IT経営にはIT設計思想が必要不可欠

EC事業と設計思想の関係IT経営
EC事業と設計思想の関係
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IT経営の設計の考え方

IT経営を実践するための、ITを設計するうえで下記の点を考慮した設計思想があるべきです。何故なら、個々にITを導入しても、それなりに整いますが、ITによる制約条件が発生し業務の生産性が思ったより向上しなかったり、ITがスパゲッティ構造となりメンテナンスが困難となってしまうからです。これにより、無駄な時間とコストを要することになってしまいます。現実問題として、皆さんの企業で使われているITを振り返って見てみると、至るところに「システムによる非効率」と思うところがあるのではないでしょうか。

では、困った経験があるにも関わらず改善されてきていない背景には、事業戦略を達成は必須ですあることから、様々なことを割り切って個別最適化でIT導入を進めてしまうからです。これを繰り返しているのが、現実だと思います。
技術的には、後からでも設計を整えることは可能です。しかしながら、次から次へと投資すべきプロジェクトがあることや、運用保守をし続けることが求められていますから、なかなかメンテナンスをする時間が取れないのが実態だと思います。また、目に見えない投資となるため、経営者の理解が必要となります。
また、システム開発をするパートナー企業も設計思想を意識できていません。何故なら、余計な設計をしなければならず、テストを含めると想定外のコストが発生することになるからです。ですので、パートナー企業の立場で損をしないように、開発範囲を決めて、言われたことをこなすことを仕事であると勘違いをしているためです。これでは、ITを強みにすることは難しくなってしまいます。

設計思想は、競争優位性となるITの基盤を担います。大変そうに思えるかもしれませんが、メンテナンススピードを短縮し、投資も抑えることが出来ますので、経営への貢献度は高くなります。IT経営をするうえでは、戦略の方向性に臨機応変に対応していけなければならず、そのためには設計思想は重要な役割となります。

IT経営を実現する設計の注意点

基本的思想は、SOA(サービス志向アーキテクチャー)に、ビジネスの流れを加えてアレンジしたものになります。対象は、事業会社・バックオフィスです。(ヤフーなどのビジネスモデルの場合は、思想は違ってきます。)

  • 最初から完璧を求めず PDCA でシステムを育てる
  • ビジネスにあわせた拡張性ができるように配慮する
  • 部分最適化と全体最適化を両立させる
  • 処理性能は業務コストとして考える
  • 業務をするうえで、ITが制約とならないように要件を決める
  • シンプルな設計がベストである

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上図は、簡単なEC事業の流れと設計思想の関係です。たとえば、事業拡大に伴い取扱い商品が増えたとします。第一倉庫だけでは手狭になり、第二倉庫を増やします。いままでの倉庫内システムでは、受注した商品応じて倉庫が違いますから、ピッキング情報の出力制御を加えなければなりません。そこで、ECや会計には影響が少なくなる設計になっていれば、倉庫内システムだけに集中して対応することができます。さらに、書籍は小さな商品ですので、10受注分を一括してピッキングすることで効率化を図ることになった場合、また倉庫内システムに手を加えなければなりません。この場合でも、他には影響が無ければスピーディに対応することができます。
システムを分割すれば良いと思うかもしれませんが、データがシームレスにシステム間を連携しなければなりません。オムニチャネルの場合は、在庫管理が複雑になるだけではなく、リアル性が求められる場合があります。つまり、倉庫内における個別最適化と全社的に情報が流れるようにする全体最適化を両立しなければならないのです。

また、最初から完璧な仕様でIT構築することは出来ません。市場の変化や、業務の変化などに対応しなければならないからです。実際に業務をする人からすれば、何でもIT化すれば助かりますので、要望をあげてきますのが、本当に必要な機能なのか?、投資対効果がある機能なのか?、判断をして決めることが好ましいです。出来上がってから、なんとなく違和感があるなど、経験があると思います。ですので、最初から完璧を求めずに、徐々にITも育てていくことがベストマッチするシステムになっていくと思います。そのためにも、設計思想は大切となるのです。(※パッケージの場合は、要望の適応度や、設計思想の確認などになります。)

このように、IT(システム)を導入し成功させるには、ビジネスを中心に考えます。補足をすると、ビジネスとは現状の業務フローに合わせるという意味ではありません。業務フローは、不変的ではなく効率化やお客様のために見直しをする対象だからです。たとえば、オムニチャネルの時代において、物流の見直しなくして実現は難しいでしょう。実現のためには、物流のITも見直しが入ります。その際に、どれだけ納期を縮め、コストを抑えることが出来るように、常に柔軟性のある設計にしておくことです。これが、IT経営の設計思想となります。

補足

一般的なSI企業やITコンサルは、導入することを目的としてしまっています。実際に経営するわけではなく、導入したITの定着が効果にも比例しますから、そこまでは責任を持てないという発想からきています。しかしながら、設計思想はお客さまのことを思えば、出来ることです。お客さまの業績に貢献することが、本来のパートナー企業としての役割であるはずです。
このようなことにならないために、事業側の立場に立って考えることができるパートナー企業を探し依頼すべきです。もしかしたら、SI企業やコンサルティングだけの経験では難しいかもしれません。何故なら、事業会社(社内SE)の経験があることで、相手の立場をより理解できるようになりますし、事業会社の経営視点で考えることは難しいかもしれません。両方の立場を理解しているということは、お互いの事情を理解して、うまくプロジェクト推進含めて実行することができるメリットもあります。是非、本当のパートナー企業を探すことをおすすめします。

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