さまの反応であるため、数値化することが難しい。たとえば、RFM分析をできるようにして、DMを発送したとしてもDMの内容が悪ければ反応は悪い。機能がなければ実現はできないため機能は必須だが、効果は機能だけでは決まらないということである。
だからといって、売上に関係する変数を洗い出して計算しても絶対正しい数字にはならない。よって、現実的にはマーケティングを担当する部門にコミットメントしてもらう数字とすることにした。このプロジェクトでは、20%増とした場合は、直近の売上に20%増とした売上に対して、利益率をかけた数字を売上向上による効果とした。
ここでシミュレーションした数値は、運用開始後のKPIとすることとした。投資対効果をシミュレーションして算出したは良いが、本番稼働後に効果測定をすることをしないことが多い。よって、投資対効果をKPIとすることで、投資対効果測定をすることになるようにした。
ランニングコスト
ランニングコストを計算するうえで、固定費と変動費がある。固定費の主な費用はインフラと保守エンジニアである。変動費は、保守エンジニアでは対応しきれない規模の改修が発生する場合のコストとする。
- 固定保守 – エンジニア単価 × 60カ月(利用想定期間5年) × 人数
- 変動費 – 年間追加投資 × 5年(利用想定期間)
投資回収
概算とシミュレーションした投資対効果を比較した結果、投資回収期間は約36ヶ月(3年)となった。このリニューアルで最低でも5年は利用することを想定しているため、減価償却の視点から考えると妥当性はあるように思われる。
もっと長い期間利用できる設計としたが、計算のため利用期間は5年とした。想定では3年以内に投資回収をするように考えるが、もし5年経過しても回収できない場合は、投資計画の再検討が必要となるため、判断するために5年と決めることにした。
たとえば、500百万の投資とし経費削減と売上向上による利益で各250百万とした場合、売上貢献の利益は単純計算10%の利益率とした場合、2,500百万の売上アップが必要になる。5年で考えても、年間ペース500百万でアップしなければならないので、正直難しい。
しかしながら、投資をしないとどうなるかと言えば、競合他社と差別化することは難しいだけではなく、競合他社に差をつけられてしまう。つまり、投資対効果がプラスになることだけでなく、戦略的投資が必要不可欠となる。投資対効果の回収を考えるうえで、プラスにならないからといって投資をしないことは経営に悪い景況を与える。但し、戦略的投資を理由になんでも投資をすることとは違う。戦略的投資は、戦略を実行するための投資であり、戦略を確立させるための要件に対して適用する。
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