お客さまが欲しいプロの専門的な記事とは?
お客さまが望む記事は、誰もが知っている一般的なことではありません。専門的な内容です。何故なら、誰もが知っていることは自分も知っていますから、わざわざ調べなくても良いからです。ではなぜ、お客さまはネットで検索をして情報を得たがるのでしょうか?
考えられる理由は、間違った商品を買いたくない・自分の欲しいと思っているイメージにベストマッチな商品を探しているからだと思います。
ロボット掃除機で考えてみる
ロボット掃除機で考えてみます。有名なのはルンバです。今では、ルンバ以外の同様な商品が多数販売されています。掃除をするという意味では同じですが、細部まで比較するとそれぞれに特徴があります。「薄い」「省エネ」「安い」等々があります。メーカーもお客さまの声から改良を加えて商品化したのだと思います。
たとえば、ロボット掃除機の説明で「ロボット掃除機は薄いです!」と説明しても喜びません。カタログを見ればわかることですし、薄いの印象が人によって違いますから曖昧な表現ではイメージがわきません。これでは、お客さまは欲しい情報が入らず、このお店に相談してもダメだと思われてしまいます。皆さんもネットで自然検索で上位に検索されても、情報が古かったり、当たり前のことだけで欲しい情報が得られず、次のサイトへアクセスすることがあるのではないでしょうか。同じだと思います。
だからこそ、プロの専門家としての情報が価値となるのです。「薄い」には理由があります。たとえば、薄いということは、ベットや家具の下の「ほこり」を掃除してくれるという付加価値があります。つまり、高さのある隙間に入るという付加価値です。このポイントを丁寧に説明することが、専門家だと思います。さらに、ベットや家具の足の高さの標準値が記載されており、「一般的なベットなら大丈夫!」とか、記載されていると、お客さまは具体的なイメージが出来て購買へつながります。
このような嬉しい記事があると、そのお店にいけば「ベストなイメージ通りの商品が買える」と思うはずです。これが店舗へ誘導する施策となるのです。そして「家電と言えば、○○だよね!」とブランディングとなるのです。専門的な知識は、マーケティングの大きな強みになります。
注意!強みではあるが差別化ではない
注意すべきは、マーケティングの強みになりますが、差別化にはならないということです。情報は武器になりますが、時間の経過が情報を陳腐化させます。また、情報を得るだけで実際はECで購入するということになるかもしれません。つまり、差別化する価値というものは、強みを具現化したものが要因となります。もし、ナチュラルブランドを扱っている店舗であれば、店員が差別化要因です。プライベートブランドを扱っているのであれば、商品も差別化要因になります。
これでは、専門的でプロの記事は、情報を提供するだけになってしまうのではないかという懸念がでます。確かに、情報提供だけになってしまう場合もあるかもしれませんが、それ以上に店舗経営に一番大切な「お客さまに店舗を知っていただく」=マインドシェアの向上(お客さまが想起する企業やブランドが占めるの割合)になるからです。いくら良い商品でっても、安く提供している店舗があったとしても、お店を思い出していただかなければ、価値を提供する機会にもなりません。ですから、情報を盗まれるだけと思わないことです。また、現実的には、お客さま一人ひとりのロボット掃除機が欲しいと思う理由は違いますし、全てのパターンを記事にすることは非現実的です。だから情報は接客の補完であり支援です。悲観的になる必要はなく、マーケティングの強みである専門的でプロの記事は必ず業績に結びつきます。
ネットが普及した時代においてIT活用なくして成功はありえません。昔ながらのマーケティングの王道に、IT特性を加えた進化したマーケティングが求められている時代だと思います。