インバウンドマーケティングに学ぶWEBマーケティング

戦略&マーケティング

インバウンドマーケティングとは?

インバウンドマーケティングとは、マス広告などを使い情報を発信するアウトバウンド型のマーケティングとは違い、有益なブログをソーシャルメディアを利用して見つけてもらい、ターゲットとなるお客さまを呼び込むマーケティングです。
この理論が成り立つ背景には、ソーシャルメディアの存在が大きく影響しています。Facebook・twitterなどの拡散力は大きなものがあり、この拡散力を利用することでウェブ広告以上の効果が得られるということが前提になっています。そのため、インバウンドマーケティングでは、拡散するコンテンツ作りが重要と位置付けています。
他方で、現在のWEBマーケティングは、リスティング広告等のアウトバウンドからの流入・ランディングページ・アナリティクス等々で成り立っています。流れとしては、リスティング広告やSEOにより、ランディングページへお客さまを流入し、ランディングページで購入・資料請求・ユーザー登録などを促します。WEBマーケティングは、コンパージョン率で評価されます。
インバウンドマーケティングも、WEBマーケティングも「お客さま化」という目的は一緒です。ただ、アプローチが大きく違います。これは、どちらが優れているというのではなく、お互いに長所・短所がありますので、それぞれの特性を理解した上で、補完関係になるようにWEBマーケティングすることがベストな戦略です。
次にインバウンドマーケティングの考え方をベースに、デザイニストラボの考え方を加えながら、これからのWEBマーケティングのポイントをご説明します。ただ、インバウンドマーケティングは「お客さま化」することだけではなく、お客さまになっていただいた後のリピートや口コミによる拡散も含まれています。つまり、WEBマーケティングとは範囲が異なります。この記事では「インバウンドマーケティングに学ぶWEBマーケティング」と題して「お客さま候補へのアプローチ ~ お客さま化まで」について解説します。

お客さま候補へ価値ある情報を届ける

一番重要なことは価値あるコンテンツです。具体的には、実際に読まれる記事が重要になります。このことは「お客さまが欲しい情報は、プロの専門的な記事です!」でも説明されています。
この価値あるコンテンツをソーシャルを利用して拡散し、お客さま候補の目に止まるようにします。ソーシャルは拡散することが得意ですし、ソーシャルグラフのつながる意味次第では、拡散先も同じ悩みを抱えているかもしれず、効率よく情報を届けることができるかもしれません。
また、SEOも重要です。ソーシャル以外にも貪欲に見つけていただく努力することは当然のことながら大切です。
また、インバウンドマーケティングの特徴は、コストを極力かけないという考え方があります。アウトバウンドマーケティングに対抗しているのかもしれませんが、アウトバウンド=多額な広告費用が発生することは事実ですので、コストをかけずに価値ある情報を届ける方法としては期待できますので、中小企業にとっては嬉しいことです。(参考:ソーシャルメディアを使ってウェブマーケティングの効果を高めよう!
しかし、現実的に小売りのSEOの場合、キーワードが一般的になりがちで独自性をだそうとすると一般の人が想像しないものになってしまい意味がありません。現在では、一般的なキーワードの多くは、SEOに強いEC等々が上位を占めています。金融業のように認可制で競合他社が限られている業界ではよいかもしれませんが、基本的には無数にある中で上位を目指すことは地道な活動が必要不可欠であり、時間も必要です。
このような状況から、デザイニストラボでは、キュレータの力を借りることも考えています。キュレータは、無数にあるWEBの世界からキーワードに適した有益なサイトをまとめてくれます。お客さまはキュレータの情報も参考の1つとして情報を得ることをしますので、お客さまとコンテンツをつないでくれる役割が期待できます。
もちろん、キュレータにキュレーションしてもらうための努力は必要ですが、SEOだけの場合に比べたらキュレータは深くまで探してくれますので、発見される確率は高くなります。キュレータも有益なコンテンツをキュレーションすれば、評価されますし、お互いが補完関係にあるといえます。

コンテンツアクセスからユーザー登録へ

ここでのポイントは、ホワイトペーパー等の提供の代りにユーザー登録していただくことにあります。これは昔からの王道な施策です。セミナーでも名刺交換するのと一緒で、ユーザー登録されたということは興味があるということですから、しっかりと見込みから本当のお客さまになっていただくためのアプローチをしていきます。
ただ、商品やサービスにもよりますが、ユーザー登録を嫌がられることも予想されます。これでは、せっかくの情報も届かないという結果になってしまいます。デザイニストラボは、情報はオープンでもよいと考えています。インバウンドマーケティングで、せっかく辿り着いたお客さまのハードルをあげることはマイナスでしかないからです。また、オープンにするということは、売り込みたいという自社都合ではなく信頼の証としての意味も込めることができると考えています。商品やサービス・お客さまの特性にあわせて使い分けることを検討してください。

