【連載】自社のオムニチャネルを考える

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S社のオムニチャネルを定義する

オムニチャネルをテーマに議論することになったが「店舗とECの融合だろ!」「ネットで検索したら店舗に誘導するとあったぞ。」オムニチャネルについて議論が発散してしまった。
そこで、S社のオムニチャネルの定義を考えることにした。オムニチャネルもそうだが考え方であるので正解は無いが、S社としての考えがブレると効果が低いオムニチャネル施策になってしまうことを心配した。

オムニチャネルをどのように認識しているか、整理することにした。

  1. 店舗とECの融合
  2. 店舗への誘導
  3. 在庫を見つけ機会損失を減らす

の意見が多かった。

D社小林「ご意見ありがとうございます。まとめると、店舗とEC・インターネット・在庫がキーワードでした。各部門にヒアリングをした時もそうでしたが、店舗とEC は、共通して売上向上に個別に取り組んでいました。ですので、S社のオムニチャネルは「売上を最大にする」と定義しましょう。店舗でも、ECでも、お客様からすれば、どこで買っても同じです。在庫も機会損失を減らすためです。また、現在のように、個別に対応していては非効率でマーケティングコストが多く掛かってしまいますしね。」

山田・佐々木「皆さんも納得されているようですので、売上を最大する視点でオムニチャネルを考えましょう。」

D社小林「そのためには、S社サービスの統一が必要です。そのためには、店舗、EC で主張し合うのではなく、ベクトルを合わせて協力することが大切です。店舗の強みは強化し、弱いところはEC が補う。その逆で、ECの強みは強化し、ECの弱いところを店舗が補う。そうすることで、お互いに相乗効果が期待され、S社としてのオムニチャネルが実践できることになります。」

佐々木「でも、店舗もECも売上目標があります。たとえば、店舗がECを補った場合、売上は店舗になるのか、ECになるのかで問題になりそうです。」

D社小林「お客様からすれば関係ありませんが、目標制度がある限りは問題として取り上げるべき課題です。では、考えてみてください。いままででも、無意識に他店舗やEC に貢献していることは多々発生しています。在庫切れで、他店舗へ案内することもありますし、取り寄せもします。この場合、お客様が他店舗へ移動して購入したら、他店舗の売上です。在庫であれば、取り寄せをすることで、他店舗では機会損失リスクが高まります。ですが、皆さん協力して対応していますよね。ですから、課題ではあるものの大きな問題ではなく、気持ち的に不公平になることが不満であり、公平性を保てるような制度へと工夫をすることでクリアできるのではないでしょうか。それに、全社売上が達成しなければ、ダントツでトップの成績をだしたとしても、店舗は評価はされますが、ボーナスは原資がありませんので期待できません。どうせなら、がっちりと頑張った対価がもらえた方がよいですよね。」

佐々木「いわれてみれば、そうかもしれません。特に間接部門の評価は全社の成績で決まりますので、全社視点で目標達成に向けた動きをしていきたいです。この件は、課題として管理していきますが、評価に他店サポートポイントのようなものがあると良い感じもしますので、渡辺COOに相談してみます。」

3日後

渡辺「小林さん。佐々木から評価について相談があるとのことだが、知っていますか?」

D社小林「オムニチャネルの話ですね。店舗、ECを連携させると評価がどうなるか気にしていました。」

渡辺「給与に関係するからか。でも、小林さんとよく話しをしているが、数字だけで評価をすると会社は成長しない。それに間接部門は数字がないから評価軸が違う。会社は人で成り立っているので、部門に関係なくひとり一人の従業員が力を発揮できることが良い環境であると思います。評価は動機付けになるが、足を引っ張るようであれば意味がない。」

D社小林「その通りだと思います。渡辺さんは、大学院でも組織行動論には熱が入っていましたものね。」

渡辺「そうだったかな。佐々木の件は承知した。佐々木の勉強にもなるから、相談を聞いて宿題を出そうかな。」

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