製造業向けのIT戦略!営業と製造にITを活用すれば経営はうまくいく

製造業は素晴らしい職人が活躍する世界

製造業向けのIT戦略についてご説明します。製造業とは、自社で製品を設計・製造して、企業向けに販売する(B2B)企業と定義します。日本の中小企業の強みの1つに、素晴らしい職人の技があります。この技は、日本にとどまらずNASAなどの最先端の世界で採用されるほどです。また、実際には目に触れることはありませんが、様々な部品が世界で使われています。他方で、日々技術革新がおこり、ロボットが細かい作業まで出来るようになってきているのも事実です。とはいえ、まだまだ職人技には遠く及びませんが。この素晴らしい日本文化ともいえる、中小企業の技をもっと世の中に知っていただき、お客さまに価値を提供するIT戦略です。
製造業におけるIT戦略の基本は、人・物の流れを情報化してマネジメントすることです。物の流れとは製造物だけではなく原材料や設備も含みます。人は製造者の業務になります。製造業ビジネスは製品を製造し販売することで儲けています。つまり、基本的には製造物に価値があると考えます。この製造物の生産、品質、コストが最適になるようにマネジメントすることが、ITに求めることになります。
もう1つは、B2Bマーケティングです。よくTVのインタビューで、仕事が減った・アジア(中国・ベトナムなど)に流れていると言ったコメントを聞きます。技術(=品質)は負けませんが、製造コストがアジアに負けていることが背景です。しかしながら、安かろう・悪かろうでは、品質に厳しい日本の消費者は離れていってしまいます。製品の価値は、安ければ良いというものではありません。そうならないように、取引先も使い分けが必要になってきます。このような背景のもと、B2Bマーケティングが重要になってきます。世の中には仕事はあります。この仕事を誰よりも優位に交渉できるようにすることですが、もう1つのIT求めることです。

人・物の流れを情報化し、生産・品質・コストを最適化する

多くの企業で生産管理の仕組みは既に導入しているかと思いますが、バリューチェーンで考えると、さらに効果が高めることができます。
たとえば、トヨタ自動車ではカンバンと呼ばれる SCM の考え方があります。これは、前後工程の利用にあわせて常に最適な在庫となるよう調整するものです。これにより、不良在庫はなくなり、余計なスペースも必要なくなります。しかも、最適在庫は保持していますから、前後工程の製造進捗に影響することなく提供することができますので、機会損失にならないようになっています。
実際には、季節・税制・キャンペーンなどの変数要素があり、統計計算することで時間の経過とともに最適化に近づいていきます。
また、営業活動で受注しても在庫が無く、せっかくのチャンスを逃した経験もあると思います。受注管理も重要な要素となります。しかしながら、製造業にとって余剰在庫は悪とされます。余剰在庫を最小限にしつつ、機会損失をなくすことが求められています。こちらも、受注予測が役立ちます。この受注予測・生産管理・カンバンの仕組みを組み合わせるだけでも、いろんな無駄が削減できると思います。IT投資をしても、十分に投資対効果を得られることはできます。
この考え方は、はやりのビックデータと同じ思想ではありますが、高いお金を払う必要はありません。本当にデータを価値のある情報にするには、高価な仕組みではなく、データを活用する分析する考え方が一番大切なことになります。同じデータでも、データの組み合わせにより、いろんな答えをだすことができるということです。

B2Bマーケティング

素晴らしい技術があるならば、世の中で使って欲しいと考えます。そのためには、マーケティングを強化する必要があります。足で稼ぐことも重要ですが、いまはインターネットの活用も大切な営業活用です。たとえば、オムニチャネルは、B2Cに限ったことではありません。B2Bでも利用できる考え方です。インターネットで、素晴らしい技術を伝えれば、必ず取引したいと思っていただける企業がありますし、ECで販売することだって可能です。アスクルはB2BのEC企業と言ってもよいでしょう。(参考:インバウンドマーケティングに学ぶWEBマーケティング
インターネットが不慣れなこともあるかもしれませんし、専属の社員を雇うことが難しければ、アウトソースや最低限の教育も検討してみてください。いまや、インターネットなくして成長し続けることは困難な時代となりました。また、相手企業もインターネットで取引先を探す時代です。インターネットの世界において、自社を見つけていただき、技術を伝え、興味を持っていただくことが大切です。興味を持っていただけたら、実際の営業さんが最後の契約に結び付けます。オムニチャネルでいう、O2Oの発想です。
是非、オムニチャネルを製造業のマーケティングにも活用することを検討してみてください。

まとめ

製造業におけるIT戦略は、お客さまへ提供する価値を中心としてデータを価値ある情報にすることがポイントになります。これにより、効率性を高め・資金を増やし、成長資金として使うこともできますし、従業員へ還元することもできます。是非、IT投資を検討してみてください。