情報システム部門の人財マネジメント

スポンサーリンク

情報システム部門の仲間たち

事業会社の情報システム部門には、いろんな経歴を持った人財がいます。わたしが一緒に仲間として働いた仲間には、元コック、元宅配、社内の業務部門や営業部門などからの異動者もいました。また、IT業界の孫請け・ひ孫請け構造による下請けプログラマー経験しかない人もいました。逆にいえば、大手SI企業で活躍してきた経験者は少ないかもしれません。多種多様な経験を持った仲間の楽しい話しではあるものの、これが結果的に情報システム部門の経験や知識不足に陥り、IT貢献度を左右する重要なことでもあるのです。これは、採用した人財が悪いのではなく、教育含めて、企業と社員が努力することを少し足りていないことが原因です。
では、情報システム部門の人財マネジメントは、どのようにすれば良いのでしょうか。答えは、経営視点と情報システム部門視点の違いを知り、解決策を検討・実施することにあります。

情報システム部門の人財マネジメント

情報システム部門に限ったことではありませんが、経営者の視点で言えば、知識・経験関係なく一人は一人です。ですから、部門のマネージャーは、一人当たりの成果を高めることをしなけなりません。ほとんどの役職者は、一人ひとりのスキル不足は理解していて、社員に教育をさせてあげたいという気持ちがあるものの、慢性的な人手不足の中、目先の業務を止めるわけにもいかず、教育が後回しになってしまっているのが現状だと思います。情報システム部門の社員も、忙しいことは仕事と割り切りながらも、このままで良いのか不安になることもあるかと思います。本音と実態が伴わず悪循環に陥っています。

この悪循環の原因は経営をする以上は当然なのですが、人件費含めた経費の問題です。その中にはパートナー企業への契約金も含まれます。ITマネジメントに時間とコストをかければ誰でも出来ます。しかし、経営陣は役職者にはコストを最小にしながらも、最大の成果をだすことを期待しています。とても悩ましいことです。
この状況下で悪循環を断ち切り、成果をだすためには「OJTを徹底する」「個人の長所(得意分野)を活かす」「本当のパートナー企業の存在」の実現が必要不可欠となってきます。

OJTを徹底する

OJTにより、情報システム部門全体のスキルの底上げを図ります。外部講習会に行かせたいと思うかもしれませんが、短期間とはいえ実務から離すわけにも出来ないことや、座学だけで即戦力に活かすには厳しいことは承知でOJTで教育することをします。
しかし、残念なことに社内に必ずしもOJTが出来る知識と経験がある人財が居るとは限りません。また、パートナー企業に協力していただき OJTを依頼しようとしても、パートナー企業の立場としては委託されているプロジェクトに参画してもらうことも可能ではありますが、問題が発生した場合、責任の所在が曖昧となるため断ってきます。ようは、責任を取り切れないということです。もし、準委任契約(派遣)として契約すれば可能になると思いますが、今度はプロジェクトマネジメントの責任者が事業会社になるため、情報システム部門にプロジェクトマネジメントが出来る人財が居なければなりません。これも慢性的な情報システム部門の仕事を増やすことになります。八方塞がりな状態になってしまいます。

解決案としては、情報システム部門を支援するパートナー企業に依頼するしかないと思います。プロジェクトの責任は開発を担当するパートナー企業とし、別のパートナー企業に情報システム部門の支援として入ってもらいながら OJT も依頼します。OJTだけのために契約することはコストを考えると経営陣を説得するのは難しいと思いますが、プロジェクトを成功させるために情報システム部門の不足を補完する役割のパートナー企業であれば賛成してくれるはずです。情報システム部門にとって、都合の良い話しではありますが、情報システム部門の支援をしながら、OJT「も」お願いできるパートナー企業を探すことが解決案になります。

個人の長所(得意分野)を活かす

情報システム部門のキャリアは、昔に比べて広範囲になっています。以前はプログラマーから、システムエンジニア、プロジェクトマネージャーと段階を踏んでいきますが、大手企業はプログラマー、システムエンジニアの経験を積まずにプロジェクトマネージャーとなります。自分では設計や開発を経験していませんので、下請け企業に丸投げをしなければなりません。他方で、下請け企業は、プログラマー、システムエンジニアの経験を積むことは出来るが、プロジェクトマネージャーの仕事は少なくキャリアアップすることが出来ません。うまく、キャリアを積むには転職が必要条件になっている時代になってきました。

