複数価格帯戦略のセグメントとブランドとの関係

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複数価格帯戦略のセグメントとブランドとの関係とは?

セグメントとは、共通のニーズを持ったお客さま集団のことです。ブランドは、他の商品・サービスとの区別をするためのあらゆる概念です。
複数価格帯戦略のセグメントとブランドとの関係とは、複数の価格帯への事業展開におけるセグメントとブランドの関係です。たとえば、ドトールコーヒーで、高価格帯のコーヒーを販売しても、高価格帯がヒット商品になる確立は低く、いままでの低価格帯の商品が売れることになると思います。何故なら、ドトールの商品と価格帯のイメージが浸透しているからです。このイメージを払拭しようと、椅子やテーブルに高級感をだし、居心地を良くしたとしても、時間とコストはかかり、設備投資の採算を取るためにのコーヒー販売数(座席の回転率)も重要な要素となってきます。もちろん、時間とコストをかければ払拭することは出来ると思いますが、違うブランドであるエクセルシオールカフェを展開すれば、無駄な時間とコストをかけずに参入することができます。ドトールコーヒーのように違う価格帯への参入におけるブランドとセグメントとの関係について考えます。

この複数価格帯戦略のセグメントとブランドとの関係ですが、よくよく店舗を見てみると「同一商品・同一ブランド」「複数商品・同一ブランド」「複数商品・複数ブランド」の3パターンがあることがわかります。
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上図は、相対的にみて、左は高価格帯のセグメント、右が低価格帯のセグメント向けになります。この複数セグメントへの進出の3モデルについて、考察してみたいと思います。

同一商品・同一ブランド

厳密には、複数価格帯戦略のセグメントというわけではないかもしれませんが、広義の意味でとらえてください。同一商品・同一ブランドは、同じ商品を違う価格で販売するモデルです。
たとえば、ビールは、自動販売機、量販店、コンビニ、レストラン、居酒屋で価格が違います。量販店で購入すれば、1リットル当たりの単価は安くなります。他方で、レストランでは、同じビールにも関わらず高値になります。これは、状況に応じたビールの価値を変動させて値決めしているためです。お客さまも同一商品であることは理解していても、現在の状況から高値であっても購入することをします。これは「状況という要素」が、同一商品・同一ブランドでありながらも、販売価格が違うことをお客さまに許容していただいているモデルです。

ビールメーカーからすれば、粗利は卸値の交渉次第ですので決まったものはありませんが、販売量に比例して利益額が増えることは確かです。ブランド価値は無視するわけではありませんが、競合激化の中で販売チャネルを広げ、拡販することが重視されます。つまり、利益額を最大にすることを目的とした売り方になります。

また、今でこそ聞かなくなりましたが、街の電気屋さんも、広義な意味で同じモデルです。家電に弱いご家庭に取り付けなどの付加価値サービスを付けることで、値引率が低いまま販売するが可能となり、高利益を確保しています。メーカーからすれば、街の電気屋さんが元気にビジネスをすることで、販売量を増やすことができることから、お互いに幸せな関係になります。ちなみに、街の電気屋さんは、いまの世代は家電に強く付加価値を付加価値と感じなくなったことから、衰退したものと想像します。

複数商品・同一ブランド

複数商品・同一ブランドは、高価格帯も低価格帯の商品も同じブランドで販売することです。アウトレットが好例です。
アウトレットは、在庫調整と(ブランド価値を落とさないように)低価格帯の商品を造り提供しています。ブランドは同じでも、アウトレットというイメージが、ブランド価値を(なるべく)落とさずに提供しています。しかし、よくよく商品と価格を見ると、定番商品は安くない場合があります。また、路面店と同一商品と思っていても、アウトレット用に開発された商品で、同一ブランド他商品とも言えます。たとえば、ブランド店のスーツはアウトレットでは、アウトレット用のスーツを販売しています。購入者からすれば、よく違いがわかりませんが、コストを抑えた製造をしているそうです。
これは、同じブランドで違うセグメントのお客さまを狙うモデルですが、元々はブランド価値を落とすということで、ブランドメーカーは敬遠していたと思います。しかしながら、品質に少しだけ見合わなかった商品や、不動在庫を処分するよりは少しでも販売することで利益につながることから、試行したところ、ブランド価値を(あまり)落とさずに効果が得られたのかもしれません。

