経営課題
この経営課題で悩んでいる企業は、製造業が対象となり「生産性を高めることができず」しかも「生産コストが高い」という状況だと思います。生産を高めるには、設備投資という選択肢もありますが、設備投資に対するリターンを高めることが先決です。つまり、投資対効果を高めることです。設備投資は、高額ですから低コストで生産性を高める努力が優先です。では、どのように生産性を高めるか、ご説明します。
経営課題を解決する方法
生産性向上とコスト削減には、TOCとカンバンが有効です。TOCは、ボトルネックに生産をあわせることで生産性を高めることができます。カンバンはトヨタで使われている方式で有名です。製造に必要な部品は、必要な時に必要なだけ取りにいく方式です。これにより、無駄な部品在庫を持たないことでコスト削減ができます。
TOCとカンバンの組み合わせで考える
製造には各工程があり、ボトルネックとなっている工程以上の生産性は見込めません。この経営課題を解決するには、2つのアクションを繰り返すことで解決できます。1つは「ボトルネックの生産性にあわせる」もう1つは「ボトルネックを改善する」です。ここで注意したいのは、生産性がボトルネックで決まるということは、ボトルネック工程の稼働を100%の状態でいるということです。このため、ボトルネックとなる工程のインプットとなる材料にバッファを持たせることが必要となります。バッファは在庫ですのでコストとなります。このバッファをゼロに近づけることができるのが、カンバンの考え方です。これにより、コスト削減が見込めます。
ボトルネックの生産性にあわせる
ボトルネックの生産性にあわせることで、無駄なコストを抑制することができます。これは、ボトルネックとなる工程の前工程から流れてくる製品が生産待ちの在庫となってしまいます。また、後工程では作業待ちが発生しています。つまり、在庫コスト、生産待ちコストが発生しているということです。これをボトルネックにあわせることで、無駄を最小限にすることができます。
ボトルネックを改善する
ボトルネックを改善することで、時間当たりの生産量を増やすことができます。ボトルネックが生産量を決めますから、ボトルネックとなる工程を高めることは全体の生産量を高めることになります。
成功させるポイント!
ボトルネックとなっている工程を改善することで、今度は別の工程がボトルネックとなります。このアクションはPDCAのように繰り返し実施することがポイントです。最初は、改善プロジェクトを立ち上げることが良いと思います。会社として取り組む姿勢を見せることで、従業員からは改善提案を自発的にするかもしれません。もし、この好循環が成り立てば、誰にも負けない生産性を差別化要因とする企業となるはずです。
この考え方は基本です。実際に改善する施策は企業や業種・業態によって違ってきます。自社の製造工程を分析し、自社にあった好循環を造ることが必要です。