見込みから本当のお客さまになっていただく

ユーザー登録していただいたお客さまに対して、Eメールや実際に訪問する等して、お客さまになっていただくためのアプローチをしていきます。B2Bであれば、アポイントを取り訪問して、デモを交えて説明をします。わたしも数え切れない程の提案書を作成してプレゼンをしてきました。
他方で、見込み客を教育するという「表現」もあります。しかし、教育という言葉は商品・サービスを深くイメージしていただくという意味では理解できますが、教育というよりは共感と表現した方が適していると考えます。一方的に良い商品ですとアピールしても、お客さまに関心がなければスルーされるだけです。決めては、どれだけ、お客さまに価値があり、心に残ることが出来るかがポイントだからです。押し付けではなく、共感をしていただき必要と感じていただかなければなりません。具体的には、コンテンツ上で様々なテクニックを使ってお客さまに購入後のイメージをしてただけるようにします。
たとえば、圧力鍋を考えてみます。ランディングページに記載するポイントは、圧力鍋の特徴、価格、他社比較などが記載されており、「この圧力鍋がNo1の商品です!」と訴求することでしょう。インバウンドマーケティングでもランディングページは大切ですが、ランディングページだけでなくコンテンツとして価値を提供するようにすることが出来る点が優位性があると考えられます。つまり、圧力鍋のアピールだけではなく、レシピやメンテナンス方法など日々使うことを想定して、主婦の立場で役立つ情報もコンテンツとして提供することで、購入していただく確立は高くなることは想像できると思います。ここを目指すべきであると考えます。
もし実店舗を持っているのであれば、O2O(Online to Offline)として来店を促すことも施策です。これは、資生堂のオムニチャネル戦略(資生堂のオムニチャネルを分析する!)でも見られることです。ネットとリアル(店舗)の両方から、商品・サービスの価値を伝えることが出来ることができれば最強のマーケティング戦略となります。

まとめ

インバウンドマーケティングに学ぶWEBマーケティング

インバウンドマーケティングに学ぶWEBマーケティング


インバウンドマーケティングでは、アウトバウンドマーケティングは不要と取れる表現もあります。しかしながら、アウトバウンドにはアウトバウンドの良いところがあります。たとえば、即効性・コンテンツまでの流入が高くなる等々です。ですので、インバウンドもアウトバウンドも両立させることが本来はベストです。経営戦略でも、業界でのポジショニング視点で考える競争戦略論だけではなく、社内のコアコンピタンス視点で考える企業戦略論の両方が伴って、はじめて経営戦略を策定することが出来ます。WEBマーケティングも一緒で、インバウンドとアウトバウンドのそれぞれの良いところは使い、弱いところは補完する関係になるようにWEBマーケティング戦略を立てることが大切です。
とはいえ、中小企業においてはアウトバウンドのコストは負担です。インバウンドマーケティングでは、コストはコンテンツと自分達の努力ですから、実行しない理由はありません。アウトバウンドは、会社状況、ステージで判断することがよいと思います。
もし、WEBマーケティングで悩んでいるのであれば、まずはコストをかけずに、インバウンドマーケティングを実行することをおすすめします。
また、コンテンツ創りには、ペルソナ(わかる!MBAが教えるペルソナ戦略)で考えることが効果を高めます。記事が散乱しているコンテンツではなく、体系立て・わかりやすく整理をして、お客さま像に適したコンテンツである必要があります。
そして、「お客さま化」していただくことが目的ではあるものの、お客さまにどのような価値を提供することをお約束するのか、ブランディングの要素を忘れてはなりません。もし、お客さまにリピートや、口コミしていただきたいのであれば、ブランディングは必要不可欠です。デザイニストラボでは、ブランドが根底にあり、その上でマーケティングの戦術が効果的となり選ばれると考えています。つまり、体験も含めてブランディングをすることがファンになっていただくための道です。ブランディングは全社で取り組むべき戦略で、ネットを担当するWEBマーケティング戦略もブランディングを意識しなければならないと考えます。