わかっているようで、わかっていない!本当の選択と集中とは?

戦略&マーケティング

本当の選択と集中とは?

店舗・中小企業の基本戦略は選択と集中と言われています。いわゆるランチェスター戦略です。ただ、ランチェスター戦略において選択と集中は戦術の1つであるということです。ネットでは、選択と集中をすることで大手に勝てるような事が記載されていますがが、経営資源を集中させたところで大手と戦えるわけではありません。戦うには、「社員の力 × 戦術 > 大手の戦力」が成り立たなければなりません。

赤壁の戦い(レッドクリフ)

赤壁の戦い(レッドクリフ)の映画は好例だと思います。漢の丞相の曹操の大群に対して、小軍の劉備・孫権との戦いです。映画ですので、脚色している部分があるかもしれませんが、小軍の劉備・孫権が勝利した理由には、「リーダーシップ(周瑜)」「強い戦力(関羽、張飛、趙雲)」「参謀(諸葛孔明)」といった、総合力で相手を上回ることができたからです。どれか1つでも欠けていたら敗れていたでしょう。
選択と集中だけであれば、力の勝負です。いくら猛者であっても多勢に無勢です。

多勢に無勢

多勢に無勢


通常として猛者が倒せる人数を5人だとしたら、戦術を加えることで20人になるようにします。こうすることで、何倍も相手と戦うことができるのです。これが選択と集中が成り立つ条件なのです。具体的には、誰にも負けない強みを武器にする。大手と真っ向勝負するのではなく、奇襲攻撃や相手の力を分散させて1つ1つ戦うことで、勝利を導くことができます。
武器と戦術で勝利する

武器と戦術で勝利する

選択と集中をして大手と戦うには?

大手と戦うヒントは大手の弱みや、戦略のジレンマを突くことです。たとえば、メーカーが自社によるEC販売の方が利益率が良いからといって戦略の舵は取りずらいです。何故なら、いままで販売会社へ卸しており、販売会社がいるからこそ事業が成り立っていました。しかしながら、自社でECを強化するとなると、販売会社は打撃をうけますので反発します。EC販売は1つの優秀なチャネルではありますが、販売会社を犠牲にはできません。つまり、大手にとっては、良いマーケティング戦略がありながらも選択できない戦略のジレンマに陥ります。しかし、機動性のある中小企業はECに舵を取ることができます。このように、大手が出来ないところで、自社を成功させることが本当の選択と集中といえます。
また、注意すべきは選択は優位性がある商品・サービスであることです。当然のことながら、選択とは戦う場所です。自分たちに大手に負けない優位性がなければなりません。当然のことではありますが、異業種からの参入の成功事例がドキュメンタリーなどで取り上げられます。これは、稀であり、裏にはこだわりという武器があるからです。脱サラをしてラーメン店を成功させた事例は見受けられますが、背景にはスープや麺にこだわりがあり、なりよりも自分がラーメン好きであるからです。信念は最大の武器です。この信念があるからこその成功です。無計画な異業種参入ではありません。