紀伊國屋書店のグランツリー武蔵小杉出店にみるO2O戦略

紀伊国屋のシンプルな「どっちでもよい」戦略IT経営
紀伊国屋のシンプルな「どっちでもよい」戦略
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紀伊国屋書店のO2Oの取り組み

紀伊国屋書店のプレスリリースによれば、紀伊国屋書店がグランツリー武蔵小杉に出店します。プレスリリースをうけ、ネット上に多くの記事があるので詳細は割愛しますが「カフェ併設店舗」になります。このカフェ併設がO2O戦略の1つとなるようです。
カフェは、セブン&アイ・フードシステムズが提供するのですが、「カフェ内限定で電子書籍版雑誌バックナンバーを読めるようにする」とありました。カフェの併設は他にも多くの事例があります。成田空港にも小さな書店とタリーズが併設している店舗もありました。いまでは、当たり前の光景になってきたのかもしれません。そこで、紀伊國屋書店のグランツリー武蔵小杉出店にみるO2O戦略について考察してみたいと思います。

紀伊国屋の狙いは?

紀伊国屋の狙いは、紙の書籍でも電子書籍Kinoppyの「どちらでもよい」ので、書籍の販売数を増やすことだと考えます。ようは、オムニチャネルを確立するということで、とても意味のある重要な役割があります。

カフェ併設というからには紀伊国屋に主導権があるように思います。つまり、カフェ内限定の電子書籍は紀伊国屋の電子書籍Kinoppyを提供することは間違いないと思われます。お客さまが、ゆっくりカフェを楽しみながら電子書籍Kinoppyを使うことで、電子書籍Kinoppyを知っていただく機会になりますので、電子書籍Kinoppy普及の相乗効果が期待できます。
また、カフェでゆっくりと言いながらも、残りは自宅でじっくりと読みたいと思うかもしれません。この場合は、隣に紙の書籍が販売されているわけですから、同じ雑誌を購入して帰るお客さまもいるはずです。カフェから書店への誘導になります。
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紀伊国屋からすれば、紙の書籍でも電子書籍でも販売できれば良く、こだわりは無いと思います。いかに販売数を増やすかというシンプルな戦略を実行するために、貪欲にリアルとネットの両方から攻めていると思います。
このシンプルな販売数を増やすという戦略が確立できれば、他社との差別化要因になり得るものです。販売数を増やすということは当たり前のことですが、戦術の幅を広げるだけではなく、将来のインターネット世代の人たちの対策にもなる大切なことです。

紀伊国屋の課題

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シンプルな戦略を確立するには、電子書籍の普及が重要です。理由は「どちらでもよい」という戦略はオムニチャネルの時代において、リアルとネットの両方から攻めることができるだけではなく、片方だけの書店と差別することができるからです。オムニチャネルのメリットは、いつでも・どこでもです。つまり、リアルだけでもネットだけでもなく、「どちらでもよい」という環境がなければならないのです。ショールーミングは、インターネットでの販売チャネルが弱いからです。このことは、ショールーミングはリアルな書店だけの書店にとっては悪に見えますが、紀伊国屋にとっては悪ではなくリアルとの相乗効果がある善となるのです。これは、とても重要なことです。

このためにも、紀伊国屋や電子書籍Kinoppyの普及は重要課題となるはずです。もし、電子書籍市場をアマゾンやDNPに奪われてしまった場合、紀伊国屋はリアル(紙の書籍)で戦うことになります。このことは、本来の書籍市場ではなく、リアルの書籍市場内で戦くことになり、実質的に衰退市場で戦うことを余儀なくされる危惧があるということです。
このことからも、紀伊国屋書店がこれからの書籍市場での差別化を図り、勝ち続ける環境を作るには電子書籍Kinoppyの役割は大きいと考えます。

参考記事:紀伊国屋書店プレスリリース

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