また、間違った考え方なのですが、下請け企業から大手SI企業への転職は難しい場合もあります。理由は中途採用者は即戦力を期待されていますので、経験の無い人財は採用されません。これではキャリアアップが難しくなることから、情報システム部門に転職すればプロジェクトマネジメント(上流)の経験が積めると思って転職活動をしてきます。
しかしながら、SI企業と情報システム部門の仕事は大きく違います。SI企業は開発に責任を持ちますが、情報システム部門は投資対効果に責任を持ちます。つまり、求められるスキルもITに関する知識は当然ながらも、経営視点や業務コンサルタント等々のスキルも必要なのです。このことは、誰も認識していないと思います。

他方で、既に入社している社員に活躍していただくためには、活躍できる配慮が必要になります。たとえば、ネットーワークが専門の社員に高度なプログラムを要求しても成果は期待できませんし、仕事を頼まれた本人も仕事とはいえ専門外なので苦しんでしまいます。これでは、お互いが不幸になってしまいます。ですので、社員一人ひとりの長所を知り、活かせられるようにします。
プログラムが得意であれば、プログラムをする時間を長く取れるようにする。データベースが得意であれば、データベース設計を中心に仕事をさせることです。これにより、本人もモチベーションも高まりますし、興味があることには自己学習しますので、成果も期待できるようになります。

本当のパートナー企業の存在

情報システム部門の社員採用には限界があります。全てのIT業務を社員だけで対応するのは無理があり、パートナー企業の存在は必要不可欠です。これは、ネットビジネスをしているヤフーや楽天でも一緒です。大量にエンジニアを抱えているものの、パートナー企業の存在は不可欠です。
経営陣からすると、パートナー企業の利用に異論は無いのですが、どうしてもコストは気になります。厳密には、社員は固定費、パートナー企業は変動費として考えています。つまり、仕事量に対して社員だけでは無理な場合はパートナー企業を使い、社員だけで対応できる量のときは、社員だけで対応するようにすることで、コストを抑えることができます。
しかしながら、パートナー企業としては、仕方が無いと思う反面で、せっかくお客さまを知ることができたエンジニアを別のプロジェクトへアサインしなければなりません。つまり、せっかくお客さまの事を知っているのに、またお客さまが支援を依頼しても、同じエンジニアをアサインする保障することができなくなります。情報システム部門としても、別のエンジニアと仕事をすることになると、1から現状把握することになり、余計な時間とコストが必要になってきます。
企業によっては、このことを見越して、優秀なパートナー企業に対しては、継続的に契約ができるように配慮している場合もあります。実際、わたしが事業会社にいたときは、優秀なパートナー企業には、継続的な契約ができるように予算や業務調整をしていました。逆に、SI企業にいたときは、あまり仕事がなくても何かしらの理由づけをして継続的な契約をお願いされていました。

しかしながら、多くの企業では、少しでもコストを抑える工夫をするよう指示してきます。情報システム部門との継続的なお付き合いのために、パートナー企業もお客さまの立場になって考えて、業界常識ではなく本当の意味でのパートナー企業となれる工夫をするべきです。たとえば、シェアすることも1つの方法です。0.5人月はA社。0.5人月はB社(もしくは社内プロジェクト)。といった具合です。(但し、A社、B社の理解、パートナー企業の理解と案件確保が前提となります。)お互いが折半できるように出来れば、お互いにメリットがあります。あくまでもアイデアの1つではありますが、工夫の仕方は幾らでもあるはずです。業界常識にとらわれずに、創意工夫することで、皆が幸せになれます。

まとめ

組織行動論などの意見もあるかと思います。しかしながら、企業の状況などから直ぐには難しいところがあり、1つ1つ前進させていくことが重要です。
また、採用では、自社の弱いところを補完してもらえるスキルがある人財が良いと思います。理由は、スキルのあるところは生産性も高く、労働時間が解決してくれます。しかしながら、弱いところは自力では苦労することから、パートナー企業に支援をしてもらわなければなりません。パートナー企業に委託するのも1つの選択肢ではありますが、情報システム部門の人財マネジメントという観点ではいえば、お互いがお互いの弱みを補完し合い、総合的に成果をだせる組織が好ましいと思います。

一人ひとりが仕事を好きになり、楽しくキャリアとリンクした仕事ができるようになれば理想だと思います。そのためのハードルはあるものの、1つ1つ前進させていけば結果はついてきます。そして、企業も社員も皆が幸せになれる組織になっていきます。

タイトルとURLをコピーしました