【経営課題】事業を見直したい

戦略&マーケティング

経営課題

この問題を抱えている企業は「事業の成長が止まり脱したい」と思っています。競合他社も増え、激化した市場で企業体力を奪う価格競争なら脱したいと思っているはずです。ブルーオーシャンにいけばよいのですが、既存事業に対して、どの事業を強化すべきか?、どの事業から撤退すべきか?、整理が必要です。全てに同じ投資をするのは困難です。この資金の分配を整理するのが、PPM(Product Portfolio Management) です。

経営課題を解決する方法

507_1この問題を解決するには、ボストンコンサルティンググループのプロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)が有効です。PPM とは、市場成長とシェアを軸に4つに分類して整理します。
この4つの枠について詳細をご説明します。事業の見直しには、この PPM を使い、それぞれの事業がどの分類に属していて、投資すべき・徹底すべきのタイミングがわかります。成功した事業は思い入れがあり、撤退できないものです。しかしながら、いつまでも固執するわけにはいきません。英断が必要です。注意すべきは、図の丸はキャッシュ規模であることです。つまり、資金分配の最適化を図るものであることから、キャッシュフローで判断します。売上規模ではありません。(参考:米国の多角化経営で有名な巨大企業の GE は 9つにわけて整理しています)

金のなる木

金のなる木は、市場の成長は低迷している(止まっている・衰退している)がシェアを獲得しているため、安定した収益がある事業です。つまり、追加投資が少なく売上がある事業です。将来的には、市場が衰退して撤退することも考えなければなりません。とはいえ、いまは収益があるわけですから、ここで得た収益を「花形」「問題児」に投資をして、花形は金のなる木に成長、問題児は花形に成長するよう投資をします。

問題児

問題児は、成長市場ではるがシェアが低い事業です。市場は成長しているわけですから追加投資をすることで花形に移行することが出来ます。しかしながら、花形に移行できていない現状分析をすることが大切です。何故なら、追加投資をしても花形になれるとは限らないからです。問題児は、花形の予備軍ではあるものの、追加投資をする・しない(撤退)の判断をすべき事業です。

花形

花形は、成長市場でシェアを獲得している事業です。売上規模は大きいかもしれませんが、競争に勝つための投資もしなければならず、収益が大きいとは限りません。しかしながら、投資を怠ると問題児に戻ってしまうリスクもあります。シェアを維持するための戦略が重要な事業です。また、市場の成長が止まってきたら、次は金のなる木になってもらい、他の事業へ資金投資をする事業へと期待されています。

負け犬

負け犬は、市場の成長は低迷(止まっている・衰退している)していて、シェアも低い事業です。市場の成長が見込めないのであれば、撤退も視野に入れた見直しが必要です。しかしながら、いまは市場が新しく成長率は低いが、将来は有望である市場であれば、問題児→花形→金のなる木への期待があります。市場の見極めが重要な事業です。

成功させるポイント!

経営資源を効率的に分配をして収益(キャッシュフロー)が最大になるようにします。注意すべきは、日々競合他社と戦っている事業担当者からすれば、たとえ負け犬や金のなる木であっても資金は欲しいです。ですので、経営会議では資金が必要と要望してきます。しかしながら、限られた資金ですから判断しなければなりません。事業を背負う担当者ですから PPM で説明をすれば納得できると思います。成功させるには、事業の責任者に理解してもらうことです。いくら投資分配が効率的であっても結果をだすのは社員です。ベクトルをあわせることが、資金に対する収益を最大にします。事業の見直しにより、社内の雰囲気が悪くなるかもしれませんが、会社収益がアップすれば従業員は理解します。JALも日産も同じような状況を乗り越えて、復活しています。誰であっても、どのような会社であっても、やってできないことはありません。