複数商品・複数ブランド

複数商品・複数ブランドは、ブランドも商品の違う価格で販売するモデルです。好例は、ドトールとエクセルシオールカフェです。同じ株式会社ドトールが運営していますが、価格帯も違いますし、商品のラインナップも違います。これは、ブランドイメージに影響されないようにして、複数のセグメントに価値を提供するモデルになります。

ブランドをわける意図は、ドトールの安いイメージでは高価格帯のコーヒーが飛ぶように売れるとは思えません。これは、お客さまの心理状況として、高価格帯の商品があっても品質を疑ってしまう懸念があることや、低価格帯の商品がメニューに並んでいれば、低価格帯の商品が目立ってしまうことになるからです。これでは、高価格帯の商品は苦戦します。他方で、スターバックスやタリーズコーヒーなどの高価格帯の市場を黙って見ているわけにもいかず、エクセルシオールカフェのブランドを立ち上げ提供しています。これにより、お客さまは同じドトールと知っている場合もありますが、高価格帯の商品が並んでいることから、ドトールは違うものとして購入していると思います。

また、化粧品などは、低価格帯と高価格帯以外にも、年代などでブランドを変えています。これは、化粧品などはブランドイメージが強いためです。お互いに干渉しないようにしつつ、セグメントにあわせて化粧品のブランドをシフトさせることで、常に同じメーカーで購入してもらえるようにしています。女性の美を大切にする素敵な戦略です。
ファッション業界では、バーバリーが好例です。英国紳士のアダルト層のバーバリーもあれば、日本オリジナルの若い層向けのバーバリーブラックレーベルがあります。

セレクトショップ

いままでは、メーカー(直売)視点でしたが、セレクトショップの視点でも考察します。
セレクトショップは、仕入段階でメーカーが値段をコントロールする場合があると思います。実際には、卸値を一定以下には下げないということです。メーカーからすれば、それだけ価値があるとのことですから当然の主張です。このことにより、価格帯のセグメントをコントロールすることは難しいといえます。

では、どのような戦略になるかといえば、お店をブランド化することが考えられます。たとえば、SHIPSです。SHIPSは「SHIPS」をはじめ、「liflattie SHIPS」「SHIPS DAYS」などを展開しています。これは、セグメントに応じた取り扱う商品にあわせた、お店のブランドにしています。これにより、お客さまは SHIP = ファッション(など)だけではなく、ライフスタイルを提案するSHIPS DAYSによる日用品の購入も可能になります。背景には、SHIPSのセレクト(バイヤー)そのものが、ブランド化していることにあります。ですので、「SHIPS」という名称を付加することで(例:SIHPS DAYS)、SHIPSのイメージを活かしたブランド名となり、他のセグメントに広げても成功することになります。

メーカーは商品で勝負します。セレクトショップはバイヤーで勝負します。それぞれの自社のビジネスモデルの強みを最大限に活かせる展開をすることが求められています。

まとめ

複数価格帯戦略のセグメントとブランドの関係について考察しましたが、どのモデルもお客さまの自社に対するブランドイメージをもとに、売上(利益)が最大になるための最適な方法を選んで展開しています。つまり、セグメントに適したブランドで、商品・サービスを提供するということです。単純にセグメントやブランドを無視した、商品・サービスの展開は効果を落とし、いままで築き上げたブランド価値を落とすことにも成りかねません。ブランド価値を落としてしまうと、戻すのは大変です。以前、雪印がお客さまの信頼を失う大事件をおこしました。復活には雪印のブランドでは無理と判断し、全国農協直販、雪印乳業の市乳事業部門、ジャパンミルクネットの3社統合で日本ミルクコミュニティを創業し、メグミルクのブランドとして再開しました。これも、雪印というブランド価値を落としてしまったために、違うブランドにより再出発をしたものと考えれます。
雪印は、信頼を失うことをしてしまったからではありますが、ブランドを軽視すると同様な商品・サービスであってもブランド力の強い方を、お客さまは選択する傾向にあります。ブランドはとても大切なものなのです。

複数価格帯戦略を取る際には、自社のブランドイメージと価格帯のセグメントの思考を検討することは重要なことで、組み合わせにより成果が大きく違ってくることがわかります。

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